アパッシュ(アパッチ、仏: La Société des Apaches)は、1900年頃にパリの音楽家、詩人などが結成した芸術グループである。
概要
グループ名は、1900年頃のパリでチンピラやごろつきの類を「アパッシュ」と呼んでいたことに由来し、ピアニストのリカルド・ビニェスによって名づけられた[1]。このグループのメンバーは、ドビュッシーの歌劇『ペレアスとメリザンド』(1902年初演)を始めとする新しい芸術を支持する「芸術的ごろつき」であることを信条としていた。彼らはボロディンの交響曲第2番の冒頭を秘密のテーマソングとし[2]、それぞれがニックネームを持っていた[3]。
メンバーの中心人物であったモーリス・ラヴェルは、1904年から1905年にかけて作曲したピアノ曲『鏡』を構成する5つの曲を、それぞれアパッシュのメンバーに献呈している。
メンバー
脚注
- ^ アービー・オレンシュタイン、井上さつき訳『ラヴェル 生涯と作品』音楽之友社、2006年、41ページ
- ^ 当時のフランスでは、1890年代に成立した露仏同盟を背景として、芸術分野でもロシアブームが起こっていた。
- ^ ラヴェルのニックネームは「ララ」であった(オレンシュタイン、前掲書、42ページ)。
参考文献
- 今谷和徳・井上さつき『フランス音楽史』音楽之友社、2010年
- アービー・オレンシュタイン、井上さつき訳『ラヴェル 生涯と作品』音楽之友社、2006年