ランドスケイプ (Landscape) は、イングランドのシンセポップ・バンドで、1981年のヒット曲「アインシュタイン・ア・ゴーゴー (Einstein a Go-Go)」と「ノーマン・ベイツ (Norman Bates)」によって最もよく知られている。1975年にロンドンで結成された[2]。このバンドは、1970年代半ばから後半にかけて、定期的にツアーをおこない、ロック、パンク、ジャズを演奏した。このバンドは、2枚のインストゥルメンタルのEP盤を、自前のレーベルであるイベント・ホライズン (Event Horizon) で制作して発表していた。彼らは、1970年代の遅い時期から1980年代初めにかけて、コンピュータ・プログラムによる音楽や電子ドラムの実験を始めており、登場しつつあったシンセポップのジャンルでレコードを作っていた。
結成
ランドスケイプは、リチャード・ジェームズ・バージェス(英語版)(ドラムス、コンピュータ・プログラミング、シンセサイザー、ボーカル)、クリストファー・ヒートン (Christopher Heaton)(キーボード・シンセサイザー、ピアノ、ボーカル)、アンディ・パスク(英語版)(フレッテッドベース、フレットレスベース、ベース・シンセサイザー、ボーカル)、ピーター・トムス(トロンボーン、エレクトリック・トロンボーン、ボーカル)、ジョン・L・ウォルターズ(英語版)(リリコン、ソプラノ・サックス、アルト・フルート、コンピュータ・プログラミング、シンセサイザー、ボーカル)によって結成された[2]。バンド結成に続いて、ライブ演奏やツアー、インディーズ・レーベルのイベント・ホライズンの立ち上げが行われ、このレーベルから2枚のEP盤がリリースされた[2]。その後、RCAレコードとの契約を経て、デビュー作となるスタジオ・アルバム『ランドスケイプ (Landscape)』が1979年にリリースされた[2]。これに続いた、1981年に次のスタジオ・アルバム『火星のティー・ルームより... (From the Tea-rooms of Mars ....)』には、全英シングルチャートの5位に入るヒットとなった「アインシュタイン・ア・ゴーゴー」と「ノーマン・ベイツ」が収録された[2]。彼らの3枚目のスタジオ・アルバムは1982年の『マンハッタン・ブギ・ウギ (Manhattan Boogie-Woogie)』[2]。このアルバムのリリース後、ヒートンとトムスはバンドを脱退した[3]。
ランドスケイプ III
ランドスケイプにとって、3枚目にして最後のスタジオ・アルバムとなった『マンハッタン・ブギ・ウギ』のリリース後、バンドは、バージェス、パスク、ウォルターズのトリオ(英語版)編成となった[2]。バンド名は、ランドスケイプ III (Landscape III) と改められ、メンバーたちはシングル盤「So Good, So Pure, So Kind」と「You Know How to Hurt Me」をリリースした[4]。このトリオは、1984年に解散し、メンバーたちはその後別々のキャリアを歩むことになった[2]。
後年のキャリア
バージェス[5]、ヒートン、ウォルターズ[6]は、それぞれ音楽プロデュースの仕事に進んだ。ウォルターズは、1992年にローレンス・アストン (Laurence Aston) とともに、CDジャーナル『Unknown Public』の共同創刊者となり[7]、執筆者、編集者として幅広く活動した。彼は1999年以降には『Eye』の編集者となり、2008年からは、共同所有者となった[8]。パスクは、スタジオ・ミュージシャンとして働き、ITVの長寿番組『The Bill』の主題歌を共作した[9]。トムスは後に、トーマス・ドルビーの2枚目のスタジオ・アルバム『地平球 (The Flat Earth)』(1984年)に参加し、この年のドルビーのツアーにも参加してトロンボーンを演奏した。彼はまた、音楽家ユニオン(英語版)のイギリス本部のスタッフも務めた[10]。
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
[11]
シングル
年 |
シングル |
UK
|
1979 |
"Japan" |
–
|
1979 |
"Sonja Henie" |
–
|
1980 |
"European Man" |
–
|
1981 |
"Einstein a Go-Go" |
5
|
1981 |
"Norman Bates" |
40
|
1981 |
"European Man" (reissue) |
76
|
1982 |
"Eastern Girls" |
–
|
1982 |
"It's Not My Real Name" |
–
|
1983 |
"So Good, So Pure, So Kind" as 'Landscape III' |
96
|
1983 |
"You Know How to Hurt Me" as 'Landscape III' |
–
|
[11]
EP盤
- "U2XME1X2MUCH" / "Don't Gimme No Rebop" / "Sixteen" (1977) 33⅓ rpm 7" *
- "Workers Playtime" / "Nearly Normal" / "Too Many Questions (Don't Ask Me Why)" (1978) 33⅓ rpm 7"
* "U2XME1X2MUCH" は、 "You two-timed me one time too much" の略記。
いずれのEP盤も、ランドスケイプ自身のレーベルであるイベント・ホライゾンから発売された。
カセット・アルバム
- 1975: Thursday the 12th, Jaguar JS5
「ジョン・ウォルターズ・ランドスケイプ (John Walters’ Landscape)」名義によるこのアルバムは、ゴードン・ベックのカセット専門レーベルであるジャガー (Jaguar) からリリースされた[12]。
ラジオ・セッション・トラック
- "Kaptin Whorlix"
- "Gotham City"
- "Lost in the Small Ads"
- "Workers' Playtime"
1978年4月のジョン・ピールのラジオ番組『Peel Session』のために録音されたもの[13]。
脚注
外部リンク