バイベル・パラーデ小体

バイベル・パラーデ小体血管心臓を裏打ちする血管内皮細胞に存在する貯蔵顆粒である。主に2つの物質、ヴォン・ヴィレブランド因子P-セレクチンの貯蔵、放出を行う。これらはそれぞれ止血炎症に関与する。名前は1964年にこれを発見した2人の科学者に由来する。

成分

ヴォン・ヴィレブランド因子(vWF)は多量体タンパク質であり、血液凝固因子の一つである。[1]もう1つの P-セレクチンは血管内皮の炎症に際して白血球を誘引、血管外への遊走を許し、感染や傷のある場所まで移動できるようにする。[2][3]

他には、インターロイキン-8エオタキシン-3エンドセリン-1アンジオポエチン-2オステオプロテゲリンなどのケモカイン、CD63/lamp3・α-1,3-フコシルトランスフェラーゼVIなどのテトラスパニンが確認されている。

臨床

主にヒトの遺伝的疾患によって注目される。vWFの変異はよく見られる遺伝性血液凝固異常症、ヴォン・ヴィレブランド病(VWD)を引き起こす。VWDが人口の1%に上る人口集団もあり、皮膚粘膜からの出血が長引くことが特徴である。III型VWDは血友病にも似た大出血を起こす。vWFは、一次止血では血小板を傷口に集め、二次止血では凝固因子VIII(FVIII)のシャペロンとして機能する。

生産

多量体vWFは二量体vWFからゴルジ体で組み立てられ、脂質二重膜に包まれて輸送される。また、血小板のα顆粒もvWFを含むが、バイベル・パラーデ小体の方が主要であると考えられている。

沿革

1964年、スイス解剖学w:Ewald Weibelルーマニア生理学ジョージ・エミール・パラーデ によって発見された。[4]1974年、パラーデは細胞小器官の機能に関する研究によってノーベル生理学・医学賞を授与された。

参照

出典

外部リンク

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