Mac OS 8.5では、24ビットフルカラー+8ビットアルファチャンネルがサポートされ、透明度を持った表現力豊かなアイコンが使用可能になった。
macOSでは、2000年にリリースされたMac OS X Public Betaで128x128ピクセルサイズに拡大、Aquaインタフェースの採用に伴い、デザインそのものも写実的なものに変更された。しかし一方で、内蔵ハードディスクのアイコンが普段ユーザが目にすることのないベアドライブそのもののデザインになるなど、アイコンとしての分かりやすさには疑問の声もある。
その後、2007年のMac OS X v10.5 Leopardから512x512ピクセルサイズが採用された。これにより、格段に表現力が向上するとともに、設定により16x16から512x512ピクセルの間で、自由にサイズを変更することが可能となった。その後、2011年のOS X v10.7 LionよりRetina Displayサポートを視野にいれた1024x1024サイズのアイコンを段階的にサポート。2012年のOS X v10.8 Mountain LionよりApple純正アプリケーションのアイコンの大半が1024x1024サイズに変更となる。
アイコンには、「情報を見る」ウィンドウで設定することにより、ユーザの好きなピクチャを設定することもできる(カスタムアイコン)。これを利用し、一枚の大きなピクチャを多数のアイコンとして表現することでFinderウィンドウ内にピクチャを表示する手法が、Classic Mac OSの時代にパッケージソフトなどで見られた。ちなみにmacOSではウィンドウの背景に任意のピクチャを設定することが標準で可能である。
アイコンそのもののデータは、Classic Mac OSではリソースフォーク内の'icl8', 'ICON', 'icns'リソースなどに格納されている。これらには複数のサイズのアイコンを格納することができ、表示する際の大きさに応じて最適なものが選択されるようになっている。macOSでは、通常".icns"の拡張子を持つファイルに格納されており、開発環境のXcode Toolsに含まれるIcon Composerアプリケーションなどで編集することができる。
クリエータとファイルタイプ
macOSより前のClassic Mac OSファイルシステム上及びFinderでは、クリエータコードとファイルタイプという2種のコードによって、書類とアプリケーションが関係づけられていた。クリエータとファイルタイプはFinder情報に格納されている。
Mac OSには、リソースフォークと呼ばれる、特有のファイル構造が初期から使われており、アプリケーションで使われるアイコンやメニューなどのGUI要素の定義や実行コード、文字列などのリソースを格納することができる。この仕組みにより、アプリケーション本体を再度コンパイルすることなく、表示される文字列の翻訳(ローカライズ)などの改変が可能となる。一方、ユーザから見たメリットは、多様なデータを含むアプリケーションが一つのファイルとして扱えることにある。これにより、アプリケーションの起動に必要なファイルが足りない、といった事態が起きることなく、アプリケーションのアイコンをハードディスクの好きな位置にドラッグ&ドロップでコピーするだけで、手軽にインストールすることができる。したがってMacintoshアプリケーションでは、システムへ機能拡張やフレームワークなどのインストールを必要とする場合を除いて、インストーラが用意されない場合が多い。
そして、この延長線上にあるのが、Mac OS 9において実装されたパッケージ機能である。これは、入れ子になったフォルダを単一の書類に見せかけるもので、例えば、アプリケーションとその関連書類(ヘルプファイルやテンプレート、ライブラリなど)を含むフォルダを一つのアプリケーションに見せることができ、やはり手軽に扱うことが可能になる。また、一つのアプリケーションパッケージの中に、Mac OS 9に最適化したアプリケーション(Classicアプリケーション)とmacOS向けに最適化されたCarbonアプリケーションの両方を同梱し、実行時の環境によって最適な方が起動されるようなテクニックも使われた(AppleWorksなど)。
