登米市(とめし)は、宮城県の北部に位置する市。岩手県との県境にあり、登米郡8町と本吉郡津山町の合併によって2005年(平成17年)に誕生した[1]。
地理
登米市と栗原市にまたがる伊豆沼。
宮城県の北部、仙台市から北方へ70キロメートルに位置する。宮城県栗原市と宮城県本吉郡南三陸町の間にあり、岩手県一関市と境を接する。
市内中心部は、市役所がある迫町佐沼地区。
市名の読みは登米市(とめし)であるが、市内の登米町は(とよままち)と読む。
古くから米の名産地として知られる。また肉牛生産者も多く、「仙台牛」の産地としても有名である。
市内はほぼ平野地で、広大な平野に田園地帯が広がっている。
水郷地帯でもあり、冬季には日本一の越冬地として、伊豆沼、内沼、市内中心部を流れる迫川などに多くの渡り鳥が飛来することで知られている。
市内東部は北上山地に接しており、林業が行われている。森林セラピー基地に認定されており、NHKの連続テレビ小説の作品である「おかえりモネ」でも紹介された。
漫画家の石ノ森章太郎は登米市中田町石森(いしのもり)の出身であり、今でも生家が残っている。
- 河川
- 湖沼
人口
令和2年(2020年)国勢調査では76,037人であり、世帯数は25,697世帯。(出典:国勢調査結果(総務省統計局))
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登米市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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登米市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 登米市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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登米市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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102,525人
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1975年(昭和50年)
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98,086人
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1980年(昭和55年)
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98,568人
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1985年(昭和60年)
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99,182人
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1990年(平成2年)
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98,231人
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1995年(平成7年)
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96,832人
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2000年(平成12年)
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93,769人
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2005年(平成17年)
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89,316人
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2010年(平成22年)
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83,969人
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2015年(平成27年)
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81,959人
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2020年(令和2年)
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76,037人
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総務省統計局 国勢調査より
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気候
寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。冬季の冷え込みは仙台市よりも厳しく、近年でも2012年2月3日に-18.3℃、2013年1月18日に-17.5℃、2018年1月27日に-17.3℃、2021年1月3日に-17.2℃を観測している。
極値(1976/11 -)
要素 |
観測値 |
観測年月日
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最高気温 |
37.1℃ |
2023年7月29日
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最低気温 |
-19.5℃ |
1976年12月30日
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米山(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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15.7 (60.3)
