ファイザー(英: Pfizer Inc.)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く大手製薬会社。2021年の医薬品売上高は世界第1位である[1]。ニューヨーク市マンハッタン区のグランド・セントラル駅に程近いミッドタウン東部に、本社ビルを所有している。
企業目的(スローガン)は「Breakthroughs that change patients' lives」(患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす)[2]。
沿革
ファイザー公式サイトのアメリカ本社の歴史などによる[広報 7]。
研究開発
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研究開発費に毎年9000億円近く使われているが、ファイザー本体からの新薬は1998年のバイアグラ以来登場しておらず、2006年には超大型新薬になると期待されたトルセトラピブの臨床試験も失敗した。稼ぎ頭であるリピトールが2011年に特許が切れて、後発医薬品の登場によりブロックバスターが無くなり、経営体制の見直しを余儀なくされているのが現状である。これにより、日本法人を含めて世界規模でのリストラが進められている。
不祥事
1996年、ナイジェリアのカノにおける臨床試験で、髄膜炎の治療に同社の薬剤「トロバン」が使用され、200人の子供が身体障害を受け、11人が死亡した。ナイジェリア政府は、インフォームド・コンセントを適切に得たかどうかについて疑わしいとしてファイザーを起訴した。ファイザーは、薬物検査に関するすべての規制を満たしていると法廷で主張した。最終的に、ファイザーが総額7500万ドルの損害賠償をカノ州に支払うことで和解した[9]。
日本法人
ファイザー株式会社(英:Pfizer Japan Inc.)は、米ファイザーの日本法人である。本社は、東京都渋谷区代々木三丁目22番7号(新宿文化クイントビル)に所在する。
日本法人の沿革
ファイザー公式サイトの日本法人の歴史などによる[広報 9]。
- 1953年 - 田辺製薬(現・田辺三菱製薬)との合弁により、ファイザー田邊株式会社を設立し、日本へ進出した。当時の主力製品「テラマイシン」(抗生物質)などの販売を開始するも、テラマイシン国産品の増産ができず、当時の厚生省の方針によって合弁契約の解消を迫られた。
- 1955年6月 - 台糖ファイザー株式会社を設立。台湾製糖は独自の培養技術でペニシリンを販売していたが、パートナーとして海外医薬品メーカーと提携を模索しており、当時のファイザーと利害が一致した。1955年にファイザー田邊の株式のうち、田辺製薬の持ち分を台糖へ譲渡し、台糖ファイザーが誕生(実際は後に社名変更を実施)した。会長に武智勝(ロバート・アーウィンの妻の弟)、社長に益田克信(益田孝の孫)が就任。
- 1950年から1970年代 - 当時は外為法の規制によって、外国の製薬会社は日本の大手製薬会社との合弁会社を通して、自社製品を合弁先である日本の製薬会社によって販売していたが、台糖ファイザーは当初から独自にMR(医薬情報担当者)を多く雇用し、自社で納入・販売先を開拓してきた。そのため多くのMRを擁していることが特徴である。また、合併や自社開発により扱う製品数が多くなったこともあり、現在では全国に約2,400人のMR(国内最大級)がいる。
- 1983年 - 米ファイザーの完全子会社となった。
- 1989年 - 日本法人の社名をファイザー製薬株式会社に変更した。
- 2003年 - 米ファイザー (Pfizer Inc.) が2000年に米ワーナー・ランバート、2003年に米ファルマシア を買収したのに併せて、日本法人もそれぞれ事業を統合した。ファルマシア日本法人との事業統合を機に、現在のファイザー株式会社へ社名を変更した。
- 2007年7月 - 医薬営業部門を対象とした先着電話受付リストラを実施し、本社・MRを含む約700名が早期退職した。
- 2008年 - 日本法人設立55周年を記念してCMが制作され、楽曲には中孝介の「風よ」が起用された。
- 2010年6月1日 - 2009年10月の米ファイザーの米ワイス社買収に伴い、日本法人もワイス社日本法人と統合した。
- 2015年9月1日 - 重篤な副作用症例を定められた期限内に医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ報告していなかったため、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法、旧薬事法)第72条の4第1項の規定に基づき、厚生労働省より業務改善命令を受けた[4][広報 10]。
- 2019年1月 - アップジョン事業部門を新設し、エスタブリッシュ医薬品事業部門を専門とする。上海に本部を置き、日本でも非感染性疾患領域の治療薬を中心に展開する。
- 2020年11月16日 - 米本社がアップジョン事業部門を分社化してマイランと統合させて新会社VIATRIS(ヴィアトリス)を設立したことに合わせ、日本法人はアップジョン事業部門をヴィアトリス製薬に社名変更し、マイランEPD合同会社、マイラン製薬とともにヴィアトリスグループとして事業開始すると発表[10]。
主要商品
- 合併後に承認された製品
- かつて取り扱っていた製品
- アリセプト(ドネペジル) - エーザイが開発・発売しているアルツハイマー病治療薬で、提携によりファイザーが日本も含めて世界的に共同販売を行っていたが、2012年12月末をもって販売提携が終了した。
- イブランス(パルボシクリブ) - 乳がん治療薬 サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害剤
自主回収
- アムバロ配合錠「ファイザー」
- 2019年2月8日、海外原薬製造所(インド)で製造された当該製品の原薬バルサルタンから、世界保健機関(WHO)においてヒトに対して発がん性があるとされるN-ニトロソジエチルアミンが、許容限度値の0.166ppmを超えて最大0.23ppmが検出され、N-ニトロソジメチルアミンが許容限度値0.599ppm以下であるものの、最大0.10ppmが検出されたとの情報を入手した。そのため、当該医薬品の4商品、763,820錠を自主回収することとした。現在までに国内外において重篤な健康被害が発生したとの報告はない[11]。
脚注
注釈
- ^ 実際は楕円形のマークに傾斜が掛かり、アルファベットのファイザーの文字の書体が変更された程度であった。
出典
広報資料・プレスリリースなど一次資料
関連項目
外部リンク
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- 銘柄入替日時点でのウェイト順
- 緑字は2024年3月18日入替銘柄
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注: 本社所在国はフォーブス誌公式サイトの表示に基づく。 |
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