Classic Mac OSにおけるFinderは、Macintosh向けアプリケーションのユーザインタフェースを規定している、Appleのヒューマンインタフェースガイドラインの実動するサンプルとしても見られることが多かった。すなわち、開発者にとってFinderはMacintoshユーザインタフェースの規準であった。実際、FTPソフトのNetFinderやTransmit、メールソフトのARENA Internet Mailerなどのように、Finderインタフェースに強く影響を受けたソフトも少なくない。このように、多くのソフトウェアにFinderのデザインや挙動が手本にされたことで、様々なソフト間での一貫した操作性が生まれ、これがMacintoshの使いやすさにつながったといえる。また、「Finderライクの使い勝手」という言葉は、かつてMacintoshアプリケーションの使いやすさに関する最大級の誉め言葉であった。
本来 "Mac OS 8" と呼ばれるはずだった "Copland" のFinderに予定されていた機能が多く流用され、大幅な進化を遂げたバージョン。全面的にマルチスレッド化がなされ、ファイルのコピーを複数行いながらゴミ箱を空にする、といった並行作業が可能になった。また、システム全体でのプラチナアピアランス採用に伴い、アイコンデザインが立体的なものに変更されたり、リスト表示で罫線が描画されるようになるなど、全面的なデザイン変更が行われた。Finder自体のアイコンも、従来の一体型Macintoshアイコンに、Mac OSのロゴである顔マークが付いたものに変更された。macOSにおいてFinderのアイコンがClassic Mac OSの顔マークなのはその名残である。
その他の主な新機能を以下に挙げる。
フォルダナビゲーション
アイコンをフォルダ上にドラッグしたまま一定時間待つと自動的にそのフォルダが開く機能。この操作を繰り返すことにより、深い階層のフォルダにも、あらかじめウィンドウを開いておくことなく、容易にファイルのコピーや移動ができるようになった。また、フォルダ上でクリック&プレス(ダブルクリックの2回目のクリックを押したままにする、1回半クリックとも呼ばれる)することにより、マウスポインタが虫眼鏡に変化し、ファイルをドラッグすることなく同機能を使用することもできる。なお、英語版では"Spring-loaded Folder(ばね仕込みフォルダ)"という名称であり、Mac OS X v10.2で同機能が復活した際には、"スプリングフォルダ"という訳に変更された。
macOSでは、いったんFinderの歴史はリセットされ、Carbonによる完全な新規設計に置き換わった。OSの設計思想の違いを反映し、様々な部分に「旧Finderとは違う」ところが散見される。特にMac OS X v10.0 に搭載されたものは"Finder"という名前を冠しただけの別物といった具合であったが(実際Mac OS X Public Betaでのプロセス名は"Desktop"であり、"Finder"という名称はウィンドウタイトルにかろうじて残っていただけであった)、その後Mac OS X v10.1からMac OS X v10.2にかけて旧Finderの多くの機能(スプリングフォルダ、ラベル機能など)が復活するなど、旧Finderの長所を取り入れて細かい部分の使い勝手に多くの改良が施された。
その後インタフェース面では、Mac OS X v10.3ではiTunesからサイドバーなどの機能を取り入れ、Mac OS X v10.4ではSpotlightの検索機能を統合するなど、徐々に旧Finderとは異なる方向に変化している。2007年発売のMac OS X v10.5ではiTunesやiPhoto風のインタフェースを大幅に取り入れ、Quick Lookなどのプレビュー機能を大幅に強化、メディア再生機能を導入し、従来のファイルブラウザから、メディアブラウザへの脱皮を遂げていった。
Mac OS 8における"フォルダナビゲーション"機能が"スプリングフォルダ"と名前を変えて復活した。また、既に開いているウィンドウに項目をドラッグした際に、ウィンドウが自動的に前面に出たり、移動して隠れた部分が表示される、"スプリングウィンドウ"機能も追加された。ただし、1回半クリック(前述)によるスプリングフォルダ機能は利用できない。
ローカライズドフォルダ
Mac OS Xで導入されたバンドル(前述)の仕組みを生かし、アプリケーション名やホームフォルダの中のフォルダ名が、利用中の言語で表示されるようになった。ちなみに、Terminalで見たフォルダ名はシステム本来の英語になる。