1826年、クーパーは家族を連れてヨーロッパに移住した。著作からより多くの収入を得て、子供たちにより良い教育を受けさせ、健康的な生活を送り、ヨーロッパの作法と政治を直接観察しようとしたのであった。移住後も執筆をつづけ、"The Red Rover"と"The Water Witch"を含むいくつかの本がパリで出版された。パリ滞在中にクーパー家は小さなアメリカ人駐在員コミュニティに属していた。彼は画家(後にモールス符号機の発明家)のサミュエル・モールスと、フランスの将軍でアメリカ独立戦争の英雄であったラ・ファイエット侯ジルベール・デュ・モティエと友人になった。クーパーはラファイエットの貴族的リベラリズムを称賛した。
Howard Mumford Jones、Donald A. Ringe、Allan M. Axelradらはクーパーがトマス・コールのようなハドソン河派の芸術家たちと「周期的発展としての歴史観」(cyclical theory of history)を共有していたことに注目した。
主な作品
フィクション
『レザーストッキング物語』連作, "Leatherstocking Tales"
すぐれたパイオニアの一代記として知られ、冒険小説や歴史小説としても知られている。アメリカをテーマにし、大自然を描いた。主人公はフロンティアに生きる白人にして「高貴な蛮人」Natty Bumppoであり神話的なヒーローで猟師である。主人公は白人であるがデラウェア族の鉄砲の名手である。『開拓者』"The Pioneers: or The Sources of the Susquehanna"(1823), 『モヒカン族の最後』"The Last of the Mohicans: A narrative of 1757"(1826), 『大平原』"The Prairie"(1827), 『道を拓く者』"The Pathfinder, or The Inland Sea"(1840), 『シカ狩り人』"The Deerslayer: or The First Warpath"(1841)からなる5部作。『皮脚絆物語』とも訳される。
独立戦争を題材とした作品
『スパイ』"The Spy"(1821), "The Pilot: A Tale of the Sea"(1824), "Lionel Lincoln: or The Leaguer of Boston"(1825), "Wyandotté: or The Hutted Knoll. A Tale"(1843)の4作品。