本書の執筆に際してヒルガードは、心理学的に重要な問題を提起し、そのような問題にはどのように答えればいいのかを教えることによって、学生を惹きつけるようにした。この点について、ヒルガードは次のように述べている。「本書の計画に際しては、私がこれまで講義で行ってきたのと同じように、とにかく学生のことを考えるようにした。学生にいろいろ質問して考えさせたり、また、説明が不明確のときには話の途中でも質問するようにと促しておくこともせず、ただ一方的に話し続けるような講義を決して認めるわけにはいかない。拙著の構想と執筆に際しては、学生の興味を惹きつけるために、このことばに忠実であり続けるように心掛けた」。このような基本姿勢の下で、ヒルガードは、歴史上最も有名な教科書の一冊となる初版本を執筆し始めた。そして、1953年に本書の初版『心理学入門』(Introduction to Psychology) は熱狂的に受け入れられ、約14万5千部、第2版では、生物学、感覚と知覚、統計と心理測定の章が追加され、第3版は41万5千部も売れたと言う。
『ヒルガードの心理学(第15版)』(内田一成監訳,金剛出版, 2012) (Nolen-Hoeksema, S., Fredrickson, B., Loftus, G. R., & Wagennaar W. A.: Atkinson and Hilgard's Introduction to Psychology], 15th Ed.. Wadsworth Cengage Learning: EMEA, 2009)
『ヒルガードの心理学(第14版)』(内田一成監訳,ブレーン出版, 2005) (Smith, E. E., Nolen-Hoeksema, S., Fredrickson, B., & Loftus, G. R.: Atkinson & Hilgard’s Introduction to Psychology,14th.Ed.. Wadsworth/Thomson Learning: Belmont, 2003)
『ヒルガードの心理学(第13版)』(内田一成監訳,ブレーン出版, 2002) (Atkinson, R. L., Atkinson, R. C., Smith, E. E., Bem, D. J., & Nolen-Hoeksema, S.: Hilgard’s Introduction to Psychology,13th. Ed.. Harcourt College Publishers ; Fort Worth, 2000)