『DTエイトロン』(ディーティーエイトロン)は、1998年4月18日から11月6日までフジテレビ系で放送された日本のテレビアニメ。全26話。ラジオドラマ『DTヴァンパイア』の設定に基づき製作された[1]。
ストーリー
2187年、強い紫外線が降り注ぎ荒廃した地上。ドーム都市データニアでは、子供達が感情を制御され巨大建造物「パイル」での作業に従事させられていた。
そのうちの一人、主人公の少年シュウは海への憧れから脱走し、アンドロイド「エイトロン」をあやつる少年たちと出会う。彼らは、データニアの子供たちを解放しようとするレジスタンス、「リターナー」だった。シュウは彼らとともに、ユートピアといわれるもうひとつのドーム都市「アモーロート」を探して旅発つ。
一方、シュウたちが高い環境適応能力を持つ「DT(データトランスフォーム)保有者」であることを知ったデータニアは、捕獲のための部隊を送り出す。
登場人物
主要人物
- シュウ
- 声 - 保志総一朗
- 本作の主人公。データニアで生まれ育った、ぼうっとしたところのあるおとなしい少年。14歳[2]。DT保有者。海が見たいという感情が芽生え、データニアを脱走する。一度捕まり「リセット」されるが、抑制の呪縛が効かず再び脱走する。そしてメイ、ドリー、アイン、フィアと出会ったことにより、共にアモーロート向けて旅をする。性格的に抜けている部分があるが、旅をしていくうちに成長していく。
- メイ
- 声 - 夏樹リオ
- 反データニア組織「リターナー」のメンバーで、DT保有者。15歳。インディアンの血を引いており、気が強い。シュウのことはかなりお気に入りで、お姉さんぶった態度を取る。
- ドリー
- 声 - 矢島晶子
- 「リターナー」のメンバーで、DT保有者。8歳。幼いながら凄腕のアフリカ系ハッカー少年。エイトロンを呼び出すことができる。
- アイン
- 声 - 諏訪部順一
- 「リターナー」のメンバーで、DT保有者。17歳。落ち着いた真面目な性格でみんなのまとめ役。
- フィア
- 声 - 川澄綾子
- シュウと一緒にデータニアから脱出したヨーロッパ系少女。14歳。初めはナインツに送り込まれたスパイであったが、シュウ達と行動を共する選択をし旅に同行することになる。しかし途中で病気にかかり、ヨゼフ達の所でシュウ達と別れることとなる。最終話ではヘリに乗ってシュウ達の所へと向かう。
- エイトロン
- 人工衛星「LANDSAT III」からのビームで他の物質を分解・再構成して現れるアンドロイド。ビームにはDTプログラムが含まれている。組織の結合には水素を使うため、水素を吸収するパラジウムに弱い。DT狼を殺すのをやめるなど、人工生命体らしからぬ思考回路を持つ。
その他の人物
- クラスター
- 声 - 有本欽隆
- 打ち捨てられた資源探査衛星「LANDSAT III」にいるコンピューターシステム。柔軟な思考回路でシュウたちに助言をしてくれる。しかし、しゃべり方が年寄りくさい。
- ドラマ木曜の怪談『怪奇倶楽部』、『DTヴァンパイア』に続いて登場。『怪奇倶楽部』ではプログラムであったが、『DTヴァンパイア』では電子生命体を名乗っていた。
- ユウヤ
- 声 - 山口勝平
- データニアでのシュウの友人。一度、シュウや他の仲間達と共にデータニアを脱走しようとしたが、追跡部隊に捕まった後、リセットをかけられデータニア生活に戻ってしまう。
- ロッソ
- 声 - 林延年
- データニアから見捨てられた資源採掘ドーム「13」の生き残りで、DTを持つイタリア系少年。16歳。旅に同行することになる。だがその前は、核ミサイルが搭載されている原子力潜水艦に住んでいて、いずれ核ミサイルをデータニアに発射しようと考えていた。銃器の取り扱いが上手く、銃器を肌身離さず持っている。
- ナインツ
- 声 - 辻谷耕史
- データニア管理者だったが、度重なる失敗で降格される。その後DT保有者捕獲部隊の指揮をすることになる。歌を聞きたくて脱走し「リセット」された過去を持つ。途中まで自分にDTがあることを知らなかった。だがその事実を知った後、独自の判断で行動するようになる。
- ディアナ
- 声 - 柳瀬なつみ
- ナインツの副官。データニアのオペレーターを務めている。ナインツが独断行動をしたと同時に、自分も付いていった。しかしそのことにまったく自覚が無く、ナインツに聞かれても「分りません」と言うだけであった。
- ベルク
- 声 - 遊佐浩二
- ナインツにかわってデータニア管理者となる。彼には前から対抗意識を持っていた。
- リョウ / クロノ
- 声 - 神谷浩史
- シンシア
- 声 - 根谷美智子
- ドーム「13」の生き残り。目が見えない。ロッソが旅をする前には死亡。彼に旅のきっかけを与えたのは彼女でもある。
- エリス
- 声 - 中村千絵
- ガーフィ
- 声 - 岩田光央
- 「リターナー」の現リーダー。本来ならアインがリーダーになるべきだったと思っている。
- ファーナ
- 声 - 中山真奈美
- ローディ
- 声 - 森川智之
- 「リターナー」の元リーダー。シュウ達より先にアモーロートを探して旅立ち、発見したと連絡してきた。出発した6人のうち、アモーロートに到着したのは彼だけだった。
- 局長
- 声 - 徳丸完
- 巨大なモニターを通じてデータニア管理者へ指示を与えている。
- ゼロ
- 声 - 菅原正志
- データニアの支配者。DTを欲している。後半はエイトロンと融合した。
- Dr.ジェネシス
- 声 - 安原義人
- データニアシステムの開発者。生命体のデータにDTを投与すればそのデータは生命を持つ、という理論を持つ。エイトロンを直す時、未知のDTを目撃する。