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19.7 (67.5)
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24.4 (75.9)
|
30.4 (86.7)
|
33.5 (92.3)
|
33.9 (93)
|
37.1 (98.8)
|
36.3 (97.3)
|
35.0 (95)
|
29.0 (84.2)
|
24.1 (75.4)
|
20.3 (68.5)
|
37.1 (98.8)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
4.6 (40.3)
|
5.8 (42.4)
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10.0 (50)
|
15.9 (60.6)
|
20.6 (69.1)
|
23.8 (74.8)
|
27.1 (80.8)
|
28.6 (83.5)
|
25.1 (77.2)
|
19.8 (67.6)
|
13.4 (56.1)
|
7.1 (44.8)
|
16.8 (62.2)
|
日平均気温 °C (°F)
|
−0.1 (31.8)
|
0.6 (33.1)
|
4.0 (39.2)
|
9.4 (48.9)
|
15.1 (59.2)
|
19.0 (66.2)
|
22.5 (72.5)
|
23.8 (74.8)
|
20.1 (68.2)
|
14.0 (57.2)
|
7.6 (45.7)
|
2.2 (36)
|
11.5 (52.7)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
−4.5 (23.9)
|
−4.2 (24.4)
|
−1.6 (29.1)
|
3.3 (37.9)
|
10.4 (50.7)
|
15.3 (59.5)
|
19.3 (66.7)
|
20.4 (68.7)
|
15.9 (60.6)
|
8.7 (47.7)
|
2.2 (36)
|
−2.1 (28.2)
|
6.9 (44.4)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−17.5 (0.5)
|
−18.3 (−0.9)
|
−13.6 (7.5)
|
−7.6 (18.3)
|
2.2 (36)
|
6.8 (44.2)
|
11.3 (52.3)
|
11.6 (52.9)
|
4.6 (40.3)
|
−1.9 (28.6)
|
−6.1 (21)
|
−19.5 (−3.1)
|
−19.5 (−3.1)
|
降水量 mm (inch)
|
35.5 (1.398)
|
29.1 (1.146)
|
69.9 (2.752)
|
77.3 (3.043)
|
93.6 (3.685)
|
111.2 (4.378)
|
161.6 (6.362)
|
120.1 (4.728)
|
150.6 (5.929)
|
129.4 (5.094)
|
58.6 (2.307)
|
41.4 (1.63)
|
1,078.2 (42.449)
|
平均降水日数 (≥1.0 mm)
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5.8
|
5.7
|
7.9
|
8.5
|
9.5
|
9.8
|
12.7
|
10.4
|
10.8
|
8.9
|
7.3
|
6.9
|
104.2
|
平均月間日照時間
|
149.4
|
158.7
|
177.1
|
189.6
|
195.9
|
158.1
|
141.3
|
156.3
|
131.5
|
139.8
|
137.5
|
136.5
|
1,871.6
|
出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[2]
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歴史
昭和
平成
令和
行政
市内迫町佐沼字中江にある旧迫町役場を登米市役所本庁舎兼迫総合支所とし、他の旧町の役場を総合支所として利用している。
市内迫町佐沼地区には登米市地方を管轄する国・県の出先機関が多く立地しており、宮城県の登米合同庁舎が置かれている。
ただし仙台法務局登米支局及び仙台地方検察庁登米支部、登米区検察庁は登米町寺池地区に立地している。
主な行政課題としては、市内人口の多くを占める高齢者対策、登米市立登米市民病院に象徴される医療対策、産業の活性化策及び観光の振興策がある。
歴代市長
代 |
氏名 |
就任日 |
退任日 |
備考
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初-3代 |
布施孝尚 |
2005年4月29日 |
2017年4月28日 |
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4-5代 |
熊谷盛広 |
2017年4月29日 |
現職 |
旧津山町長
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市庁舎
- 総合支所
- 迫総合支所(市役所本庁舎)
- 登米総合支所
- 東和総合支所
- 中田総合支所
- 豊里総合支所
- 米山総合支所
- 石越総合支所
- 南方総合支所
- 津山総合支所
-
登米総合支所
-
東和総合支所(旧東和町役場)
-
中田総合支所(旧中田町役場)
-
豊里総合支所
-
米山総合支所(旧米山町役場)
-
石越総合支所(旧石越町役場)
-
南方総合支所(旧南方町役場)
-
津山総合支所
姉妹都市・提携都市
登米市は富山県下新川郡入善町、カナダのバーノン (ブリティッシュコロンビア州)、アメリカ合衆国のテキサス州サウスレイク(英語版)、と姉妹都市を締結している[9]。
また、静岡県湖西市と災害協定都市を結んでいる。
司法
警察
- 佐沼警察署(迫町、中田町、米山町、南方町、石越町を管轄。石越町は合併新市発足により若柳警察署から移管された。)
- 登米警察署(登米町、東和町、豊里町、津山町を管轄)
経済
平成29年度(2017年)データでは、産業人口の約6パーセントが第一次産業、約35パーセントが第二次産業、約59パーセントが第三次産業に従事している。(資料:宮城県震災復興・企画部統計課「市町村民経済計算」)
