足羽山(あすわやま)は、福井県福井市にある標高約116メートルの山[1]。山頂や山麓は行楽地となっており、桜や福井の市花であるアジサイの名所として知られるほか、動物園を含む足羽山公園遊園地、博物館、美術館、古墳群[1]、放送施設などがある。
概要
笏谷石露天採掘場(不動寺境内)
現在の福井県から近畿地方に入って即位したと伝えられる継体天皇像(足羽山三段広場に)
福井平野の中心にある独立した小山。足羽川の南岸、福井市中心市街地から見て南西の郊外にあり、アクセスが容易な緑地として市民の憩いの場となっている。散策や夜景を楽しむ人も多い。
山上は足羽山公園[3]として整備されている。足羽川・足羽山公園として日本さくら名所100選に指定されている。アジサイも有名で、福井市はクラウドファンディングによる寄付で植栽を拡大している[4]。
また「ふくい歴史百景」[5]にも選定されている。1583年の豊臣秀吉の北ノ庄城(柴田勝家)攻めの際、秀吉は足羽山上、天魔が池付近に陣取ったと伝えられている[6]。
足羽山と呼ばれるようになったのは、明治期以降のことで、江戸時代は「木田山」「愛宕山」と呼ばれた[7]。福井藩の触書[8]から、既に18世紀前半には大勢の遊山客で賑わっていたことがわかる。さらに19世紀に入ると北東側からの登山道である愛宕坂には、楊弓屋や田楽屋がたち並んでいたという[9]。
ミニ動物園[10] 、フィールドアスレチック、継体天皇像、通年営業の数軒の茶店などもある。また、福井県内をエリアとする放送局の送信所も置かれている。1953年に足羽山公園に開館した福井市立郷土歴史博物館は、2004年3月に市中心部の宝永3丁目へ移転した。
足羽山の西側部分には市営墓地(西墓地)があり、墓地の北側にはかつて火葬場があったが、1999年に同市安田町に現火葬場(福井市聖苑)が完成したため解体された。
笏谷石と採石場跡
足羽山では、青みがかって加工がしやすい軽石火山礫凝灰岩笏谷石(しゃくだにいし)が採れ、古墳の石棺から石仏、築城、火鉢など様々に使われた[11]。名称は山麓北西の笏谷に由来し、昭和初期の河川改修までは足羽山寄りを流れていた足羽川の河川舟運を利用して、切り出した石を笏谷から越前内外へ送り出していた[11]。
採掘は1999年(平成11年)に終わり、2007年(平成19年)の調査では露天掘りと地下を掘り進んだ坑道を含めて61か所の採石場跡が確認されている[11]。このうち、笏谷にある七ツ尾口坑道では、福井市自然史博物館や京都大学、広島大学の研究者により地下動物相の調査が行なわれており、新種のヤスデ(アスワタテウネホラヤスデ)やヨコエビ(アスワメクラヨコエビ)が発見されている[12]。
山頂及び山麓の施設など
文化施設
神社
放送施設
地上デジタルテレビ放送送信設備
- FBCはデジタルテレビに限りNHK福井放送局の既存施設を共用し、FTBは既存のアナログ施設を活用。全局ともに2006年5月1日に放送開始。
なお、福井テレビはフジテレビ系列のため、これに合わせて「8」を選択した(隣接府県で在福井局とリモコンキーIDが重なる放送局は、「1」のNHK総合テレビジョン(金沢局、大津局、京都局)と東海テレビ放送(フジテレビ系列)、「2」のNHK教育テレビジョン(全国共通)、「8」の関西テレビ放送・石川テレビ放送(ともにフジテレビ系列)と岐阜放送(ぎふチャン、独立局)のみ)。
地上アナログテレビ放送送信設備(廃止)
FBC福井放送・FM補完中継局(旧アナログテレビ送信所)電波塔
2011年7月24日をもって全ての局が廃止されている。
放送局名 |
コールサイン |
チャンネル |
空中線電力 |
ERP |
放送対象 地域 |
放送区域 内世帯数
|
NHK 福井教育 |
JOFC-TV |
3ch |
映像3kW/ 音声750W |
映像17kW/ 音声4.2kW |
全国 |
約15万3000世帯
|
NHK 福井総合 |
JOFG-TV |
9ch |
映像16kW/ 音声4kW |
福井県
|
FBC 福井放送 |
JOPR-TV |
11ch |
映像18kW/ 音声4.5kW |
約15万世帯
|
FTB 福井テレビ ジョン放送 |
JOFI-TV |
39ch |
映像10kW/ 音声2.5kW |
映像105kW/ 音声27kW |
-
|
- アナログテレビは各事業者単独で設置していた。
- NHK 教育は送信アンテナをNHK-FMと共有し、また電波塔(送信所建物隣接地)をNHK総合・教育・FBCと共有している。
- NHK総合の電波塔(送信所建物屋上)は他放送とは独立した状態となっているが、かつてはNHK教育・FMと共有していた。当時の先端部はNHK放送博物館(東京都港区)に展示されている。
- FBCは電波塔をアナログ送信所建物に隣接する高台に設置。
- FTBは送信アンテナを同局のデジタルテレビと共有し、電波塔(送信所建物屋上)にはFM福井の送信アンテナを併設している。
FMラジオ放送送信設備
- NHK-FMは1965年2月5日に実用化試験局(モノラル)ならび実験局(ステレオ)として運用開始になり、1969年3月1日に本放送を開始した[16]。