- アッシュ
- 声 - 岡田貴之
- ロロ
- 声 - うすいたかやす
- リターナーのメンバー。ハッカーであり、ドリーを溺愛している。
- ジェシカ
- 声 - 野上ゆかな
- リターナーのメンバーの隻眼の女性。
- ウォール
- 声 - 川津泰彦
- リターナーのメンバー。ガーフィの護衛役をローディと約束している大男。
- エドリー
- 声 - 橘ひかり
- 老隊長
- 声 - 八木光生
- データニア防衛ラインにある高出力レーザー砲台の隊長。50年間データニアを守っていた。
- マックス
- 声 - 大川透
- 老隊長の息子。
- ヨゼフ
- 声 - 阪脩
- プロミストランドを目指し西へと向かう人々のリーダー。無償でアイン達を助けたり、フィアを引き受けたりする好人物。
- エライザ
- 声 - 紗ゆり
- ヨゼフ一行にいる医者。フィアを診察する。
- イーゼント
- 声 - 塩沢兼人
- イーゼント博士に作られたアンドロイド。レプリカの14世紀に建てられた城に住み、旅人をもてなす。人間になりたがっており、人間の皮膚を奪おうとする。
- キルト
- 声 - 小西寛子
- イーゼント伯爵の娘。メイの皮膚を奪おうとするが、シュウの犠牲的精神に触れ考えを改める。
- カイル
- 声 - 阪口大助
- イーゼント伯爵の息子。シュウの皮膚を奪おうとする。
- 執事
- 声 - 稲田徹
- イーゼント伯爵に仕える執事。エイトロンに分解された。
- メイド
- 声 - 加藤優子
- イーゼント伯爵に仕えるメイド。メッセージを残した人物の皮膚をつけている。
- おおじい様
- 声 - 山内雅人
- 強酸性の湖のほとりで暮らす人々の長。スワンを育てている。アイン達が飛行機で湖を渡る際、スアンを連れて行って欲しいと頼んだ。
- スアン
- 声 - 岡本奈美
- 旅の途中から同行することになる少女。DT保有者。カンフーが得意で戦闘では肉弾戦をする。最初はかなりの人見知りだった。口数も多い方ではない。
- シーナ
- 声 - 中川亜紀子
- ドーム「13」と同タイプのドームで21世紀から凍結入院している少女。病気の治療法が確立されるまで凍結されているが、この先も治療法が発見される可能性は無い。
- ジュディ
- 声 - 久川綾
- アモーロート版リターナーのリーダー。
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ「陽はまたのぼりくりかえす」
- 作詞・作曲 - 降谷建志 / 編曲・歌 - Dragon Ash
- エンディングテーマ「おなじ星」
- 作詞 - 高木郁乃 / 作曲・編曲 - 吉田ゐさお / 歌 - Jungle Smile
各話リスト
話数 |
サブタイトル |
脚本 |
絵コンテ |
演出 |
作画監督 |
放送日
|
1 |
OUT OF DATANIA |
柿沼秀樹 |
アミノテツロー |
鈴木吉男 |
田中良 |
1998年 4月18日
|
2 |
RESET OFF |
石山タカ明 |
横田和 |
谷口守泰 |
4月25日
|
3 |
LIFE SIDE'S WALL |
西澤晋 |
本橋秀之 |
5月2日
|
4 |
KILL THE DATANIAN |
今沢哲男 |
織田美浩 |
中井準 |
5月9日
|
5 |
DELETE KEY |
石山タカ明 |
亀垣一 |
筏雅律 |
5月16日
|
6 |
ESCAPE FROM DATANIA |
岡尾貴洋 |
谷口守泰 |
5月23日
|
7 |
RETURNERS |
石山タカ明 |
元永慶太郎 |
田中良 |
6月6日
|
8 |
IN THE LIFE SIDE |
姫野利充 |
今沢哲男 |
織田美浩 |
谷口守泰 |
6月13日
|
9 |
FANG OF THE TANK-CEMETERY |
岡田麿里 |
西澤晋 |
本橋秀之 |
6月20日
|
10 |
THE GUNS AND OLDIES |
柿沼秀樹 |
横田和 |
中井準 |
6月27日
|
11 |
ILLUSION DIVING |
村上ヒロアキ |
鈴木吉男 |
田中良 |
7月4日
|
12 |
SO LONG... |
柿沼秀樹 |
石山タカ明 |
岡尾貴洋 |
谷口守泰 |
7月11日
|
13 |
NIGHT OF HUMANITY |
川守田游 |
Nicola Hayes |
元永慶太郎 |
田中良 中井準 |
7月25日
|
14 |
THE FOG ISLAND |
柿沼秀樹 |
横田和 |
谷口守泰 |
8月1日
|
15 |
LOVE SONG |
岡田麿里 |
西澤晋 |
本橋秀之 |
8月8日
|
16 |
GARDEN'S RULE |
村上ヒロアキ |
石山タカ明 |
織田美浩 |
中井準 |
8月15日
|
17 |
FISH'S KISS |
岡田麿里 |
小林孝志 |
羽生尚靖 |
桜井木ノ実 |
8月22日
|
18 |
Dr. GENESIS |
柿沼秀樹 |
岡尾貴洋 |
谷口守泰 |
8月29日
|
19 |
WIND OF DATANIA |
姫野利充 |
横田和 |
田中良 |
9月5日
|
20 |
BOY MEETS GIRL |
岡田麿里 |
石山タカ明 |
織田美浩 |
筏恵美子 |
9月12日
|
21 |
BROTHERS IN AMAUROTE |
柿沼秀樹 |
櫻井美知代 |
西澤晋 |
本橋秀之 |
9月19日
|
22 |
JUDDY AND ROADY |
岡田麿里 |
織田美浩 |
谷口守泰 |
9月26日
|
23 |
