樟葉駅(くずはえき)は、大阪府枚方市楠葉花園町にある、京阪電気鉄道京阪本線の駅。駅番号はKH24。
概要
京阪では大阪府最北端の駅であり、男山団地の住民をはじめ隣接する京都府八幡市内からの利用者も多い。
2003年以降特急停車駅となり[注 1]、現在は快速特急「洛楽」以外の全種別が停車する。
当駅周辺は京阪線を挟んで東側は京阪電鉄によって開発された住宅地や商業施設が密集するが、西側はゴルフ場や淀川河川敷が広がり、ホーム上から見える景色に大きな差異が存在する。
2003年までは車内放送の際に駅名の後に「ローズタウン・ゴルフ場前」と呼称していた。現在は「くずはモールへお越しのお客様はこの駅でお降りください」とアナウンスされる。
歴史
リニューアル前の樟葉駅舎
京都・大阪両府境付近にあり、1960年代までは田畑で囲まれた閑散とした駅であったが、京阪が長年にわたって大規模な住宅地や商業施設などの開発を行い、それに伴って周辺部にも男山団地をはじめとする住宅地が建設された。その結果、1日あたりの乗降客数は1961年時点では京阪本線中最少の1560人であったのが1972年に22,000人、1977年に46,000人にまで増加し、1983年11月には63,400人に達した[1]。京阪は「中期経営計画 ATTACK 2011」においても、中之島・京都地域とともに、くずはを最重点エリアに位置づけている。
なお、本駅の表記は「樟葉」だが、駅所在地の住所表記は「楠葉」と異なっている。これは、「楠葉村」と「船橋村」が合併して「樟葉村」が成立した経緯に由来しており、駅名に採用された「樟葉」は開業当時の自治体名、住所表記(大字)は樟葉村・枚方町・枚方市時代を通じて「楠葉」である。近年は「くずは」と平仮名で表記されるケースが増えている[注 2]。
年表
駅構造
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改札口
-
1・2番線(京都方面)ホーム
-
3・4番線(大阪方面)ホーム
待避設備を備えた島式2面4線のホームを持つ高架駅。改札・コンコースは1階、ホームは2階にある。改札口は1か所あり、淀川の反対側に駅舎入口がある。
のりば
外側2線(1番線と4番線)が主本線、内側2線(2番線と3番線)が待避線であり、いずれのホームも8両編成の停車が可能。3番線は大阪方からも進入可能。折り返し列車用の引上線もある(淀屋橋寄りに1本、出町柳寄りに2本。2番線、3番線から出入り可能)。なお淀屋橋寄りの引上線は元々は土木専用線として保線作業車の留置線であったが、1989年9月改正で京都方からの折返し列車を設定する際に8両編成対応に線路を延長して折返し可能とした。
待避設備をもつため発車メロディが導入されている。
配線図
ダイヤ
緩急接続について
現行ダイヤにおいては、日中の緩急接続は一部の準急と全ての快速急行で行われる。特急との接続は当駅ではなく枚方市駅で行われる。なお2016年3月19日から2021年9月24日までは、昼間時に特急と準急の緩急接続が行われていた。
2000年のダイヤ改正までの特急は朝ラッシュ時の淀屋橋行きを除き京橋駅 - 七条駅間ノンストップで運転されていたため、日中はこの駅(一部は丹波橋駅)で必ず急行が特急の待避を行っていた。
当駅発着列車について
大阪方面については特急・快速特急「洛楽」を除く全ての種別で、朝夕を中心に当駅発着の便が設定されている。ライナーは平日6・7・8時台にそれぞれ当駅始発が1本ずつ設定されている(これらは2023年改定以降は香里園駅・寝屋川市駅停車)。当駅発着列車は基本的に京都側の引き上げ線で折り返すが、一部の列車は当駅で折り返しをせずに淀車庫へ(から)出入庫を行う(当駅 - 淀駅間は回送)。配線上、引き上げ線は1・4番線からは出入りできないので1・4番線の当駅発着列車の場合は必ずこれに該当する。
区間急行の設定は当駅が東限である。ただし、区間急行の大半は萱島駅発着であり、当駅発着の区間急行は、2023年8月26日時点では平日2本のみ設定され、土休日は設定されない。
京都方面からの当駅止まりの普通は土休日夜に1本設定されており、こちらは大阪側の引き上げ線で折り返す。2006年のダイヤ改正まではラッシュ時を中心に京都方面への折り返し列車が存在していた。
