コロラド・ロッキーズ(英語: Colorado Rockies、略称: COL、ロ軍)は、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)ナショナルリーグ西地区所属のプロ野球チーム。本拠地はコロラド州デンバーにあるクアーズ・フィールド。チーム名の由来はロッキー山脈。
球団の歴史
1990年代
1991年に発足し、1992年のMLBエクスパンションドラフトを経て、1993年から参加で同年観客動員が4,483,350人でこれは大リーグ記録である。以降も、1998年まではメジャーでもトップの観客動員を記録し、2001年まではシーズン観客動員が300万人を超えるメジャー屈指の人気球団であった。1995年に現在の本拠地のクアーズ・フィールドが開場。FAで獲得したラリー・ウォーカーやMVP級のダンテ・ビシェットなどの活躍で同年には初のポストシーズン進出も成し遂げている。1997年8月にトッド・ヘルトンがメジャーデビューを果たした。
2000年代
2005年のMLBドラフト1巡目でトロイ・トゥロウィツキーを獲得した。
2006年は8月30日にトゥロウィツキーがメジャーデビューを果たした。
2007年は1995年以来のポストシーズン進出を果たす。ディビジョンシリーズを勝ち抜いてナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)に進出、10月15日に地元デンバーにてアリゾナ・ダイヤモンドバックスにシリーズ4連勝でナショナルリーグを初優勝を果たし、球団創設以来、初めてとなるワールドシリーズ進出を決めた。現制度下でのプレーオフの7連勝はこれが初めて(ポストシーズン7連勝は1976年のシンシナティ・レッズ以来31年ぶり)。しかし、ボストン・レッドソックスとのワールドシリーズでは4連敗を喫して敗退した。
2008年のMLBドラフト2巡目でチャーリー・ブラックモンを獲得した。
2009年のMLBドラフト2巡目でノーラン・アレナドを獲得した。ワイルドカードで3度目のポストシーズン進出を果たすが、ディビジョンシリーズでフィラデルフィア・フィリーズに1勝3敗で敗退した。オフの11月にマット・ホリデイとのトレードでカルロス・ゴンザレス、ヒューストン・ストリートを獲得した。
2010年代
2010年オフの11月、トロイ・トゥロウィツキーと10年1億6000年万ドルで契約延長[1]。2011年1月、カルロス・ゴンザレスと7年8000万ドルで契約延長[2]。
2011年のMLBドラフト1巡目でトレバー・ストーリーを獲得した。6月7日にはブラックモンがメジャーデビューを果たした。最終的に4位だった。
2012年は最下位だった。
2013年は4月28日にアレナドがメジャーデビューを果たした。トッド・ヘルトンが引退した。
2015年はフランチャイズプレイヤーだったトゥロウィツキーをブルージェイズへトレードした。最終的にチームからアレナドが本塁打王、打点王を獲得した。
2016年は4月4日の開幕戦でストーリーがメジャーデビューを果たした。最終的に2010年以来6年ぶりの3位に浮上。ワイルドカード争い6位につけるなど善戦したが、勝率は6年連続で5割を切った。チームからがアレナドが2年連続で本塁打王、打点王を獲得した。オフの12月にテキサス・レンジャーズからFAのイアン・デズモンドを5年総額7000万ドルで獲得した。
2017年は6月18日にアレナドがサイクル安打を達成した。最終的にブラックモンが首位打者を獲得し、OPS1.000を記録するなどMVP投票で5位に入る大活躍だった。1年契約で獲得したグレッグ・ホランドがセーブ王を獲得した。チームとしては2010年以来7年ぶりの勝率5割以上で2009年以来8年ぶりのワイルドカードを決め、4度目のポストシーズン進出を果たす。しかし、ダイヤモンドバックスとのワイルドカードゲーム(英語版)に敗れて敗退した。オフにウェイド・デービスを3年5200万ドル、ブライアン・ショウを3年2700万ドルで獲得し、ブルペンを強化した。
