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ベルガモ (イタリア語 : Bergamo ( 音声ファイル ) )は、イタリア共和国 ロンバルディア州 中部にある都市で、その周辺地域を含む人口約12万人の基礎自治体 (コムーネ )。ベルガモ県 の県都 。
ミラノ の北東約40km、アルプス の麓に位置する。市街は、丘の上の旧市街チッタ・アルタ(上の町)と、丘の下の新市街チッタ・バッサ(下の町)からなる。城壁に囲まれたチッタ・アルタには、中世の面影を残す景観や多くの文化財がある。整然と作られたチッタ・バッサは、19世紀以降商工業の中心として発展した。
ベルガモは、西欧内陸の歴史的な郵便 の拠点であった。中世、ベルガモ飛脚と呼ばれる郵便業者を組織したトゥルン・ウント・タクシス家は、郵便網を発展させ、近代郵便の原点ともされるライヒスポスト (神聖ローマ帝国 の郵便事業)を管掌した。
2017年、旧市街の一部が「ベルガモの要塞都市」として世界遺産「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール 」の一部として登録された(ID1533)。
名称
標準イタリア語以外では以下の名称を持つ。
地理
位置・広がり
ベルガモ県 の中部やや南西寄りに位置しており、レッコ から南東へ28km、ブレシア から西北西へ45km、州都ミラノ から北東へ46kmの距離にある[4] 。
隣接コムーネ
隣接するコムーネは以下の通り。
地形・地勢
市域の東方にセーリオ川 、西方にブレンボ川 が流れる。いずれもポー川 水系アッダ川 の支流であり、クレモナ 近郊でポー川に注ぐ。
地震分類
イタリアの地震リスク階級 (it ) では、3 に分類される
[5] 。
市街
ベルガモは旧市街のチッタ・アルタと呼ばれるベルガモ・アルタと、FS の駅がある新市街のチッタ・バッサと呼ばれるベルガモ・バッサとに分けることができる。旧市街は丘の上に壁で囲まれており、2017年に「ベルガモの要塞都市」として世界遺産「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール 」の一部として登録された(ID1533)。新市街からケーブルカーで行く。
ベルガモ・アルタへの道
ヴェッキア広場とアンジェロ・マイ図書館
コッレオーニ礼拝堂
歴史
古代
ベルガモの起源は、ケルト系 の民族であるCenomani によって建設された古代の都市ベルゴムム(ラテン語 : Bergomum )である。紀元前49年 、この街は共和政ローマ のムニキピウム となり、最盛期には1万人の住民が暮らしていた。この都市はフリウリ とラエティア を結ぶ軍事道路の重要な結節点であった。5世紀に入ると、アッティラ によって破壊された。
中世
Bergamo in the year 1450.
6世紀よりランゴバルド王国 の支配下に入り、ブレシア やトレント 、チヴィダーレ・デル・フリウーリ とともに、北イタリアにおける王国の重要な拠点となった。この都市を支配した最初のランゴバルド人 のドゥクス (Duke (Lombard) ) は Wallaris であった。
8世紀後半、ランゴバルド王国がフランク王国 のカール大帝 によって征服されると、この街は Auteramus の領国の首都となった。
11世紀以降、ベルガモは自治都市となり、ロンバルディア同盟 の一員として、1165年 に神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世 を撃退した。教皇派と皇帝派 の対立は、この街では教皇派に属するスアルディ家 (Suardi (dynasty) ) と皇帝派に属するコッレオーニ家 (Colleoni ) の対立としてあらわれた。
ベルガモ近郊のアルメンノ に暮らしていたオモデオ・タッソ の一族は、両勢力の反目を避けて山奥のコルネッロ に移り、オモデオもここで成長した。1290年頃、オモデオ・タッソ は一族とともにベルガモで飛脚会社 (Compagnia dei Corrieri ) を組織した。ベルガモは、ポー川水系のセーリオ川 ・ブレンボ川 を通じてアドリア海 へ出ることができ、彼らの郵便はミラノとヴェネツィア、ローマを結んだ。彼らの子孫(トゥルン・ウント・タクシス家 (英語版 ) )は、のちに神聖ローマ帝国の郵便事業(ライヒスポスト )を掌り、ベルガモ飛脚は近代的郵便事業の嚆矢とされる。
1264年以後、ベルガモは断続的にミラノ の支配下に置かれた。1331年、ベルガモの市民はボヘミア王 ヨハン・フォン・ルクセンブルク に都市を献じてその庇護下に入ったが、ミラノのヴィスコンティ家 が再征服した。
ルネサンスと近代
