AT&Tモビリティ
設立
2001年
AT&Tモビリティ (AT&T Mobility LLC ) は、アメリカ合衆国 の加入者数第2位の携帯電話事業者 。AT&T Inc. の完全子会社で、旧社名はシンギュラー・ワイヤレス(Cingular Wireless, LLC 、en:Cingular Wireless )。本社所在地は、ジョージア州 アトランタ 。2019年9月末現在、1億6230万人[ 1] の加入者を擁する。
概要
シンギュラーワイヤレスは、2001年に、SBCコミュニケーションズ (旧アメリテック+旧サウスウェスタンベル+旧パシフィック・テレシス)とベルサウス という地域ベル電話会社 (RBOC)が、それぞれの携帯電話子会社群を合併させて成立した。この為、全国ネットワークではない、内部にGSMとD-AMPS(IS-136)という2つの互換性のない第二世代携帯電話 ネットワークを抱えるという、携帯電話事業者としては、かなり深刻な問題を抱えての発足であった。その後、GSMへのネットワーク転換を進めるとともに、空白区解消の最終策として、2004年に、巨費を投じて、AT&Tワイヤレスを買収した。
シンギュラー・ワイヤレス発足時の株主構成は、SBCコミュニケーションズ が60パーセント、ベルサウス が40パーセントだった。2005年には、親会社のひとつであるSBCコミュニケーションズは、旧AT&T (AT&T Corp.)を買収して自社名をAT&T Inc.に改称。2006年には、新AT&Tはもうひとつの親会社であるベルサウス を吸収合併したためシンギュラーはAT&Tの完全子会社となった。AT&Tへのブランド統一のためにシンギュラーのブランド名は消滅することになり、携帯電話部門は、AT&Tモビリティを名乗ることになった。
AT&Tモビリティはまた、シンギュラーからの伝統を引き継いで、積極的に料金繰り越しサービス を実施する携帯電話事業者としても知られている。
歴史
Cingular時代のSIMカード
AT&Tモビリティ前身のシンギュラー・ワイヤレス(en:Cingular Wireless )は2001年 にSBCコミュニケーションズ とベルサウス との合弁企業として、当時11社あった両者傘下の地域携帯電話会社が合併して設立された。設立当時は、ベライゾン・ワイヤレスにつぐ、全米2位の規模の携帯電話事業者 であった。
2004年 2月 英ボーダフォン との買収合戦を経て、当時、全米加入者数第3位のAT&Tワイヤレス を410億ドルで買収し、全米最大の携帯電話事業者となった。ボーダフォンの買収提示額は、400億ドルであった。AT&Tワイヤレスの筆頭株主は、16%保有のNTTドコモ であったが、この合併により、同社は、合併会社への影響力を、ほぼ失った。
2004年 11月 のちに世界的大ヒット作となる、Motorola RAZR V3 のアメリカ国内独占販売を開始した。
2007年 1月9日 Apple が携帯電話 のiPhone を発表した際、アメリカ 国内の携帯電話事業者として、18ヶ月の端末独占供給契約を受ける事が明らかになった。販売自体は、6月からスタートした。
2007年 1月12日 AT&T が傘下のシンギュラー・ワイヤレスを完全子会社化し、シンギュラーブランドを全てAT&Tブランドにする事を発表。
2007年 1月15日 シンギュラーは名称をAT&T Mobilityに変更し、"Cingular is now the new AT&T"というキャッチコピーのもと、AT&Tブランドへの変更キャンペーンを行った。店頭やメディアでの反響が大きいことが予想されたため、数ヶ月間の標章改名の期間を設け、6月末までに名前の更新を完了した。
2011年 3月20日 AT&Tは、ドイツテレコムと、その米国携帯電話子会社であるT-Mobile USA を、390億ドルで買収することで合意した、と発表した[ 2] 。
2011年 8月31日 司法省は、AT&TによるT-Mobile USAの買収は、反トラスト法違反であるとして、ワシントン地区裁判所に、買収阻止を求める訴えを行ったことを発表した。[ 3]
2011年 12月19日 AT&Tは、T-Mobile USAの買収計画をとりやめる、と発表した。[ 4] これに伴い、AT&Tは、ドイツテレコムに、違約金として40億ドルの支払い義務が発生する。
2013年7月12日 AT&Tは、Cricketブランドで、携帯電話サービスを行なっているリープ・ワイヤレスを、1株あたり15ドル、総額約12億ドルで、買収すると発表した。[ 5]
ネットワーク
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(2021年2月 )
ネットワークは、旧AT&Tワイヤレス(旧マッコーセルラー)から引き継いだ全国レベルのセルラーバンドAブロック、旧シンギュラー・ワイヤレスから引き継いだ各地域のPCSバンドが基になっている。セルラーバンドでは、以前はAMPS(南北アメリカで使われたアナログ方式)が、さらに地域によっては、IS-136(北米で使われたTDMA第2世代方式)が存在したが、既に終了している。第2世代方式は、時間をかけてGSM・EDGEに全国レベルで張り替えられた。第3世代方式は、W-CDMAを選択し、保有する850MHz帯 /1900MHz帯 を中心に、全国展開している。HSPAなどの高速データ通信対応も全国レベルで行っているが、ヘビートラフィックが発生し、バンド幅が十分でないニューヨークなどでは、容量不足の問題も出ていた。第4世代対応では、LTEを支持しているが、ライバルのベライゾン・ワイヤレスが、積極的な全国展開を図っているのにくらべて、LTEへの移行には時間がかかるであろうとし、まず3Gでの高速データ通信対応を充実させる、という方針である。2011年 、700MHz帯 (Band 17)でLTEの展開を開始した[ 6] 。次いで、AWS (英語版 ) 帯(Band 4)でのサービスも予定している。
セルラーバンドとPCSバンドの2Gネットワークは、2016年12月31日で、サービスを終了した。[ 7]
その他
NTTドコモ 、ソフトバンク で販売される携帯電話はAT&Tモビリティの3G、4Gサービスに対応している。
また、au (KDDI ・沖縄セルラー電話 連合 )版のiPhone 5s 、およびiPhone 5c 、iPad Air 、iPad mini Retinaディスプレイモデル 以降で、同社の国際ローミングサービスを使用することで、AT&Tモビリティの4G、LTEサービスにも対応している[ 8] 。
脚注
関連項目
外部リンク