稲毛区(いなげく)は、千葉県千葉市を構成する行政区の一つ。文人に愛された別荘地として古くから栄え[1]、西千葉駅周辺は千葉大学をはじめとする高等教育機関が集中している文教都市。
概要
千葉市都市計画マスタープラン[2] によると、稲毛駅周辺を重要地域拠点(副都心機能)、西千葉駅周辺を地域拠点(生活拠点)としている。
千葉市の北西部にある区で、区域の大半は住宅街。戸建て・集合住宅問わず住宅が密集しており、稲毛区の人口密度は千葉市全体の二倍以上ある。
千葉市中心部への通勤者も多いが、東京都の都心から近いために東京都区部への通勤者がもっとも多い。JR総武本線の稲毛駅・西千葉駅周辺や京成千葉線京成稲毛駅・みどり台駅周辺や国道16号周辺を中心に市街地が形成されているほか、千葉大学をはじめとする高等教育機関が集中している文教地区となっている。 かつては東京湾に面する松林が広がる避暑地であった稲毛の海岸沿い(埋立前の海岸線)に別荘を構えた文人墨客が多く、稲毛の松林周辺には海気館をはじめ多くの名旅館があったとされる。
地理
区全体が下総台地上に位置しており、なおかつ海に近いため、台地の縁に谷津田が切れ込んでいて起伏の多い地形である。区内最高地点は長沼原町の標高33.6メートル、最低地点は稲毛3丁目の標高2.3メートル。
隣接する自治体・行政区
歴史
中世には、千葉氏流馬加氏一族の下総稲毛氏が千葉郡稲毛村に割拠していた。
千葉市のうち、旧市域の一部と千葉郡都賀村の西半分、検見川町・犢橋村の各一部の区域から成る。「都賀」は現在では都賀駅周辺を指すが、本来は区内の作草部地区が中心である。旧市町村の区域とは一致しないものの、戦後、稲毛駅、西千葉駅を中心に発展した地域である。
区名は公募に寄せられた案の中から決定した。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により区域内に以下の町村が発足する(いずれも千葉郡。現存しない地名は〈 〉で現在の地名を記した)。
- 千葉町 ←黒砂村、●千葉町、●寒川村、●登戸村、●千葉寺村(●は現中央区)
- 都賀村 ←萩台村、作草部村、園生村、小中台村、宮野木村、●西寺山村〈源町〉、●殿台村、●東寺山村、●原村、●高品村(●は現若葉区)
- 検見川村 ←稲毛村、●検見川村、●畑村(●は現花見川区)
- 犢橋村 ←長沼新田、小深新田、●犢橋村、●花島村、●柏井村、●横戸村、●六方野原、●宇那谷村(●は現花見川区)
- 1891年(明治24年)5月1日 - 検見川村が町制を施行し検見川町となる。
- 1921年(大正10年)1月1日 - 千葉町が市制を施行し千葉市となる。
- 1937年(昭和12年)2月11日 - 都賀村、検見川町が千葉市に編入される。
- 1954年(昭和29年)7月1日 - 犢橋村が千葉市に編入される。しかしこのとき犢橋村が村内の軍施設を千葉市に報告しなかったため、1979年(昭和54年)に信管付き不発弾が見つかり騒ぎになる。
- 1992年(平成4年)4月1日 - 千葉市の政令指定都市移行に伴い当区を設置。
人口
- 1995年 150,657
- 2000年 147,672
- 2005年 149,685
- 2010年 157,768
- 2015年 160,968
行政
区役所
- 稲毛区役所(区長 弓削田和行)
- 〒263-8733
- 千葉市稲毛区穴川四丁目12-1
行政施設
警察・消防
経済
産業
北部に内陸工業団地を有する。洋弦楽器に関する製作技術者、修理技術者、関係法人や出版社等により組織された日本弦楽器製作者協会(業界団体)の本部がある。
本社・本店を置く企業
主な商業施設
地域
住宅団地
- 稲毛住宅 (旧日本住宅公団、公団初の分譲住宅団地、稲毛台、分譲240 1956年)
- 園生団地(園生町 賃貸438 1963年)
- 小仲台団地(小仲台 賃貸310 1963年)
- 千草台団地
- あやめ台団地
- 京成団地・京成宮野木団地
大規模マンション
施設
スポーツ施設
交流施設
- 山王市民センター
- 小中台保健センター
- 穴川コミュニティセンター
- 都賀コミュニティセンター
- 小中台公民館
- 黒砂公民館
- 轟公民館
- 稲毛公民館
- 千草台公民館
- 草野公民館
- 山王公民館
- 都賀公民館
- 緑が丘公民館
郵便
- 千葉長沼原郵便局(〒263-0001)
- 千葉小深郵便局(〒263-0003)
- 千葉千草台郵便局(〒263-0013)
- 千葉作草部郵便局(〒263-0021)
- 千葉緑町郵便局(〒263-0023)
- とどろき郵便局(〒263-0024)
- 千葉穴川郵便局(〒263-0024)
- 稲毛駅前郵便局(〒263-0031)
- 稲毛郵便局(〒263-0034)
- 千葉小仲台郵便局(〒263-0043)
- 千葉小仲台八郵便局(〒263-0043)
- 千葉小中台北郵便局(〒263-0043)
- 千葉あやめ台郵便局(〒263-0052)
- 稲毛ファミールハイツ郵便局(〒263-0053)
医療
千葉市は、1市で1つの二次医療圏(千葉保健医療圏)を構成する。三次医療圏は千葉県医療圏(管轄区域:千葉県全域)。
医療提供施設は特筆性の高いもののみを記載する[3]。
教育
大学
国立
私立
短期大学
私立
高等学校
県立
市立
私立
中学校
国立
市立
小学校
国立
市立
特別支援学校
国立
市立
研究所
学会本部
学校法人
交通
鉄道路線
東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 中央・総武緩行線
- 総武快速線
- 京成電鉄
- 千葉線
- 千葉都市モノレール
- 1号線
鉄道施設
バス路線
路線バス
高速バス
道路
高速道路
一般国道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡・観光スポット
祭事・催事
- 稲毛区民まつり
- 稲毛せんげん通りまつり(稲毛浅間神社の大祭)
出身有名人
ゆかりのある人物
- 大下弘 - 川上(巨人)の赤バットと共に、青バットの大下として戦後プロ野球のスーパースター。稲毛ファミールハイツに住み、少年野球を指導した。
- 神谷傳兵衛 - 浅草神谷バーの創業者。稲毛海岸に別荘を持った。
- 愛新覚羅溥傑 - 日本の陸軍歩兵学校に在籍時、妻の嵯峨浩と共に在住していた。旧居は「千葉市ゆかりの家、いなげ」として一般公開されている。
- 川淵三郎 -長年居住していた。
脚注
関連項目
外部リンク
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稲毛区に関連するカテゴリがあります。