木馬亭(もくばてい)は、東京都台東区浅草2丁目7番5号に存在する浪曲の寄席である。毎月1日から7日まで浪曲の定席公演が行われる。
概要
関東では無くなって久しかった浪曲の常打ち小屋として、1970年(昭和45年)[2]から約50年、唯一支え続ける存在である。
特に黄金期を知る世代からの交代が進み、若手育成の点で大きな役割を果たし続けている。
打ち出し太鼓の前後、場内に古い音源(2代目虎造等)を流し、期待感を盛り上げる。
開場当初から1日1枚、講談を番組に入れ続け、浪曲の会も度々開催していた講談定席の上野・本牧亭が2011年(平成23年)に無くなった現在、若手中心に貴重な出番を提供する[1]。
経営は浅草六区の黄金期を支えた根岸興行部(当初の席亭は京子の亡夫・2代目根岸浜吉。吉之助は大旦那)[3]。席数は131席[1]。
席亭は根岸京子(根岸吉太郎の母親[4]、2019年12月17日死去[5])が長年務めた。入口で迎えてくれる京子の笑顔は、木馬亭の名物であった。京子没後は次男の根岸豊が席亭を務める。
寄席文字橘流の流れをくんだ名入り看板を書いているのは春亭右乃香。
明治期にメリーゴーランドを設置し客を集めた「木馬館」からの歴史を踏襲しており、入口右脇にそのモニュメントが飾られている。安来節の常打ち小屋として長らく続いた。空き小屋であった1階部分を、浪曲師東家楽浦や会長だった三門博率いる若手グループの要請により、1970年(昭和45年)5月上席から「木馬浪曲会」としてスタートする[6]。1年後[7]に「木馬亭」の呼び名を使用するようになる。(それ以前の歴史・現在の2階については木馬館大衆劇場の項を参照のこと)[8]。
「アイスもなか」(バニラ・あずきの二種)は中入りに客席後方で販売される。
近年、舞台終わりでのご祝儀を渡す行為が見られ無くなりつつある[9]。
現在、「お笑い浅草21世紀」という浅草軽演劇の流れを汲んだ劇団も毎月8日以降の日曜から翌日曜まで、8日間公演をしている[10]ほか、落語や講談の貸席として興行が行われることもある。
公演を聴いていると、時折ドタンバタンと音が聞こえてくるが、2階の「木馬館大衆劇場」で立ち回りの音が漏れてきているのである。
また、浅草奥山という土地柄を生かし、小劇団の旗揚げ公演や、となりの奥山茶屋(→雷5656茶屋→現在はセブンイレブン浅草奥山おまいりまち店)で物売り芸を見せていた坂野比呂志を席主・浜吉が引っ張り出して公演した大道芸の会「坂野比呂志の総て」[11][12]、よしず張りのヒラキのようにした大道芸の「ほおずき市大道芸フェスティバル」(2005年まで20年連続公演)、活動弁士を招いての「特選名作無声映画会」[13]、大阪から松浦四郎若を共演ゲストに招いての「貝祭文を聞く会」なども開かれた。
木馬亭の沿革
主な出身者
など。多くはツイッターのアカウントを持っており情報の発信をしている(末尾に:マーク。)
主な出演者(木馬館時代も含む)
など。
主な曲師
など現在の日本浪曲協会所属の曲師は全て出演している。
など。
料金
2023年4月1日現在
- 一般 2,400円
- 25歳以下は半額の1,200円
- 企画公演・貸席公演(独演会、大会等)は別料金。
出版物
- 『浪曲定席 木馬亭』 定席木馬亭50周年記念委員会編、木馬亭発行 2021年5月1日
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク