「あにいもうと」は、室生犀星が1934年に発表した短編小説。
『文藝春秋』1934年7月号にて発表、1935年1月刊行の『神々のへど』所収。同年の第1回文芸懇話会賞受賞作。室生犀星の養母・赤井ハツをモデルとする赤座もんを主人公に、元々仲が良かったが、妹の妊娠を機に激しく対立する兄妹の複雑な愛情を描く。
1953年に成瀬巳喜男監督、京マチ子主演で映画化、1972年に山田洋次脚本、渥美清・倍賞千恵子出演でテレビドラマ化されるなど、たびたび映像化されている。
あらすじ
登場人物
- 赤座 - 川仕事の人夫頭。
- りき - 赤座の妻。
- 伊之助 - 赤座の長男(28歳)。
- もん - 赤座の長女(23歳)。
- さん - 赤座の次女。
- 小畑 - 書生(24歳)。
書誌情報
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映画
これまで3度映画化されている。
1936年版
『兄いもうと』のタイトルで1936年(昭和11年)6月21日に公開。製作はP.C.L.、配給は東宝。モノクロ。上映時間は61分[1]。
1936年度キネマ旬報ベストテン第7位。
- スタッフ
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- キャスト
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1953年版
1953年(昭和28年)8月19日に公開。製作・配給は大映。監督は成瀬巳喜男、主演は京マチ子。1953年度キネマ旬報ベスト・テン第5位。
1976年版
1976年(昭和51年)10月23日公開。製作は東宝映画。配給は東宝。カラー。上映時間は88分。1976年度キネマ旬報ベストテン第6位。第19回ブルーリボン賞主演女優賞(秋吉久美子)・助演男優賞(大滝秀治)受賞。
同時上映は『星と嵐』(原作:池田一朗、出目昌伸 / 監督:出目昌伸 / 主演:三浦友和)。
- スタッフ
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- キャスト
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1990年代 | |
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1965-2000年 | |
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2002-2020年 | |
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2021-2040年 | |
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テレビドラマ
1958年版
『兄いもうと』のタイトルで、1958年11月9日21:15 - 22:15にKRテレビ系列の「東芝日曜劇場」枠で放送された。
- キャスト
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- スタッフ
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KRテレビ 東芝日曜劇場 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
写楽の大首 (1958年11月2日)
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兄いもうと (1958年11月9日)
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1959年版
1959年3月11日水曜20:00 - 21:00に日本テレビ系列の「ヤシカゴールデン劇場」枠で放送された。
- キャスト
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1960年版(NET)
『兄いもうと』のタイトルで、1960年1月28日木曜20:00 - 21:00にNETテレビ系列の「文芸劇場」枠で放送された。水谷八重子が再び主人公もん役で出演した。
- キャスト
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NET 文芸劇場 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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兄いもうと (1960年1月28日)
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1960年版(CX)
1960年8月7日日曜22:00 - 22:45にフジテレビ系列の「百万人の劇場」枠で放送された。
- キャスト
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1972年版
1972年9月3日21:30 - 22:26にTBS系列の『東芝日曜劇場』枠で放送された。脚本は山田洋次、兄・伊之助役は渥美清、妹・もん役は倍賞千恵子と『男はつらいよ』シリーズの面々が顔を揃えた。
- キャスト
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- スタッフ
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TBS 東芝日曜劇場 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
ある夏の終り ( HBC制作) (1972年8月27日)
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あにいもうと (1972年9月3日)
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もしか或る日 (1972年9月10日)
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1974年版
『あに、いもうと』というタイトルで、1974年3月6日にNETテレビの『女・その愛のシリーズ』で放送された[2]。
- キャスト
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- スタッフ
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1995年版
1995年9月12日にテレビ東京系列の『火曜ゴールデンワイド』特別企画として放送された。
- キャスト
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- スタッフ
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2018年版
ドラマ特別企画『あにいもうと』のタイトルで、2018年6月25日月曜20:00 - 21:57[注釈 1]に放送された。主演は大泉洋[4]。視聴率は10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)[5]。
山田洋次脚本・石井ふく子プロデューサーのコンビで1972年に渥美清・倍賞千恵子の出演でテレビドラマ化して以来、46年ぶりの再ドラマ化となる[6]。
- キャスト
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- 大工の仕事をしていて、部下の面倒見もいい。もんちと衝突するが実は本気で憂いていて、赤座家に来た裕樹を殴った。
- トラックの運転手[注釈 2]。イノと衝突するが兄を心配している。実は裕樹との間に子供がいるのを秘密にしていた。
- イノやもんちと仲がいい。
- もんちと別れたが、彼女の妊娠を知り復縁を考える。イノの制裁を受けるが、その後もんちと結婚する。
- 花屋に勤務。元夫との間に息子供がいるその息子はイノと仲がよく、もんちは彼女を気に入っているので兄嫁にと思っている。
- イノが面倒を見ている後輩。
- もんちと復縁しようと赤座家にやってきた裕樹を一喝する。
- 裕樹を怒る忍とイノを宥め、もんちとの結婚を認める。
- スタッフ
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脚注
注釈
出典
外部リンク