『不協和音』(ふきょうわおん)は、大門剛明による日本の小説のシリーズ。PHP文芸文庫より2016年から刊行されている。
不当な捜査により自白を強要したとして糾弾された元刑事を父に持つ兄弟が生き別れた後、刑事と検事として再会を果たし、互いの信念をぶつけながらも共に難事件に挑むさまを描く社会派ミステリ。
2020年3月にテレビ朝日系で、田中圭主演で『ドラマスペシャル 不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事』のタイトルでテレビドラマ化された[1][2]。
概要
2016年3月7日に、PHP研究所から第1作『不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳』が文庫本で発売された[3]。短編連作形式で全5章からなる。全編書き下ろし。
2020年5月19日には、続編となる『不協和音 2 炎の刑事VS.氷の検事』が文庫本で発売された[4]。全4章、全編書き下ろし。
2021年11月4日、第3作『不協和音3 刑事の信念、検事の矜持』が文庫本で発売された[5]。全5章、全編書き下ろし。
あらすじ
登場人物
- 川上祐介(かわかみ ゆうすけ)〈32〉
- 京都府警太秦署刑事課所属。巡査部長。
- 生活課や交番勤務を経て、30歳を過ぎてから刑事になった。愚直なまでに事件と向き合う。
- 唐沢真佐人(からさわ まさと)〈31〉
- 京都地検刑事部検事。
- 東大出身で司法試験にも在学中に合格したエリート。祐介の1歳違いの実弟。21年前に父の死をきっかけに唐沢洋太郎に引き取られ養子となった。
- 大八木宏邦(おおやぎ ひろくに)
- 祐介と真佐人の父。京都府警元・刑事で、自白を取る名手だった。自白の強要で冤罪を作ったとし、バッシングを受けたことで、以前より悪かった肝臓の病気が悪化し死亡。
- 唐沢洋太郎(からさわ ようたろう)
- 元最高検検事。京都地検検事時代に宏邦と親交があり、家にも度々遊びに来ていた。
- 小寺順平(こでら じゅんぺい)
- 京都府警捜査一課の警部補。
- 関口佳成(せきぐち よしなり)〈49〉
- 京都府警捜査一課の警部補。以前は三課で窃盗犯を中心に活動しており、鉄道警察隊に所属していた経歴もある。
- 谷田部稔(やたべ みのる)
- 京都府警捜査一課の係長。
- 安田富夫(やすだ とみお)
- 太秦署の署長。昨年赴任したばかり。
- 有村秀人(ありむら ひでと)
- 太秦署の刑事課係長。
- 宇都宮実桜(うつのみや みお)
- 関西の名門、左京法律事務所の弁護士。西陣織で有名な呉服問屋の娘。
- 杉野雅文(すぎの まさふみ)
- 京都地検三席検事。自分が自白させた場合でも警察で自白したことにしてくれるため、刑事たちに評判がよい。脳梗塞で倒れた。
- 横井至(よこい いたる)
- 京都地検副部長検事。
- 西島茂(にしじま しげる)
- 殺人事件の犯人として逮捕されたが、大八木から自白を強要されたと服役中に訴え冤罪が証明され釈放された。
書誌情報
テレビドラマ
『不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事』(ふきょうわおん ほのおのけいじ VS こおりのけんじ)のタイトルで、2020年3月15日にドラマスペシャルとしてテレビ朝日系「日曜プライム」で放送[6][7]。主演は田中圭[8]。
原作では京都が舞台だが、テレビドラマでは東京に変更されている。
キャスト
スタッフ
- 原作 - 大門剛明 『不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳』(PHP文芸文庫 / PHP研究所)
- 脚本 - 髙橋泉
- 監督 - 大谷健太郎
- プロット協力 - 松本庵路
- 法律監修 - 鈴木喜久子
- 警察指導 - 石坂隆昌
- スタント - 高橋昌志
- 技術協力 - ビデオスタッフ
- 美術協力 - 東京美工
- CG - 田中貴志
- ゼネラルプロデューサー - 三輪祐見子(テレビ朝日)
- プロデューサー - 飯田サヤカ(テレビ朝日)、竹内千賀(東阪企画)
- 制作協力 - 東阪企画
- 制作著作 - テレビ朝日
脚注
外部リンク