- 福井街角放送はコミュニティFM局。送信所は市自然史博物館屋上で、エリアは福井市、鯖江市、坂井市の大部分、吉田郡永平寺町の一部[要出典]。
- FBCはFM補完中継局として、旧アナログテレビ送信所の施設を利用[要出典]。2016年12月22日予備免許交付。2017年2月1日より試験電波発射。2017年4月1日放送開始[18][15][19]。
マルチメディア放送送信設備
周波数 |
放送局名 |
空中線 電力 |
ERP |
放送区域 |
放送区域 内世帯数 |
開局日 |
サービス 終了日
|
214.714286MHz (VHF11chに 相当する周波数帯) |
Jモバ 福井MMH |
7.5kW |
41kW |
福井県あわら市、坂井市の全域、 並びに福井県福井市、勝山市、鯖江市、 越前市、吉田郡永平寺町、南条郡南越前町、 丹生郡越前町及び石川県加賀市の各一部 |
約19万世帯 |
2013年 9月30日[20][21] |
2016年 6月30日[22][23]
|
アクセス
- 愛宕坂側(階段)
- 百坂側(階段)
- 孝顕寺坂側(車両は登り一方通行)
- 不動山口・藤島神社口側(車両は、藤島神社からは足羽山臨時交番まで登り一方通行となる)
- 南側(車両は下り一方通行)
- みどり図書館・西部緑道側(車両は通行不可)
- 京福バス「門前北」「みどり図書館前」バス停留所下車
- 笏谷神社口側
- コミュニティバスすまいる西ルート(照手・足羽方面)「足羽5丁目」バス停留所下車
- 京福バス「明里三差路」バス停留所下車
- 運正寺坂側(車両は下り一方通行)
- コミュニティバスすまいる西ルート(照手・足羽方面)「足羽1丁目」バス停留所下車
脚注
- ^ a b c 福井県公式観光サイト「ふくいドットコム」:足羽山公園 福井県観光連盟(2023年11月15日閲覧)
- ^ 全国ロケーションデータベース:ロケ候補地一覧 > 足羽山 国立映画アーカイブ(2023年11月15日閲覧)
- ^ 足羽山公園の歴史
- ^ クラウドファンディングによる足羽山公園アジサイ植栽が完了しました!(平成29年度分)福井市(2018年5月13日閲覧)
- ^ 足羽山[リンク切れ] - ふくい歴史百景[リンク切れ]福井県庁
- ^ “柴田勝家討伐、本陣は天魔池に 豊臣秀吉の生涯「太閤記」より”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(福井新聞). (2016年3月7日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000006277 2020年4月26日閲覧。
- ^ 『日本歴史地名体系 第18巻 福井県の地名』(1981年)p.264
- ^ 『福井市史 通史編2』(2008年)では、1722年(享保7年)7月の触書「愛宕山遊山夥敷有之候由ニ付御〆り之事」を紹介している。この触書では、愛宕山に大勢の遊山客が訪れ、口論や酔狂にかかわる事件が危惧されたため、町人どもは遊山を慎むよう命じていた。典拠となっている資料は松平文庫(福井県立図書館保管)の「諸事御用留抜書下書」。
- ^ 「足羽参記」『越前国名蹟考』(松見文庫、1980年)pp.316-317
- ^ 足羽山公園遊園地の施設案内
- ^ a b c 足羽山(あすわやま)の笏谷石(しゃくだにいし)関西電力原子力事業本部「越前若狭探訪」第58号(2023年11月19日閲覧)
- ^ 福井市足羽山に生息する地下水性甲殻類の新種を発見―長期調査が詳らかにする地下性動物達―京都大学(2023年9月12日)2023年11月19日閲覧
- ^ a b c 無線局免許状等情報(福井エフエム放送(総務省)
- ^ a b c 無線局免許状等情報(NHK-FM(総務省)
- ^ a b c d 総務省|北陸総合通信局|福井放送のFM補完中継局に予備免許
- ^ a b c NHK年鑑2016(NHK放送文化研究所) (PDF)
- ^ a b c 無線局免許状等情報(福井街角放送(総務省)
- ^ FBCラジオの「ワイドFM」4月スタート予定~きょうから試験電波(FBCニュース)[リンク切れ]
- ^ 総務省|北陸総合通信局|福井放送のラジオの難聴を大幅改善
- ^ マルチメディア放送の福井中継局に予備免許 総務省北陸総合通信局プレスリリース(2013年5月20日)
- ^ モバキャスサービスの提供状況[リンク切れ] - ジャパンモバイルキャスティング
- ^ 「テレビと呼ぶには、面白すぎる」NOTTV、4年超でサービス終了 IT Media(2016年6月30日)2020年5月24日閲覧
- ^ “放送大学学園の使用していた周波数及びV-High帯域の現状”. 総務省 (2018年11月19日). 2020年5月24日閲覧。
関連項目
外部リンク
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