ウィキペディアにおけるツールチップについて、
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ウェブブラウザ で、ハイパーリンク にマウスポインタ を当てた場合のツールチップの例。"HTML "という文字列に"HyperText Markup Language "を指定。現在ウィキペディア での既定の動作とは異なる場合があります。
ツールチップ (英 : tooltip )とは、コンピュータのグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) における表示要素のひとつで、対象にポインティングデバイス のカーソル(マウスポインタ など)を重ね合わせる(マウスオーバー する)と、その周辺に小さな領域が出現し、注釈や補足説明などが表示されるものである[1] 。
概要
グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) において、ラベル文字列や画像などの静的に表示されている情報だけでは十分に説明しきれない、詳しい付随情報やヒントなどを動的に表示するために考案された表現手法・共通要素のひとつ(ウィジェット )である。
例えば、ボタン(コマンドボタン)には押したときの動作を端的に表すための極めて短いラベルのみを設定することが多く[2] 、1単語や2単語では十分に説明しきれないこともある。しかし、ボタンを押したときに発生する動作や効果を詳しく説明するツールチップを設定しておけば、ユーザーはボタンを押す前にマウスオーバーしてツールチップを表示することでその動作を把握することができ、初めて使うユーザーへの簡易的なマニュアルとしても利用できる。またツールチップは普段は表示されておらず、表示のための場所を占有しないので画面を広く使えるというメリットがある。ツールバー などで使われる小さなボタンにラベルではなくアイコン画像を使って面積を節約する場合も、説明のためにツールチップがよく併用される。タブブラウザ などのタブ型UIで、ドキュメントのタイトルやファイル名が長すぎてタブに表示しきれない場合、ツールチップを使って表示することでタブをアクティブにせずとも内容やファイルパスを把握できるようにする、といった使い方もある。
しかし、ツールチップは一定時間経つと自動的に消えてしまう仕様になっていることもあり[3] 、その場合ユーザーは消えてしまう前に情報を読み取らなければならず、あまり長い説明を付与することはできない。また、ツールチップの仕組みを知らないユーザーには気づかれにくいし、ツールチップによって下側にあるものが覆い隠されてしまうため、場合によっては使い勝手を損なってしまうこともある。
カーソルが要素を通過するだけではツールチップは表示されず、ある程度の時間同じ位置に静止している必要があるため、スタイラスペンのようなポインティングデバイスでは微妙な手振れによってうまく表示できないこともある。後述のタッチ入力環境のようにツールチップ方式がそもそも使えないGUI環境もある。
表示する手順
カーソル (主にマウスポインタ)の操作が必要である。
ユーザーがカーソルを何らかの要素にマウスオーバー する。
原則カーソルの真下から、右または右下[注釈 1] に広がるような形の小さな枠がロールオーバー する。
その枠内には選択された項目に関する補足説明などが表示される。
ツールチップが消える(非表示となる)条件はいくつかあり、実装によっても異なる。一定時間経つと自動的に消えるものもあれば、カーソルを動かさない限り消えないものもある。要素の表示領域内でカーソルを動かしても消えず、領域からカーソルを外すことで消える仕様になっていることもある。
名称
Microsoft Office では、ポップヒント [4] (英 : ScreenTips [5] )と称されている。開発者 向けのMSDNライブラリ については、ツールヒント [6] (英 : Tooltips [7] )と、情報ヒント [6] (英 : Infotips [7] )の2つに類別して呼ばれている。
中でも、Microsoft Office における、追加情報・図 ・ヘルプ記事 へのリンク [4] を付属したものは、拡張ポップヒント [4] (英 : Enhanced ScreenTips [5] )と言う。
また、ウィキペディア では脚注 にマウスオーバー させれば脚注ツールチップ (英 : Reference Tooltips )が表示される[注釈 2] 。
類似の機構
バルーン
Microsoft Windows では似たような機構 として、主にテキストボックス で使われることを想定した吹き出し型のバルーン [8] (英 : Balloons [9] )がある。内部的にはTTS_BALLOON
スタイル属性を持つWin32ツールチップコントロールの一形態である[10] 。バージョン5.80以降のコモンコントロールとして使用可能[11] 。
Mac OS でも似たような機構としてバルーンヘルプ (英語版 ) [12] を備えていた。
その他
特に古いソフトウェアで、選択されたツールの説明をステータスバー に表示するものもあるが、そのような機能は通常はツールチップとは言わない。
なお、ツールチップの代わりにマウスオーバーで各種プレビューが表示される場合もある。
応用例
ツールチップの実際の応用例は、デスクトップアプリケーションのみならずウェブページ において広く普及している。多くの GUI ベースのウェブブラウザ では、HTML の汎用属性である title
属性 を、その要素の上にカーソルが乗ったときに表示するようにしている。これらのブラウザでは、ウィキペディア 上で画像やハイパーリンク にカーソルを重ねた場合にもツールチップが表示されるであろう。いくつかのブラウザ(特に Internet Explorer など)では、img
要素に設定された alt
属性 についても、title
属性と同じ要領でツールチップを表示する。なお、 title
属性と alt
属性が両方設定された場合は、ツールチップの内容として title
属性の値のほうを優先するが、この挙動が妥当であるかどうかについては議論がある[要出典 ] 。
タッチUIにおける問題点
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マウスオーバーによって展開や表示が開始されるメニューやツールチップといったポインティングデバイス 操作前提のUIは、タッチパネル を利用したタッチ操作には不向きである。というのも、指先によるタッチ操作では基本的にシングルタップが操作の基本となるため、タップ(クリック)とホバーを区別することができず、マウスやスタイラスペン などのポインティングデバイスによるホバー操作を直接代替・シミュレートするのが難しいからである。
スマートフォン やタブレット のようなタッチパネルがメインもしくは唯一の操作手段となるモバイルデバイスが普及するにつれて、ホバー操作の問題が顕在化する。この問題を解決するための方法として、マウス操作を前提としたアプリケーションやWebページデザインの見直しとタッチ対応への移行が挙げられるが、Microsoft Windows 8 上のInternet Explorer 10やWindows 8.1 上のInternet Explorer 11のように、ブラウザ側で独自に拡張した機能によってタッチによるホバー操作(ホバータッチ)をサポートする例も見られる[13] [14] 。Android では類似のアプローチとして、ビューを長押ししたときにツールチップを表示することができるようになっている[15] 。
脚注
注釈
^ LTR言語 (左から右に書く英語 のような言語 )環境の場合。RTL言語 (右から左に書くアラビア語 のような言語)環境では逆方向になる。
^ 脚注ツールチップに含まれている設定ボタンを選択することで、ツールチップを表示するタイミング をクリック したときに変更可能。並びに、ツールチップを表示するまでの秒数 (ミリ秒 ) の設定や、無効化することもできる。
出典
外部リンク
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関連項目
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