『ユダヤの花嫁』(ユダヤのはなよめ、蘭: Het Joodse bruidje, 英: The Jewish Bride)あるいは『イサクとリベカ』(蘭: Isaak en Rebekka, 英: Isaac and Rebecca)は、オランダ黄金時代の巨匠レンブラント・ファン・レインが1665年から1669年に制作した絵画である。油彩。絵画はアムステルダム市が所有しており、現在はアムステルダム国立美術館に貸与されている[2]。レンブラントを代表する傑作の1つであり、同美術館によると画家の最晩年の作品で[1]、細部が隠された背景に対して、親密な抱擁をする男女を静かに描写している。
多くの美術史家は絵画の男性に1668年にマグダレーナ・ファン・ルー(Magdalena van Loo)と結婚したレンブラントの息子ティトゥス・ファン・レイン(英語版)を見ている。1929年、ジャック・ツワルツ(Jac. Zwarts)は1662年に結婚したユダヤ人の詩人ミゲル・デ・バリオス(英語版)とアビゲイル・デ・ピナ(Abigail de Pina)と考えた。一方、マールテン・ウルフベイン(Maarten Wurfbain)は、1668年にエリザベト・ファン・スワーネンブルフ(Elisabeth van Swanenburg)と結婚したバルトロメウス・ヴァイヨン(Bartholomeus Vaillant)である可能性を示唆している。この2人は現在知られている最も古い所有者とされるクリスティアーン・エーヴェルハルト・ヴァイヨン(Christiaan Everhard Vaillant, 1746年-1829年)の先祖である[2]。
1825年、ヴァイヨンは競売で作品をロンドンの美術商ジョン・スミス(John Smith)に5,000ギルダーで売却した。このときのオークションカタログによると「アムステルダムのムッシュ・ヴァイヨンのコレクション」に由来するとある[2]。もとの所有者はおそらくクリスティアーン・エーヴェルハルト・ヴァイヨンである。ジョン・スミスはそれを1828年5月2日にロンドンのスタンレーのオークションハウスでロット番号67「エフタと彼の娘」として競売にかけた[2]。その後、作品は420ポンドで保留され、スミスは絵画を買い戻している。彼は最終的に1833年7月に画家・美術商のアルベルトゥス・ブロンズゲースト(Albertus Brondgeest)を通じてオランダのコレクター、アドリアーン・ファン・デル・フープ(英語版)に6,825ギルダーで売却した。フープが1854年に死去すると、その翌年に絵画はフープのコレクションとともにアムステルダム市に遺贈された。アムステルダム市は最初に1855年から1885年までファン・デル・フープ博物館(Museum Van der Hoop)に収蔵し、1885年6月30日にアムステルダム国立美術館に貸与した[2]。
Christopher Leslie Brown, Jan Kelch, Pieter van Thiel, Ernst van de Wetering. Rembrandt: The Master and His Workshop: Paintings. National Gallery London Publications,1991.
Jonathan Bikker, Gregor Weber, Gregor J. M. Weber. Late Rembrandt. nai010 uitgevers, 2014.