マティス・ビンセント・サイブル(Matisse Vincent Thybulle, 1997年3月4日 - )は、アメリカ合衆国アリゾナ州スコッツデール出身のプロバスケットボール選手。NBAのポートランド・トレイルブレイザーズに所属している。ポジションはシューティングガードまたはスモールフォワード。
経歴
生い立ち
アリゾナ州スコッツデールに生まれる。2歳のとき、家族でオーストラリア・シドニーに移住し、そのまま7年間オーストラリアで過ごした[1]。オーストラリアに住んでいたときはバスケットボールよりも水泳に夢中であったという。2005年にアメリカへ戻り、ワシントン州サマミッシュに定住した[2]。
カレッジ
高校時代から関係のあったロレンゾ・ロマールがコーチとして所属するワシントン大学に進学[3]。1年目から主力選手として活躍した。2年目のオフにロマールがチームを去ると、サイブルもチームから去ろうとした[4]が、新たにコーチに就任したマイク・ホプキンスとの面談を経て、残留することを決意した。その後もチームの主力としてプレーし、4年目のシーズン終了後2019年のNBAドラフトにエントリーした。
フィラデルフィア・76ers
2019年6月20、ドラフト1巡目20位でボストン・セルティックスから指名を受け、直後のトレードで交渉権がフィラデルフィア・セブンティシクサーズに移り、7月3日にシクサーズと契約した[5]。シクサーズはドラフト前からサイブルの獲得を熱望しており、彼に他のチームとのワークアウトを辞めさせ、トップ20で指名することを約束していた。10月23日のボストン・セルティックス戦でNBAデビュー。12月8日のトロント・ラプターズ戦では5本のスリーポイントシュートを含む20得点を記録し、チームの勝利に貢献した。この試合で3スティールを記録したことで、サイブルは開幕5試合全てで複数回スティールを記録した球団初の選手となった[6]。シクサーズのルーキーがチーム記録を作ったのはアレン・アイバーソン以来である。
2020-21シーズン、2021-22シーズンは2年連続でNBAオールディフェンシブセカンドチームに選出された。
ポートランド・トレイルブレイザーズ
2023年2月9日に3チーム間のトレードで、ポートランド・トレイルブレイザーズへ移籍した[7]。
2022-23シーズンオフに制限付きFAとなり、ダラス・マーベリックスが提示した3年総額3,300万ドルのオファーシートにサインしたが、その後ブレイザーズが同額の条件を提示してオファーにマッチしたため、再契約となった[8]。
プレースタイル
優れたディフェンスが持ち味のプレイヤー。大学時代は数々のディフェンスに関するタイトルを獲得しており、NBAでも1年目からリーグ屈指のディフェンダーとなっている。一方でオフェンスには難があり、今後の課題とされている。
個人成績
NBA
レギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2019–20
|
PHI
|
65 |
14 |
19.8 |
.423 |
.357 |
.610 |
1.6 |
1.2 |
1.4 |
.7 |
4.7
|
2020–21
|
65 |
8 |
20.0 |
.420 |
.301 |
.444 |
1.9 |
1.0 |
1.6 |
1.1 |
3.9
|
2021–22
|
66 |
50 |
25.5 |
.500 |
.313 |
.791 |
2.3 |
1.1 |
1.7 |
1.1 |
5.7
|
2022–23
|
49 |
6 |
12.1 |
.431 |
.333 |
.750 |
1.3 |
.5 |
.9 |
.3 |
2.7
|
POR
|
22 |
22 |
27.7 |
.438 |
.388 |
.625 |
3.5 |
1.4 |
1.7 |
.8 |
7.4
|
2023–24
|
65 |
19 |
22.9 |
.397 |
.346 |
.759 |
2.1 |
1.4 |
1.7 |
.8 |
5.4
|
通算
|
332 |
119 |
21.0 |
.435 |
.338 |
.679 |
2.0 |
1.1 |
1.5 |
.8 |
4.8
|
プレーオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2020
|
PHI
|
4 |
1 |
18.8 |
.429 |
.250 |
— |
1.8 |
.5 |
.8 |
.3 |
1.8
|
2021
|
12 |
1 |
18.3 |
.481 |
.324 |
.400 |
1.4 |
.3 |
1.3 |
.9 |
5.3
|
2022
|
9 |
0 |
15.2 |
.458 |
.286 |
.333 |
1.0 |
.4 |
.8 |
.8 |
3.0
|
通算
|
25 |
2 |
17.3 |
.470 |
.308 |
.375 |
1.3 |
.4 |
1.0 |
.8 |
3.9
|
カレッジ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2015–16
|
ワシントン
|
34 |
34 |
24.1 |
.397 |
.366 |
.714 |
3.2 |
1.6 |
1.1 |
.9 |
6.2
|
2016–17
|
31 |
31 |
29.9 |
.448 |
.405 |
.841 |
3.1 |
1.8 |
2.1 |
.7 |
10.5
|
2017–18
|
34 |
33 |
32.3 |
.445 |
.365 |
.714 |
2.9 |
2.6 |
3.0 |
1.4 |
11.2
|
2018–19
|
36 |
36 |
31.1 |
.415 |
.305 |
.851 |
3.1 |
2.1 |
3.5* |
2.3 |
9.1
|
通算
|
135 |
134 |
29.4 |
.429 |
.358 |
.782 |
3.1 |
2.0 |
2.4 |
1.4 |
9.2
|
脚注
- ^ “UW’s Matisse Thybulle gets chance to develop game with Pac-12 all-stars in Australia” (英語). The Seattle Times (2016年7月11日). 2020年6月3日閲覧。
- ^ “UW’s Matisse Thybulle gets chance to develop game with Pac-12 all-stars in Australia” (英語). The Seattle Times (2016年7月11日). 2020年6月3日閲覧。
- ^ Andrew Nemec | The Oregonian/OregonLive (2014年10月1日). “Matisse Thybulle, 3-star small forward, chooses Washington Huskies over Oregon, others” (英語). oregonlive. 2020年6月3日閲覧。
- ^ “After Romar's firing, core of current Husky team opted to stick around” (英語). Kitsap Sun. 2020年6月3日閲覧。
- ^ “Team Signs Thybulle” (英語). Philadelphia 76ers. 2020年6月3日閲覧。
- ^ “Matisse Thybulle joins Allen Iverson in Sixers rookie record books” (英語). Sixers Wire (2019年12月10日). 2020年6月3日閲覧。
- ^ “Report: Matisse Thybulle to Blazers, Jalen McDaniels to 76ers in 3-Team Trade” (英語). Bleacher Report. 2023年2月12日閲覧。
- ^ “Blazers match Matisse Thybulle's 3-year offer sheet” (英語). NBA.com. 2023年8月28日閲覧。
外部リンク