2018年4月、チャーリー・ブラックモンと6年1億800万ドルで契約延長[3]。この年はアレナドが38本塁打で2年ぶり3度目の本塁打王を獲得し、3年目のトレバー・ストーリーが37本塁打などを記録。その他既存戦力のカルロス・ゴンザレス、ブラックモン、ルメイユなどが強力打線を支えた。投手陣ではカイル・フリーランドが球団史上2人目の2点台防御率かつ球団記録の2.85を記録し、リーグ4位タイの17勝を挙げた。14勝のヘルマン・マルケスは230奪三振で球団記録を更新し、12勝のジョン・グレイを加えて2桁勝利投手が3人生まれた。救援ではデービスが43セーブで球団記録を更新し、チームとしては2年連続、単独では初となる最多セーブを獲得した。チーム内最高打率がリーグ10位の.297(アレナド)で、3割打者が不在であったこともあり比較的投手力で戦い抜いたシーズンとなった。162試合終了時点でロサンゼルス・ドジャースと並んで地区首位だったため、163試合目としてタイブレーカー(en:2018 National League West tie-breaker game)を敵地で戦ったものの敗れ、2年連続ワイルドカードの地区2位となった。シカゴ・カブスとのワイルドカードゲーム(英語版)に勝利し、ディビジョンシリーズに進出した。しかし、ミルウォーキー・ブルワーズとのディビジョンシリーズに3連敗のスウィープで敗退した。オフの12月21日にカブスからFAとなっていたダニエル・マーフィーを獲得した。
2019年4月、ヘルマン・マルケスと5年4300万ドルで契約延長[4]。6月13日から16日に行われた対サンディエゴ・パドレス戦(クアーズ・フィールド)の4連戦で、第1戦は9-6、第3戦は14-8でロッキーズが勝利し、第2戦は12-16、そして第4戦は13-14でパドレスが勝利。ともに2勝2敗の五分で4試合を戦い終えたが、この4試合で両チーム合わせて叩き出した計92点は1929年5月に行われたフィリーズ対ドジャースの88得点を抜き、MLBの歴史の中で4連戦で生まれた史上最多得点となった[5]。また、第1戦は共に13安打ずつの計26安打、第2戦は延長12回までもつれ、ロッキーズが18安打の計39安打、第3戦は19安打の計32安打、第4戦は19安打の計34安打。4試合連続で両チームともに2桁安打を記録し、計131安打が乱れ飛び、歴史に残る大乱打戦シリーズとなった[6][7]。
2020年代
2020年はシーズン開幕前の1月17日にラリー・ウォーカーが現役時代に身につけた背番号「33」が永久欠番とされることが発表された[8]。1月21日にはウォーカーが球団史上初となるアメリカ野球殿堂入りを果たした[9]。シーズンではCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなり、開幕直前の7月、共に中継ぎで3年契約の最終年だったジェイク・マギーとブライアン・ショウを放出した[10]。ストーリーが盗塁王を獲得した。
2021年はシーズン開幕前の2月1日にフランチャイズプレイヤーだったアレナドをカージナルスへトレードした。シーズンでは7月4日に地元開催のオールスターゲームながら選手間投票でヘルマン・マルケスが唯一チームから選出された[11]。C.J.クロンが8月のプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞した[12]。シーズン終了直後の10月、アントニオ・センザテラと5年5050万ドル、C.J.クロンと2年1450万ドルでそれぞれ契約延長[13]。11月、エリアス・ディアス3年1450万ドルで契約延長[14]。デビュー以来攻守の要だったトレバー・ストーリーは残留の意思がほとんどなく[15]、FAでボストン・レッドソックスへ移籍した。
2022年開幕前の3月、サンフランシスコ・ジャイアンツからFAのクリス・ブライアントを7年総額1億8200万ドルの大型契約で獲得した。ライアン・マクマホン6年総額7000万ドルで契約延長[16]。開幕後の4月、カイル・フリーランドと5年6450万ドルで契約延長[17]。
チームの特徴
プロスポーツチームとしてはかなり異色の存在で、チームとしてキリスト教信仰を重視しており、ロッカールームやトレーニングルームからは俗世的な雑誌は排され、スポーツ雑誌などの他に聖書が置かれている。壁には聖書からの引用文などが掲げられ、日曜日にはチームで礼拝も行われる(任意参加)[1]。