LONG GOOD-BYE |
柿沼秀樹 |
小林孝志 |
羽生尚靖 |
桜井木ノ実 |
10月16日
|
24 |
RETURN TO DATANIA |
村上ヒロアキ |
横田和 |
谷口守泰 |
10月23日
|
25 |
SEVEN DAYS |
柿沼秀樹 |
西澤晋 |
本橋秀之 |
10月30日
|
26 |
HEAVEN'S FRIENDS |
アミノテツロー |
織田美浩 |
田中良 |
11月6日
|
VHS・LD・DVD
- VHS
- 1巻・2巻:1999年4月22日
- 3巻・4巻:1999年5月27日
- 5巻・6巻:1999年6月24日
- 7巻・8巻:1999年7月23日
- LD-BOX
- DVD-BOX
CDアルバム
- DTエイトロン オリジナル・サウンドトラック
- 1998年7月23日
- ディスク枚数: 1枚
- レーベル: ビクターエンタテインメント
- 収録時間: 66分
- ASIN: B00005GXMS
収録曲
- シュウ MONOLOGUE I (0:54)
- BRICK IN THE WALL (3:30) 作曲・編曲:難波弘之
- 陽はまたのぼりくりかえす〈TV Edit〉 (5:07) 作詞・作曲:降谷建志 / 編曲・歌:Dragon Ash
- シュウ MONOLOGUE II (0:52)
- STAY DREAM (4:47) 作曲・編曲:板倉真一
- DATA FOLK (4:16) 作曲・編曲:森藤晶司
- RESOURCE (1:49) 作曲・編曲:林秀幸
- INCONVENIENCE (2:01) 作曲・編曲:林秀幸
- YOU AND THEM (4:05) 作曲・編曲:林秀幸
- BURNING (3:21) 作曲:難波弘之・森藤晶司・林秀幸 / 編曲:難波弘之
- ONE OF THE FEW (5:21) 作曲・編曲:難波弘之
- ANOTHER WAY (2:55) 作曲・編曲:板倉真一
- TURNING (3:38) 作曲・編曲:難波弘之
- OUTSIDE THE WALL (4:35) 作詞:清水しょう子 / 作曲:福山芳樹 / 編曲:上杉洋史 / 歌:ナル
- THE TIME (3:59) 作曲・編曲:森藤晶司
- SEE-SAW (3:13) 作曲・編曲:森藤晶司
- シュウ MONOLOGUE III (1:08)
- MOTHER (4:04) 作曲・編曲:難波弘之
- シュウ MONOLOGUE IV (0:32)
- おなじ星 (5:41) 作詞:高木郁乃 / 作曲・編曲:吉田ゐさお / 歌:Jungle Smile
漫画
『月刊コミックドラゴン』連載のひのきいでろうによる漫画版がある。全1巻。アニメ版に準じたものではあるが、内容は大幅に削られており、結末が異なっている。
他に『月刊ドラゴンジュニア』連載の山吹ショウマによるものがあるが打ち切られている。
脚注
関連項目
外部リンク
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テレビアニメ |
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1970年代 |
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1980年代 |
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1990年代 |
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2000年代 |
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2010年代 |
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2020年代 | |
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単発テレビ スペシャル | |
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劇場アニメ |
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1980年代 1990年代 |
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2000年代 |
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2010年代 |
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2020年代 | |
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|
OVA |
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1980年代 |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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- 共:共同制作
- 移:放送期間中にバンダイナムコピクチャーズへ制作移管
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