かつてはこの駅を終着とする列車の中には、種別を変更した後そのまま継続して運転する列車もあった(例:区間急行樟葉行きから普通三条行き又は出町柳行きへ、下り普通樟葉行きから急行淀屋橋行きへ)。
利用状況
2022年(令和4年)度のある特定日における1日乗降人員は52,842人(乗車人員:26,392人、降車人員:26,450人)である。京阪の駅では京橋駅、淀屋橋駅、枚方市駅、寝屋川市駅に次いで5番目に利用客が多い。
近年の特定日における1日乗降・乗車人員は下表の通りである。
年度別1日平均乗車人員
年度
|
特定日
|
出典
|
調査日
|
乗降人員
|
乗車人員
|
1990年(平成02年)
|
11月06日 |
72,982 |
37,074
|
[統計 1]
|
1991年(平成03年)
|
-
|
|
1992年(平成04年)
|
11月10日 |
73,916 |
37,424
|
[統計 2]
|
1993年(平成05年)
|
-
|
|
1994年(平成06年)
|
-
|
|
1995年(平成07年)
|
11月21日 |
70,758 |
35,989
|
[統計 3]
|
1996年(平成08年)
|
-
|
|
1997年(平成09年)
|
-
|
|
1998年(平成10年)
|
11月10日 |
66,100 |
32,946
|
[統計 4]
|
1999年(平成11年)
|
-
|
|
2000年(平成12年)
|
11月07日 |
63,845 |
32,249
|
[統計 5]
|
2001年(平成13年)
|
-
|
|
2002年(平成14年)
|
12月10日 |
61,411 |
30,953
|
[統計 6]
|
2003年(平成15年)
|
10月28日 |
61,268 |
30,747
|
[統計 7]
|
2004年(平成16年)
|
11月09日 |
60,504 |
30,404
|
[統計 8]
|
2005年(平成17年)
|
11月08日 |
64,722 |
32,396
|
[統計 9]
|
2006年(平成18年)
|
11月07日 |
62,412 |
31,189
|
[統計 10]
|
2007年(平成19年)
|
11月13日 |
61,802 |
30,876
|
[統計 11]
|
2008年(平成20年)
|
11月11日 |
61,823 |
30,895
|
[統計 12]
|
2009年(平成21年)
|
11月10日 |
59,970 |
29,865
|
[統計 13]
|
2010年(平成22年)
|
11月09日 |
59,511 |
29,755
|
[統計 14]
|
2011年(平成23年)
|
11月01日 |
60,051 |
29,858
|
[統計 15]
|
2012年(平成24年)
|
10月31日 |
58,328 |
29,021
|
[統計 16]
|
2013年(平成25年)
|
11月12日 |
57,548 |
28,629
|
[統計 17]
|
2014年(平成26年)
|
11月11日 |
61,086 |
30,486
|
[統計 18]
|
2015年(平成27年)
|
11月10日 |
61,194 |
30,594
|
[統計 19]
|
2016年(平成28年)
|
11月08日 |
59,160 |
29,461
|
[統計 20]
|
2017年(平成29年)
|
11月07日 |
60,787 |
30,350
|
[統計 21]
|
2018年(平成30年)
|
11月06日 |
59,185 |
29,453
|
[統計 22]
|
2019年(令和元年)
|
11月12日 |
60,402 |
30,138
|
[統計 23]
|
2020年(令和02年)
|
11月10日 |
51,817 |
25,746
|
[統計 24]
|
2021年(令和03年)
|
11月09日 |
49,851 |
24,769
|
[統計 25]
|
2022年(令和04年)
|
11月08日 |
52,842 |
26,392
|
[統計 26]
|
駅周辺
くずはモール(2016年8月)
- 公共施設
- 主な商業施設
