この項目では、楽器について説明しています。音楽アルバムについては「チューブラー・ベルズ 」をご覧ください。
チューブラーベル
別称:チャイム、コンサートチャイム、 シンフォニックチャイム
各言語での名称
英
Tubular bells, Chimes
独
Röhrenglocken
仏
Cloches tubulaires
伊
Campane tubolari
コンサートチャイム
分類
打楽器 ・体鳴楽器
関連項目
コンサートチャイム
コンサートバスチャイム
チューブラーベル (tubular bells、英語 では必ず複数形 で表記する)は、打楽器 、体鳴楽器 に分類される金属製打楽器。
形状・呼称など
キリスト教 の教会 などで見られるような鐘 を、コンサートの舞台で演奏しやすいように、ひとつひとつの鐘を管状(チューブラー)にして、ピアノ の鍵盤 の順番と同様に並べて吊るした楽器である。1867年 に発明された[1] 。単に「チャイムズ」や、「コンサート・チャイムズ」あるいは「シンフォニック・チャイムズ」「カンパネラ」などとも呼ばれる。日本では複数形をカットして、「チャイム」「コンサート・チャイム」「シンフォニック・チャイム」と呼称される。
日本 においては「NHKのど自慢 の鐘」と紹介すれば、一般にも馴染みのある楽器である[2] 。
特徴・音域など
音域は中央ハから上へ1オクターブ 半ほどである。管は長いもので150 cmを超え、楽器としてスタンドにセットされた状態では180 cm前後の高さになる。管の太さは音程に関わらず同一のものが使用される。このような楽器の形状のため、座っての演奏(座奏)ではなく 立った状態で演奏(立奏)し、管の上部を専用のハンマー (木製・皮製・プラスチック 製など)を1本ないし2本用いて打鍵する。専用のスタンドに吊り下げた状態で演奏するが、単音が必要な場合には1本をスタンドから外し、片手で吊り下げて演奏することも可能である。
専用スタンドの下部にはペダル式のダンパーがあり、これを操作することで余韻を調節することができる。手で持って演奏する場合は手で余韻を止める。オーケストラ や吹奏楽 の楽譜では、単に「鐘」(英 : bells, chimes 、独 : Glocken 、仏 : cloches 、伊 : campane )としか書かれていない場合があるが、その場合には、楽譜を見て、演奏の都合などを勘案して、チューブラーベルを選ぶか単体の鐘を使用するか決めるのが普通である。複数の音がある場合(概ね3音以上)は、作曲者はチューブラーベルを指定しているものと、通常は解釈する。
その「鐘のような」倍音 構造から、作曲家が音域を正確に把握していない場合もあり[注釈 1] 奏者がオクターブ上げたり下げたりして演奏することは慣例になっている。厄介なのはアメリカ式は最高音がGだが、ヨーロッパ式は最高音がFのため、しばしばトラブルになる。近年はヨーロッパ式の下限の音域を増やしたFからFまでの2オクターブタイプをベルジュローが制作している。
チューブラーベルの音色はスレイベル とともにクリスマスソング を彩る要素として扱われることがある[2] 。
音楽プロデューサーの田中隼人 はクリスマスソング を作曲する際、チューブラーベルの音色を使うと述べている[2] 。田中はその理由として、「調性感の外れたベルの音は、なんとなく冬っぽさを感じさせるんですよね。」と説明している[2] 。ゲーム音楽家の古代祐三 も、『X'mas Collections II music from SQUARE ENIX』に参加する際、クリスマスらしさを出す要素としてスレイベルとチューブラーベルを挙げている[3] 。
また、チューブラーベルは、日本のバンド・Roselia がスピード感と宗教的な雰囲気を出すために用いる音色の一つでもある[4] 。
チューブラーベルの印象的な作品
管弦楽曲 (クラシック音楽 )
吹奏楽曲
アンサンブル曲
金田真一 :カプリス
トーマス・ゴーガー(Thomas Gauger):「ゲインズボロー」-5人の打楽器奏者のための- "GAINSBOROUGH" for 5 Percussion Players
伊藤康英 :バリ島 からの幻想曲 '84
八村義夫 :星辰譜
ロック
ポップス
その他
主なメーカー
ヤマハ
パール
ムッサー
プレミア
ディーガン
アダムス
ベルジュロー
脚注
注釈
^ ジェイムズ・ディロン のL'ECRAN Parfumeの第一小節目は、どのモデルにもない音を出す指示がある。
^ 楽譜上の指定は本物の鐘だが、用意できないオーケストラが多くチューブラーベルで代用されることも多い
^ 史上初の10本の使用を指示した作品。
^ 原曲は管弦楽編成
出典
関連項目