1407年にマラテスタ家 が短期間支配したあと、1428年にはヴェネツィア共和国 の支配下に入り、以後1797年までその一部となった。15世紀、ヴェネツィア共和国のもとで傭兵隊長(コンドッティエーレ )のバルトロメーオ・コッレオーニ がこの街の領主となった。ヴェネツィア人たちは、チッタ・アルタを要塞化した。
16世紀、ベルナルド・タッソ が諸侯を転々とする。
1797年、ベルガモはフランス共和国 のナポレオン に征服される。以後、ミラノなど北イタリアの諸地域ともどもその領域に組み込まれ、チザルピーナ共和国 、イタリア共和国 、イタリア王国 の一部となった。
19世紀以後
1815年、ウィーン議定書 に基づきオーストリア帝国 領(ロンバルド=ヴェネト王国 の一部)となることが確認された。
第二次イタリア独立戦争 中の1859年、この都市はサルデーニャ王国 に従ったジュゼッペ・ガリバルディ によって解放された。チューリッヒ条約 により、サルデーニャ王国をロンバルディアが領有することが確認され、ベルガモ県 が置かれた。1860年にガリバルディが義勇軍 「千人隊 」 (it:I Mille ) を集めた際、この街からはフランチェスコ・ヌッロ (Francesco Nullo ) など63人が参加した。ベルガモは最も多くの千人隊兵士を輩出した都市であり、イタリア統一運動 (リソルジメント)に果たした功績によって「千人隊 の町」(Città dei Mille )とも呼ばれる。
1861年にイタリア統一が成り、イタリア王国 が成立すると、ベルガモはその一部となった。
20世紀、ベルガモはイタリアの主要工業都市の一つとなった。ベルガモは、第二次世界大戦 で大きな戦災を被らなかった数少ない大都市のひとつである。
2020年の新型コロナウイルス感染症の流行 では、イタリアでは感染者数・死者数が一時世界でワーストになるほど大きな被害を出したが、その中でも特に深刻な被害を出したベルガモでは人口の数パーセントが死亡した。
行政
地区
ベルガモには、以下の25地区(クアルティエーレ (イタリア語版 ) )がある。
Boccaleone, Borgo Palazzo, Borgo Santa Caterina, Campagnola, Carnovali, Celadina, Centro - Papa Giovanni XXIII, Centro - Pignolo, Centro - Sant'Alessandro, Città Alta, Colli, Colognola, Conca Fiorita, Grumello del Piano, Longuelo, Loreto, Malpensata, Monterosso, Redona, San Paolo, San Tomaso de' Calvi, Santa Lucia, Valtesse - San Colombano, Valverde - Valtesse Sant'Antonio, Villaggio degli Sposi
文化・観光
旧市街
新市街
交通
丘の麓の街(Città Bassa)である新市街にベルガモ駅 (英語版 ) が、郊外のオーリオ・アル・セーリオ にオーリオ・アル・セーリオ空港 (ベルガモ空港)がある。空港と市街地の間は路線バス1,1A系統(毎時3本運行)で結ばれている。
市街地ではA.T.B.社 によってトラム 及び路線バスが運行されている。また、旧市街ではケーブルカー (旧市街ケーブルカー 、サン・ヴィジリオ ケーブルカー (イタリア語版 ) )も運行されている。
スポーツ
プロサッカー クラブとしてアタランタBC がある。本拠地はスタディオ・アトレティ・アズーリ・ディターリア 。1907年創設と歴史あるチームで、コッパ・イタリア 獲得1回(1962-63)を記録する。セリエA (1部)とセリエB (2部)との間で昇格・降格を繰り返すクラブであるが、近年はトップリーグで安定した成績を収めている。選手育成に定評のあるクラブでもある。2019-2020シーズンはセリエAに属する。
女子バレーボール クラブ、バレー・ベルガモ の本拠地である。1994-95シーズン以来イタリア国内トップリーグであるセリエA1 に属しており(2013-14シーズン現在)、セリエA優勝8回、コッパ・イタリア 優勝5回、スーペルコッパ・イタリアーナ 優勝6回、欧州チャンピオンズリーグ 優勝7回(2014年現在)を数える強豪である。
アメリカンフットボール チーム、ベルガモ・ライオンズ の本拠地である。スーパーボウル・イタリアーノ (イタリア語版 ) (イタリア選手権)優勝12回、ユーロボウル (英語版 ) 優勝3回、チャンピオンリーグ優勝1回などの記録(2014年現在)を持つ、イタリア屈指のチームである。
人物
著名な出身者
ゆかりの人物
姉妹都市
脚注
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
ベルガモ に関連する
メディア および
カテゴリ があります。