- 主な企業・団体
- 文教施設
- その他
バス路線
駅前ロータリーに京阪バスの路線が乗り入れる。停留所名は「樟葉駅」。
1つののりばで多くの系統を捌いていることもあり、全てののりばでA・Bと乗車列が分割されている(画像参照)。
男山団地をはじめとした八幡市内や、枚方市北東部への路線が多い。高頻度で運行される系統も多く、2019年度の1日あたりの乗降客数は18,312人(乗車人員8,966人・降車人員9,346人)で、枚方市内では2番目に多い[21]。
のりば
|
列
|
路線名
|
担当
|
行先
|
備考
|
1
|
A
|
くずは線
|
男山
|
9号経路:男山北右回り
|
平日7時台の3本は3のりばから発車する
|
20号経路:男山東右回り
|
|
11B号経路:泉回り
|
|
B
|
10号経路:男山北左回り
|
平日7時台の3本は3のりばから発車する
|
14号経路:男山車庫
|
土休日1本のみ。中央センター前経由
|
21号経路:男山東左回り/男山車庫
|
平日最終2本は男山車庫止まりの深夜バス
|
13B号経路:京阪橋本
|
平日7時台の3本は3のりばから発車する
|
2
|
A
|
6号経路:男山南右回り
|
平日7〜8時台の3本は3のりばから発車する
|
15号経路:枚方ハイツ
|
くすのき小学校経由
|
B
|
5号経路:くずは男山循環
|
コミュニティバス
|
7号経路:男山南左回り
|
平日7〜8時台前半の5本は3のりばから発車する
|
8号経路:中ノ山循環
|
平日7〜8時台前半の3本は3のりばから発車する
|
40号経路:男山車庫
|
片道1本のみ。中の池公園経由
|
3
|
A
|
招提線
|
84号経路:北片鉾
|
|
87号経路:西船橋循環
|
12時台までは左回り、13時台以降は右回り
|
樟葉長尾線
|
97号経路:藤阪ハイツ
|
西船橋経由
|
B
|
出屋敷線
|
枚方
|
39号経路:枚方市駅南口
|
|
88号経路:田ノ口団地
|
14時台以降のわずかな本数のみ運行
|
96号経路:総合スポーツセンター
|
12〜16時台にわずかな本数のみ運行
|
4
|
A
|
樟葉長尾線
|
京田辺
|
92号経路:枚方カントリー口
|
夜のみ
|
93号経路:枚方カントリー
|
|
94号経路:長尾駅
|
平日7時台の2本のみ
|
95号経路:藤阪ハイツ
|
国道田近経由
|
B
|
男山
|
90号経路:藤阪ハイツ
|
日中のみ運行、長尾駅経由。この系統のみ男山の管轄
|
北山線
|
1号経路:ポエムノール北山
|
朝のみ、学休期の平日は1本増発。田近二丁目・家具団地経由
|
2号経路:ポエムノール北山
|
平日の最終便含む2本は深夜バス。枚方ハイツ・家具団地経由
|
2A号経路:ポエムノール北山
|
家具団地経由
|
大2号経路:ポエムノール北山
|
平日の夕方5本のみ。枚方ハイツ・大阪工大経由
|
大2A号経路:ポエムノール北山
|
学休日の平日は1本増発。大阪工大経由
|
3号経路:枚方ハイツ
|
平日1本のみ。中の池公園経由
|
NS経路:北山中央
|
大阪工大のみ停車。開講日の8時台2本のみ
|
5
|
A
|
樟葉八幡線
|
32号経路:石清水八幡宮駅
|
中央センター前経由
|
山手線
|
男山・京田辺
|
16号経路:松井山手駅
|
朝夕のみ。本郷経由
|
16A号経路:松井山手駅
|
夕ラッシュ時のみ(土休日は朝にも1本あり)。大住経由
|
16B号経路:松井山手循環右回り
|
平日朝2本のみ
|
男山
|
16C号経路:松井山手循環左回り
|
平日早朝1本のみ
|
19号経路:水珀循環
|
深夜1本のみ
|
京田辺
|
67B号経路:近鉄新田辺
|
平日は1本のみ。美濃山口経由
|
男山・京田辺
|
67D号経路:近鉄新田辺
|
土休日は朝夕のみ。本郷経由
|
B
|
30号経路:松井山手駅
|
土休日は朝夕のみ。摂南大学北口経由
|
男山
|
30A号経路:摂南大学北口
|
土休日のみ
|
男山・京田辺
|
31号経路:近鉄新田辺
|
朝夕のみ。摂南大学北口経由
|
男山
|
NS経路:摂南大学北口
|
学休期運休
|
リムジンバス
1Aのりばから発車。どちらも運休中。
隣の駅
- 京阪電気鉄道
- 京阪本線