標高1600mと高地にあり、パークファクターの各指標値が高く、打球の飛びやすいクアーズ・フィールドを本拠地としているため、極端な打高投低のチームといえる。アンドレス・ガララーガ、ダンテ・ビシェット、ラリー・ウォーカー、ビニー・カスティーヤによる「ブレイク・ストリート・ボンバーズ(The Blake Street Bombers)」、トッド・ヘルトンやマット・ホリデイ、トロイ・トゥロウィツキー、カルロス・ゴンザレス、マイケル・カダイアー、ジャスティン・モルノー、ノーラン・アレナド、DJ・ルメイユ、チャーリー・ブラックモン、クリス・ブライアントなどの強打者が多く、1993年以来、首位打者11回、本塁打王6回、打点王9回をロッキーズの選手が受賞している(2018年シーズン終了時点)。シルバースラッガー賞の受賞者も多い。その反面、チーム防御率は毎年のように5点台を記録するなど散々な状況であり、投手部門での主要タイトルの受賞者は2016年まで一人もいない状況が続いていたが、2017年にはグレッグ・ホランドがセーブ王を獲得した。
選手名鑑
現役選手・監督・コーチ
コロラド・ロッキーズ ロースター
|
40人ロースター
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監督・コーチ/他
|
投手
|
|
捕手
内野手
外野手
指名打者
|
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監督
コーチ
60日故障者リスト
|
アメリカ野球殿堂表彰者
永久欠番
意図的に使用されていない番号
歴代監督
代 |
監督 |
期間 |
試合 |
勝利 |
敗戦 |
勝率 |
PS |
NL |
WS
|
1 |
ドン・ベイラー |
1993-98 |
909 |
440 |
469 |
.484 |
1 |
0 |
0
|
2 |
ジム・リーランド |
1999 |
162 |
72 |
90 |
.444 |
0 |
0 |
0
|
3 |
バディ・ベル |
2000-02 |
346 |
161 |
185 |
.465 |
0 |
0 |
0
|
4 |
クリント・ハードル |
2002-09 |
1159 |
534 |
625 |
.461 |
1 |
1 |
0
|
5 |
ジム・トレーシー |
2009-12 |
602 |
294 |
308 |
.488 |
1 |
0 |
0
|
6 |
ウォルト・ワイス |
2013-16 |
648 |
283 |
365 |
.437 |
0 |
0 |
0
|
7 |
バド・ブラック |
2017- |
547 |
275 |
272 |
.502 |
2 |
0 |
0
|
代 |
監督 |
期間 |
試合 |
勝利 |
敗戦 |
勝率 |
PS |
NL |
WS
|
PSはポストシーズン進出、NLはナショナルリーグ制覇、WSはワールドシリーズ制覇。
(数字は2020年シーズン終了時)
歴代所属日本人選手
チーム記録
通算記録
※2019年シーズン終了時点。
シーズン記録
- 打率: .379 (1999年)、ラリー・ウォーカー (Larry Walker)
- 本塁打: 49 (2001年)、トッド・ヘルトン (Todd Helton)
- 打点: 150 (1996年)、アンドレス・ガララーガ (Andrés Galarraga)
- 盗塁: 68 (2008年)、ウィリー・タベラス (Willy Taveras)
- 勝利: 19 (2010年)、ウバルド・ヒメネス (Ubaldo Jiménez)
- 奪三振: 230 (2018年)、ヘルマン・マルケス (German Marquez)
- 防御率: 2.85 (2018年)、カイル・フリーランド (Kyle Freeland)
- セーブ: 43 (2018年)、ウェイド・デービス (Wade Davis)
※2019年シーズン終了時点
傘下マイナーチーム
脚注
関連項目
外部リンク
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ワールドシリーズ敗退(1回) | |
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リーグ優勝(1回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | |
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