株式会社竹中工務店(たけなかこうむてん、英: TAKENAKA CORPORATION[2])は、大阪府大阪市中央区本町に本社を置く大手総合建設会社(ゼネコン)である。
概要
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江戸時代前期の1610年(慶長15年)に織田信長の元・家臣であった初代竹中藤兵衛正高が尾張国名古屋にて創業、神社仏閣の造営に携わる。やがて明治時代の到来によりヨーロッパ型の建築技術を導入すると、当時開港し都市化し始めた神戸へ進出。
スーパーゼネコン5社(大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店)の一つであり、これまでに施工した建築物は東京タワー・日本武道館や5大ドーム球場(札幌・東京・ナゴヤ・大阪・福岡)をはじめ、全国有名美術館や商業施設、さらには病院、オフィスビル、ホテルなど多岐にわたる。
大手5社の中では唯一の非上場企業[注釈 1]であり、また売上高(2014年度)の94.1%を建築が占める建築専業のゼネコンである[注釈 2]。BCS賞(建築業協会賞)をスーパーゼネコンの中でも最多受賞している。
創業は名古屋だが、設立の地が神戸ということ、現会長の竹中統一が同じ神戸の甲南大学出身ということもあり、近畿の小学校、中学校、高等学校、大学(公立・私立を問わず)の新築や増改築工事の大半が同社による設計・施工である。
創業以来、社長には常に創業家の人物が就いてきたが、2013年(平成25年)3月より宮下正裕が初めて創業家以外から社長に就任した[3]。
アトリエ系建築家の出江寛、早川邦彦、菊竹清訓、柳澤孝彦、狩野忠正、鈴木了二、有馬裕之等、同社設計部から多くの建築家を輩出している。
コーポレート・メッセージは「想いをかたちに 未来へつなぐ」。
沿革
竹中大工道具館
竹中工務店が、1984年(昭和59年)に、消えてゆく大工道具を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて後世に伝えていくことを目的に設立した日本で唯一の大工道具の博物館。詳細は「竹中大工道具館」を参照。
ギャラリーエークワッド
公益財団法人ギャラリーエークワッドが運営する、竹中工務店東京本店1階にあるギャラリー。“建築・愉しむ” をコンセプトに、2005年(平成17年)に第1回目の展覧会を開催し、2017年(平成29年)10月までに90以上を数える「建築文化の発信」をしている[7]。入場無料。
GALLERY A4と表記する。A3がArchitecture(建築)空間を表し、もう一つのAはAtmosphere(空気、雰囲気)、 Amusement(愉しみ、娯楽)、「建築」に時間ファクターを取り入れ4次元的に「愉しむ」、といったことを意味している[8]。
歴代社長
建築作品
ここでは、当社が手掛けた施工実績を中心に、特筆性の高いものだけを列記する。記述内容は施工者の視点からのものであり、手掛けた施設の役割が施工後に変更されようとも、それは二次的特徴であって、当セクションではこれを基準にして分類はしない。例えば、迎賓館赤坂離宮を現在の役割で分類すれば「公共施設」であるが、邸宅(赤坂東宮御所)として施工されたのであって、当セクションでの分類は「住居」である。また、当社は基本的には施工もしくは設計・施工を担当する業者ではあるが、必ずしもその限りではない。
- (外部リンク)“建築作品 検索”. 株式会社竹中工務店. 2021年2月24日閲覧。
- (外部リンク)“竹中工務店”. 新建築.ONLINE. 株式会社新建築社. 2021年2月24日閲覧。
- (外部リンク)“施工実績 - 竹中工務店”. 株式会社サンテーム. 2021年2月24日閲覧。
地域
- 若草町地区第一種市街地 再開発(広島県|設計・監理・施工|2010年竣工)[9]
- 日本橋二丁目地区第一種市街地 B街区 再開発(東京都|施工|全区の竣工は2019年)[10]