- ■快速特急「洛楽」
- 通過
- □ライナー(平日のみ運転)・■特急・■通勤快急(平日下りのみ運転)・■快速急行
- 枚方市駅 (KH21) - 樟葉駅 (KH24) - 中書島駅 (KH28)
- ■急行
- 枚方市駅 (KH21) - 樟葉駅 (KH24) - 石清水八幡宮駅 (KH26)
- ■通勤準急(平日朝下りのみ運転)・■準急・■普通
- 牧野駅 (KH23) - 樟葉駅 (KH24) - 橋本駅 (KH25)
- ■区間急行(下りのみ運転)
- 牧野駅 (KH23) ← 樟葉駅 (KH24)
脚注
注釈
- ^ 枚方市駅とは異なり、八幡市の要請もあり、直前の2003年初夏になって急遽決定されたものであった。
- ^ 当駅前のバス停留所においても、「くずは」を正式名称としていた時期がある。なお現在も周辺の停留所については、「あさひ」「みさき」「なみき」と、平仮名表記のものが多い(それぞれ所在地周辺の地名である楠葉朝日・楠葉美咲・楠葉並木から)。
出典
本文中の出典
- ^ 枚方市史編纂委員会「枚方市別巻」639頁,1995年3月31日
- ^ 出典・京阪100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)84頁「淀川の決壊」
- ^ a b 出典・京阪電気鉄道100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)165-166頁「台風禍と水害禍」
- ^ 出典・京阪電気鉄道開業100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)171頁「枚方陸軍火薬庫の爆発」
- ^ 出典・京阪100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)231頁「台風13号の被害」
- ^ a b c d e 出典・京阪電気鉄道100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)資料編140頁
- ^ 出典・京阪100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)、資料編の222頁の巻末年表より
- ^ 出典・1980年2月21日の京都新聞朝刊
- ^ 出典・駅置き広報誌「くらしの中の京阪」1990年9月号より
- ^ 出典・駅置き広報誌「くらしの中の京阪」1995年12月号より
- ^ 『開業90周年記念 街をつなぐ、心をむすぶ』京阪電気鉄道株式会社、2000年10月1日、222頁。
- ^ 出典・京阪電気鉄道開業80周年記念誌『過去が咲いている今』巻末年表
- ^ 出典・駅置きの沿線情報誌『K PRESS』2008年1月号16面の広報コーナー「くらしのなかの京阪」383号より。
- ^ 出典・駅置きの沿線情報誌『K PRESS』2010年9月号16面の広報コーナー「くらしのなかの京阪」415号より
- ^ 出典・駅置きの沿線情報誌『K PRESS』2010年12月号16面の広報コーナー「くらしのなかの京阪」418号より
- ^ “樟葉駅ビル大改装へ 京阪、14年春に全面開業”. 京都新聞 (2012年11月14日). 2012年11月16日閲覧。
- ^ 出典・駅置きの沿線情報誌『K PRESS』2012年11月号16面の広報コーナー「くらしのなかの京阪」441号より
- ^ 出典・駅置きの沿線情報誌『K PRESS』2016年3月号16面の広報コーナー「くらしのなかの京阪」481号より
- ^ 「オープン型宅配ロッカー」を新たに2駅設置します
- ^ a b “樟葉駅|駅構内図”. 京阪電気鉄道. 2022年9月20日閲覧。
- ^ https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000035/35091/09-4.pdf
利用状況の出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
樟葉駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク