Dマート(ディーマート)は、かつて株式会社ダイエー及び前身の株式会社ダイエーマートが運営していたディスカウントストアである。
概要
1970年代後半から日本では物不足が減少し、単に商品を並べただけでは売れなくなっていった。更に、既存店の売り上げの伸び悩みが浮き彫りとなりダイエーは新業態となるディスカウント事業参入を決めた。こうして誕生したのがDマート及びトポスである。
1980年8月にアメリカ合衆国を中心にディスカウントストアを展開していたKマートと提携を結んだのが始まりである[1][2][3]。Kマート側がダイエーに対して、ディスカウント店舗の建設やアメリカ式のオペレーション等のノウハウを供与したことで、従来のダイエー店頭価格よりも安く売ることに成功する。
同時期に誕生したトポスとは異なり、主に郊外に展開していたのが特徴で、食品関係に力を入れていたのが特徴であった。1981年4月に開業した1号店のDダイエー草加店(旧ダイエー草加店)を皮切りに次々と出店しトポスやバンドールともにディスカウント事業の中核をなしていた。Dダイエーは草加店しか使用されず後にDマートに名称変更した。
かつて西葛西店も一時的にディスカウント業態でDダイエーを名乗っていたが関係性は不明である
1978年の新聞広告にダイエー港南台(ディーマート)という記載があったがこちらも関係性は不明である
1987年9月1日には、現存していたDマート3店をダイエーに吸収[4]、1988年に、運営子会社「ダイエーマート」清算し[5]、赤字の肩代わりを行って営業を進めてきた。長らく、数店舗のみの出店であったが忠実屋との合併を機に既存店をDマートに大量転換した[6]。
しかし、ダイエーの経営再建の中で、閉店あるいはダイエーへの業態転換が進められ、2007年3月8日に最後まで残っていた1号店のDマート草加店がダイエーへ転換された事に伴い、Dマートは消滅した。
存在していた店舗
※印はダイエーからDマートに、その後ダイエーに再度転換された店舗。
栃木県
埼玉県
- 草加店(埼玉県草加市氷川町)(現・ダイエー草加店)(ダイエー→Dダイエー→Dマート→ダイエー)※ 2011年1月に改築のため一旦閉店。2012年4月に(2代目)ダイエー草加店が開業。
- 草加市草加にあったダイエー草加店(旧・忠実屋)とは別。
- 同じ幸手市内にはマルエツが主体となって開発した「エムズタウン幸手」が2005年12月8日にオープンしている。
千葉県
東京都
- 赤羽店(東京都北区)(旧・忠実屋、ダイエー赤羽北本通り店→イオン赤羽北本通り店)改築のため2020年5月に一旦閉店、2023年にイオンスタイル赤羽が開業
神奈川県
愛知県
大阪府
- 金岡店(大阪府堺市北区)(ダイエー→Dマート→建物存続→レインボー金岡)
兵庫県
脚注
注釈
出典
- ^ 日本経済新聞 1980年6月15日 1面 ダイエー 米のKマートと提携 ダイエーが発表より
- ^ 日本経済新聞 1980年8月8日 夕刊1面 ダイエーとKマート 提携に正式調印より
- ^ 日本経済新聞 1980年6月16日 夕刊1面 米国のKマートと提携 ダイエーが発表より
- ^ 日経流通新聞 9月5日 ダイエー、Dマート3店吸収 グループの収益UPより
- ^ 日経流通新聞 5月11日 ダイエー、Dマート吸収 来年2月までに 赤字肩代わりより
- ^ 岩淵明男「ダイエー 中内功の物価2分の1革命(オーエス出版社)」P67-73
- ^ Dマート花北店旧店舗を遊技場などへ用途変更 地元自治会など反対/播磨・姫路 2002.12.03 毎日新聞
- ^ Dマート花北店跡/パチンコ店進出計画/姫路市が申請受理/近隣住民に反発も2002.12.03 朝刊 24頁 姫路 神戸新聞
関連項目
外部リンク