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この項目では、評論家の伊藤肇について説明しています。
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伊藤 肇(いとう はじめ、1926年(大正15年)1月6日 - 1980年(昭和55年)10月6日)は、日本のジャーナリスト、雑誌編集者、経営評論家。
略歴
愛知県名古屋市生まれ。旧満州国立建国大学新制7期生(終戦で閉学)。中部経済新聞記者を経て株式会社財界研究社に入る。同社副主幹兼雑誌『財界』編集長を最後に1973年(昭和48年)に退社した後は、評論家として執筆と講演に専念した。
人物
選挙違反事件に関係し、時効までの3年間国内を逃亡する生活を送った経験を持つ。[要出典]
安岡正篤(陽明学者・東洋思想家)の高弟と言われ、弟子に佐高信がいる。[要出典]中国古典に詳しく、幅広い人脈に基づく豊富なエピソードを織り交ぜた人物論は特に経営者層の幅広い支持を集めた。逆に中国文学者からは『三国志演義』などのフィクションを史実と混同して講演の種としたことで「小説を元ネタにするのではなく、史実を基にして論じて欲しい」と批判された。[要出典]
発言
師・安岡正篤の言葉
伊藤は『新装版 現代の帝王学』の「はしがき」において、私淑した安岡正篤の言葉を引用して、帝王学の3つの柱を説明している。帝王学の3つの柱とは、
- 原理原則を教えてもらう師をもつこと
- 直言してくれる側近をもつこと
- よき幕賓()[2]をもつこと
である。
師の安岡正篤から、
「蘇老泉が名相、管仲を論じて『国は一人()を以て興り、一人を以て亡ぶ。賢者は、その身の死するを悲しまずして、その国の衰うるを憂う』といっているが、それが帝王学の基本であり、しかも、その帝王学は『原理原則を教えてもらう師をもつこと』『直言してくれる側近をもつこと』『よき幕賓()をもつこと』の三つの柱から成り立っている」
と教えられたのをたたき台として、幾多の具体的な事実をつみ重ね、実証し、体系だてたのが
本書である。
— 伊藤肇、(伊藤 1998b, p. iii)
そして、この言葉をもとにして、多くの実例を集めて体系だてて書籍にしたものが『現代の帝王学』である。
「行為する者」と「行為せざる者」
伊藤は『新装版 現代の帝王学』の「わが師 安岡正篤との出会い」において、「行為する者にとって、行為せざる者は、最も苛酷な批判者である」という箴言を引用し、経営者が「行為する者」であり、ジャーナリストは「行為せざる者」であると説明している。
「行為する者にとって、行為せざる者は、最も苛酷な批判者である」という箴言がある。具体的にいえば、世のいわゆる経営者たちは「行為する者」であり、ジャーナリストは「行為せざる者」である。この「行為せざるジャーナリスト」が「行為する経営者」をとらまえて、批判のための批判としか思われぬような原稿を書いて得々としている。
ところが、こういう「行為せざる者」がマスコミの足を洗って一般企業へ入り、「行為する者」の立場になると、いっぺんに馬脚をあわらしてしまう。
— 伊藤肇、(伊藤 1998b, p. 97)
著作
単著
- 『はだかの財界人 これがゴシップだ!』徳間書店、1968年。
- 『わが決断と勇気 繁栄を切り開くトップ経営者の一言』大和書房〈ペンギン・ブックス〉、1968年。
- 『ビジネスマンの名言集 仕事の悩みに答える 人間として迷ったときの座右銘』大和書房〈ダイワブックス〉、1969年。
- 『よろこびの人生論 生きる感動の発掘』大和書房〈銀河選書〉、1969年。
- 『わが決断と勇気 繁栄を切り開くトップ経営者の一言』大和書房〈ダイワブックス〉、1969年。
- 『幹部の責任 経営不安時代の行動指針』徳間書店、1971年。
- 『社長の人間学』白馬出版、1971年。
- 『社長の人間学』(第2版)白馬出版、1981年6月。
- 『なんのヘチマ 酔語随筆』大和書房、1971年。
- 『決断の人間学 一言よく人を生かし,一言よく人を殺す』徳間書店〈人間学シリーズ〉、1974年。
- 『社長の決断』白馬出版、1974年。
- 『一言よく人を生かす』日本生産性本部〈JPC選書〉、1975年。
- 梶原一明マスコミ事務所 編『燭の火』構造社出版、1975年12月。 - 限定版。
- 『重役への階段』広済堂出版、1975年。
- 『男からみた男の魅力』産業能率短期大学出版部、1976年。
- 『喜怒哀楽の人間学』PHP研究所、1978年9月。
- 『経営者をささえる一言』全国地方銀行協会〈銀行新書〉、1978年2月。
- 『経営者から学ぶおとなの学問』善本社、1978年6月。
- 『左遷の哲学 嵐の中でも時間はたつ』産業能率短期大学出版部、1978年9月。
- 『生きがいの人間学 財界トップ77人の発想』日本文芸社、1979年9月。
- 『現代の帝王学』プレジデント社〈プレジデントブックス〉、1979年4月。
- 『東洋経営学入門』ごま書房〈ゴマブックス〉、1979年11月。
- 『はなしの小銭入れ 財界エピソード集』PHP研究所、1979年8月。
- 『十八史略の人物学』プレジデント社、1980年3月。
- 『リーダーの帝王学』竹井出版、1980年3月。
- 『帝王学ノート 混沌の時代を生き抜く』PHP研究所、1980年6月。
- 『帝王学の源流 十八史略を読む』致知出版社、1980年4月。ISBN 978-4-88474-072-6。
- 『経営者の人間学』日刊工業新聞社〈ウィークエンドブックス〉、1980年7月。
- 『リーダーの帝王学』 2巻、竹井出版、1980年9月。
- 『リーダーの帝王学』 3巻、竹井出版、1980年9月。
- 『人間的魅力の研究』日本経済新聞社〈日経文庫〉、1980年10月。ISBN 978-4-532-09224-5。https://nikkeibook.nikkeibp.co.jp/item-detail/09224。
- 『伊藤肇遺作集 人生対談と経営者の「この一言」.』経済往来社、1981年2月。
- 『不滅の帝王学 プロ指導者をめざす人へ』東林出版社、1988年8月。ISBN 4-7952-3553-8。 - 発売:星雲社。
- 『瀬戸際で問われる経営者の倫理』ごま書房、1998年4月。ISBN 4-341-17166-6。
共著
脚注
- ^ a b Amazonの著者略歴
- ^ 「幕賓」とは、その帝王を心から好いてはいるが、官に仕えて裃() をきる窮屈さを嫌い、野にあって帝王にいろいろと直言してくれる人物である。
俗な言葉でいえば、「客分」「顧問」「社外重役」あるいは「パーソナル・アドバイザー」というところで、もちろん、ピンからキリまである。(伊藤 1998b, p. 281)
関連人物
関連項目
外部リンク