第一次産業
一帯が田園地帯でありササニシキ、ひとめぼれ、コシヒカリ等の有名米の産地である。登米市の農業産出額は弘前市の371億円に続いて303億円となり東北地方第2位である。(出典)。南東北農業産出額の順位はこちらを参照。津山地区、東和地区では林業が盛んである。
第二次産業
工業は電子機器の工場などが点在する。デクセリアルズなかだ事業所、登米村田製作所がある。
第三次産業
市街地、商業地区は佐沼地区を中心に形成されている。
金融機関
登米市の指定金融機関は、みやぎ登米農業協同組合、指定代理金融機関は七十七銀行と仙台銀行の各市内店舗になっている。
交通
鉄道
新田駅の旧駅舎(2021年建替)
市役所のある中心部の迫町佐沼地区に鉄道は通っておらず、くりこま高原駅(栗原市)が近接する。
瀬峰駅(栗原市) - 登米駅間を結んでいた仙北鉄道登米線は1968年に廃止され、石越駅 - 細倉マインパーク前駅(栗原市)間を結んでいたくりはら田園鉄道線も2007年に廃止された。
バス
ミヤコーバス佐沼営業所が中心バスターミナルの扱いとなっている。それ以外の会社の路線も市役所を通るため乗換え拠点となっている。
- 登米市民バス(ミヤコーバスに運行委託)
- 栗原市民バス
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 仙台 - 佐沼線
- 仙台 - とよま線
道路
高速道路
東北自動車道の築館インターチェンジ、若柳金成インターチェンジは栗原市にある。
三陸沿岸道路の桃生豊里インターチェンジ、桃生津山インターチェンジは石巻市にある。
東北自動車道と三陸自動車道を結ぶ、地域高規格道路が令和3年(2021年)12月17日に全線開通。朝晩の市内渋滞の解消が今後期待される。
一般国道
県道
- 主要地方道
- 一般県道
運転代行
登米市の佐沼地区は飲食店の多い地域である。
登米市内各所から飲食客が佐沼地区へ集まるが、通勤通学以外、市民は公共交通機関よりも自家用車が大きな交通手段としている。
そのため運転代行が夜の市民の足として用いられている。
過去、登米市の運転代行業者は合同で「運転代行プール」を佐沼地区市街地に設置し、2006年には、運転代行の利便性向上と、飲酒運転根絶のために飲食店が協賛して運転代行の割引や協賛店舗の特典などを付帯した「乗っちゃイヤ!券」を発行した[10]。
船舶
古くは北上川の舟運で栄えたが、現在では桜の季節に観光船が走る程度である。
メディア
放送
新聞
- 仙北郷土タイムス(宮城県登米市の月刊新聞)
- 毎月20日発行 / 発行部数1,400部 / ブランケット版4ページ
観光
名所・旧跡
教育資料館
水沢県庁記念館
旧登米町周辺には明治時代の建造物が多く、「みやぎの明治村」と呼ばれている。
自然・名勝
長沼フートピア公園
道の駅
市内には、全国でも有数の多さである道の駅がある。各地域ごとの名産品が見られる。
観光スポット
ご当地マスコット
祭り・イベント
平筒沼ふれあい公園桜まつり
- 佐沼どんと祭(迫町)
- 石越冬のまつりと石越どんと祭(石越町)
- 佐沼どんと祭・裸参り(迫町)
- 米川の水かぶり:ユネスコ無形文化遺産に登録(東和町)
- とよま凧あげ大会(登米町)
- 平筒沼ふれあい公園桜まつり(米山町)
- 日本一はっとフェスティバル[13](迫町)
- YOSAKOI&ねぷたinとよさと(豊里町)
- みなみかた千本桜まつり(南方町)
- 登米フードフェスティバル、東北風土マラソン(迫町)
- 米山チューリップまつり(米山町)
- みなみかた花菖蒲まつり(南方町)
- 佐沼夏まつり(迫町)
- 伊豆沼・内沼はすまつり(迫町)
- 長沼はすまつり(迫町)
- キリシタンの里まつり(東和町)
- とよま明治村夏祭り(登米町)
- ふるさと花火in長沼(迫町)
- もっこり牛まつり
- みろく尊大祭
- とよま盆踊り大会(登米町)
- 登米市産業フェスティバル(迫町)
- とよま秋祭り(登米町):県指定無形民俗文化財
- 石ノ森章太郎ふるさと記念館夏祭り[14](中田町)
- カッパハーフマラソン
- とよま産業まつり(登米町)
- 冬の蛍通り(豊里町)
- もくもくランドライトアップ(津山町)
- 登米市民ふれあい美術展
郵便
郵便局
簡易郵便局
- 善王寺簡易郵便局
- 三方島簡易郵便局
- 黒沼簡易郵便局
教育
高等学校
中学校
小学校
平成31年3月に策定した「登米市立小中学校等再編構想」に基づき、米山地区・東和地区で再編計画中である。
迫地区
登米地区
東和地区
中田地区
豊里地区
米山地区
石越地区
南方地区
津山地区
幼稚園・保育所・こども園
公立
- 新田幼稚園
- 北方幼稚園
- 中田幼稚園
- 米山幼稚園
- 南方幼稚園
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- 迫新田保育所
- 中田保育所
- よねやま保育所
- 豊里こども園
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私立認定こども園
- 佐沼明星こども園
- 白鳥ゆめっ子園
- 白鳥水の里こども園
- 登米北上こども園
- 米谷こども園
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- さくら幼稚園
- 認定こども園森のくまさん
- 石越にじいろこども園
- つやま杉の子こども園
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私立認可保育所
- 佐沼保育園
- 錦保育園
- にじいろ保育園
- ニチイキッズ佐沼えあい保育園
- 米川聖マリア保育園
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- 錦織保育園
- みどりご園
- 南方保育所
- 白鳥保育園
- くるみの木保育園
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出身有名人
江戸時代生まれ
明治時代生まれ
昭和時代生まれ
平成時代生まれ
生年月日不詳
ゆかりの人物
市外局番
市内の大部分は0220(迫MA)であるが、旧石越町および旧迫町新田地区の一部が0228(築館MA)、旧豊里町と旧津山町が0225(石巻MA)である。
脚注
出典
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
登米市に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
公式サイト