現在ベトナム語は、専ら「チュ・クオック・グー(Chữ Quốc ngữ、𡨸國語)」と呼ばれるラテン文字表記法によって表記されている。これは、17世紀にカトリックの宣教師アレクサンドル・ドゥ・ロードが体系化し、フランスの植民地化以降普及したものである。植民地期にはチュ・クオック・グーはフランスによる「文明化」の象徴として「フランス人からの贈り物」と呼ばれたが、一方でカトリック教会は積極的にチュノムを使用しており[5]、植民地時代には金属活字も作っていた。独立運動を推進した民族主義者も後期にはチュ・クオック・グーによる自己形成を遂げた世代となり、中国との違いを強調するナショナリズム、識字率向上を通じた近代化にチュ・クオック・グーの方が有利であることなどのため、多くがチュ・クオック・グーを支持して独立後のベトナム語の正式な表記法となった。1945年の阮朝滅亡とベトナム民主共和国成立のとき、不便性と非効率性を理由に漢字やチュノムは廃止されるに至った。
現在ベトナムでは、漢字やチュノムを復活させるべき、という主張が出てきている[6]。また、経済成長と漢字に対する政策的締め付けが弱まったことから、近年は寺院などの修築・新築にあたってチュノムを用いた対聯や扁額・石碑・鐘銘を新造するところも出ているが、美的感覚・装飾的意味合いが強くチュノムが日常的な場面に復活してきているとは言えない。チュノムの復活を目指す越南漢喃復活委員会(委班復生漢喃越南 / Ủy ban Phục sinh Hán Nôm Việt Nam)という団体があり、後述のようにチュノムの標準化などを行っている。
^Hướng Dẫn Cách Dùng"...Trong "Bảng Chính", 3.993 chữ Hán Nôm Chuẩn được liệt kê trong "Bảng chữ Hán Nôm Chuẩn Thường dùng Cơ bản",..."
^Phụ Lục 1: Bảng phân phối chữ Hán Nôm theo lớp"...Các chữ Hán Nôm trong phụ lục này đều thuộc Bảng chữ Hán Nôm Chuẩn Thường dùng Cơ bản, tổng cộng là 3.993 ký tự. Các chữ Hán Nôm này chiếm khoảng 95% sự đọc và viết hàng ngày của tiếng Việt, và nên học ở giai đoạn giáo dục bắt buộc...."
参考文献
清水政明・Lê Thị Liên・桃木至朗. 1998:「護城山碑文に見る字喃について」『東南アジア研究』36 (2)