ビューローベリタス (フランス語 : Bureau Veritas S.A. )は、フランス ・パリ 近郊のヌイイ=シュル=セーヌ に本拠を置き、試験 、検査 および認証 を行う企業。認証企業として、SGS と共に世界有数の規模を持つ[1] [2] 。世界各地域に1400以上の事務所・試験所を持ち、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている。ユーロネクスト・パリ 上場企業(Euronext : BVI )。日本法人はビューローベリタスジャパン株式会社 。
【検査機関証表示】 国際輸送される海上コンテナ に貼られた、設立年の『1828年』表記入りのビューローベリタス社のマーク[1] 。 このコンテナが製作され完成した時点で、専門の検査機関であるビューローベリタス社がISO 規格に問題なく適合している旨を記した表記の一例。
沿革
ビューローベリタスはフランスの船級協会 としての歴史を持ち、現在も船舶 や関連設備の評価・認証が主要事業の一つとなっている。1821年 冬にヨーロッパを襲った大嵐が多くの被害を出し、対処できずに倒産する保険機関が続出していた中の1828年 6月、オランダ立憲王国 統治下のアントウェルペン で、海上保険 業者のAlexandre Delehaye とLouis van den Broek 、保険ブローカーのAuguste Morel の3人により、船級協会としての役割を果たすセンターとして設立された[3] 。翌年、現社名への改称と社紋の制定が行われ、1830年 にパリに支店を開設後、1833年 に本部をパリへ移転した[3] 。ジュール・ヴェルヌ の『海底二万里 』『神秘の島 』等で言及されるなど、間もなくヨーロッパ中に知られる船級協会となり、20世紀初頭にはアメリカ合衆国 や世界の主要港に拠点を拡大した[3] 。
工業化の進展に伴い1910年代から、鉄道 関連など工業製品の試験事業に着手し、第一次世界大戦 後には対象を航空 関連や自動車 へと拡大、またパリ郊外に研究所を新設し、化工品の分析や建築材料の試験を開始した[3] 。21世紀までにビューローベリタスのサービス対象は一般消費財へと拡大した。2007年 10月、パリ証券取引所 の上場企業となった[4] 。
1995年 にフランスの投資会社ウェンデル(Wendel S.A. )が株式の19%を購入して以降、同社がビューローベリタスの大株主となっており[1] 、現在は株式の約4割、議決権ベースで過半数を保有している[5] 。ウェンデルの支持のもと、伝統的な船級・オフショア部門からコモディティ部門に至るまで、欧米を中心に同業他社を続々と買収する積極策を展開、2003年 から2007年 までにBerryman & Henigar [6] をはじめアメリカの同業他社7社を買収、2010年 6月、イギリスのスリーアイ・グループ の系列企業であったInspectorate を買収[7] 、2012年 2月、カナダのAcmeLabs を買収[8] 、同年5月、アメリカ・ヒューストン を拠点とするTH Hill を買収[9] 、2013年 1月、ドイツの7Layers を買収[10] 、2014年 2月、カナダのMaxxam を買収[11] 、同年9月、イギリスのMatthewsDaniel を買収[12] 、2017年 1月、アメリカのシリコンバレーを拠点とするSIEMIC を買収した[13] 。
日本法人
日本におけるビューローベリタスは、1953年 、横浜市 と神戸市 に同社のフランス船級協会検査員事務所が設けられたことに始まる[14] 。この流れを汲むビューローベリタス日本支社が船級部門や政府指定検査・国際貿易検査を担当する一方、建築認証部門 の「ビューローベリタスジャパン株式会社」とシステム認証部門(ISO 認証)の「ビーブイキューアイジャパン株式会社」が別個に設立されていたが、2014年 、ビューローベリタスジャパン株式会社に全事業が一本化された[14] 。日本法人本社は横浜(山下町 )にあり、北海道から九州に至る各地に事業所を持つ。
日本における不祥事
2020年 2月14日 - 国土交通省 は確認検査員の不備によって必要な防火区画 がない建築計画に確認済証 を交付したことなどを理由に1ヶ月の業務停止処分 を下した。[15]
出典
外部リンク
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