- 小倉駅南口東地区 第一種市街地 再開発(福岡県|設計・施工|2019年竣工)[11]
公共施設
- 登録有形文化財としての「名古屋テレビ塔」の免震改修工事は2020年8月竣工[12][13]。
空港・鉄道駅
オフィスビル
- 大阪朝日新聞社は現・朝日新聞大阪本社の前身の一つ。
- 2012年9月竣工の4代目?梅田阪急ビル(新ビル)は大林組の施工。
商業施設
- (現・シティグループ)神戸支店(現・旧居留地38番館)(1929年竣工)
- (現・明治生命館)(1934年竣工)
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スタジアム等
劇場等
テーマパーク
博物館
病院
宗教施設
ホテル
住居
学校施設
工場・研究所
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不祥事
マンション建設途中で鉄筋不足の階解体やり直し
労災隠し問題
無許可でアスベストを含むビルの解体
申告漏れ(所得隠し)の発覚
- 同社子会社の竹中土木の工事費を肩代わりして支出したことなどに関して、2008年(平成20年) - 2011年(平成23年)12月期までの3年間に亘り、約3億3,000万円の申告漏れ(うち約1億9,000万円は意図的な所得隠し)を大阪国税局から指摘されていたことが、2013年(平成25年)3月に判明した[127]。
- 2015年(平成27年)4月にも、利益率の低い工事を高い工事と付け替えることなどで所得を圧縮するなどの手口で、2010-2013年の4年間で約1億5,000万円の所得隠しを同国税局から指摘されていたことが判明している[128]。
- 2017年(平成29年)4月には、同社の元従業員による建設工事費の着服を巡って、2015年12月期までの5年間で約4,600万円の所得隠しを同国税局から指摘されていたことが明らかになった[129]。
名古屋市営地下鉄東山線名古屋駅構内への雨水流入について
甲府市役所窓枠落下
- 2015年(平成27年)2月17日に同社が施工した甲府市役所の4階から窓枠(重さ約100キログラム)が落下。甲府市が独自調査したところ他にも87箇所の不具合が発覚し、3月20日に役員が甲府市役所を訪れ、市長に謝罪のうえ対応を協議した[131]。
偽装請負問題
- 同社の建築工事の現場で施工図を作成していた男性設計者が、2019年(令和元年)12月26日に大阪地方裁判所に、同社から偽装請負の状態で働かされ、監督署に申告して解雇されたのは不当だとして、同社とその子会社のTAKシステムズ、日本キャリアサーチの3社に220万円の損害賠償などを求め、提訴した。原告は従事していた当時二級建築士や1級建築施工管理技士、CAD利用技術者一級などの資格を持ち、施工図の作成や人材派遣などを手掛ける日本キャリアサーチの社員であった。訴状では原告は大阪府高槻市内の竹中工務店の現場事務所で2019年(令和元年)8月から施工図の作成業務を担当していた。竹中工務店はTAKシステムズにこの業務を委託し、さらに同社が日本キャリアサーチへ再委託していた状況で、これは請負や業務委託であって派遣契約と異なり、発注元と委託先の労働者の間に指揮命令関係が生じない。しかし竹中工務店の社員は男性に図面の修正箇所などの業務内容を詳しく指示して仕事を進めており、TAKシステムズや日本キャリアサーチの社員は現場常駐はしていなかったという。このため自身の就労状態に疑問を感じ大阪労働局に申告。大阪労働局は2019年(令和元年)8月、竹中工務店の現場事務所を調査。調査後には日本キャリアサーチ側は男性に竹中工務店との直接の派遣契約に切り替えるよう提案したが原告は変更を拒否し、設計者を日本キャリアサーチは同年10月末に解雇。その後、大阪労働局は同年11月下旬、同状況下は職業安定法44条で禁止している労働者供給に当たるとして竹中工務店とTAKシステムズを是正指導している。[132]
関連会社
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク