ヒョウモンシチメンチョウ (豹紋七面鳥、Meleagris ocellata ) はキジ科 に属する鳥の一種。かつては単型 の Agriocharis 属とされていたが、シチメンチョウ と遺伝的に非常に近いことが分かり、現在では同属とされる。比較的大きい鳥で、全長70–122 cm、体重は雌で3 kg、雄で5 kgになる。
主にユカタン半島 に分布し、メキシコ ・グアテマラ ・ベリーズ にまたがる130,000 km2 の地域で確認されている。狩猟や生息地破壊によって数を減らしており、現在の個体数は50,000羽以下と見られている。また、ベリーズの個体数は多いが、メキシコ領内ではほぼ絶滅していると考えられる[ 1] 。
形態
羽毛は雌雄共に、ブロンズから緑の構造色 を示す。雌の体色はより緑が強い。シチメンチョウでは雄の胸部羽毛が逆立ち、中央から長い毛が生えるが、本種ではそのような特徴はない。尾羽は青灰色で、先端近くにクジャク のような青-青銅色の眼状紋があり、末端は金色である。この眼状紋 (ocelli ) は学名・英名の由来となっている[ 2] 。雨覆羽・翼帯は構造色を持ち、風切羽以外は北米のシチメンチョウに似る。次列風切の縁は白い。
頭部は青く、赤-橙の結節 がある。この結節は雄でよく発達する。雄はさらに青い鶏冠を持ち、これも結節で覆われる。繁殖期にはこの鶏冠は肥大し、朱色になり良く目立つ。眼の周囲は赤く、繁殖期の雄はこれも鮮やかになる。脚は暗赤色で、シチメンチョウより短くて細い。1歳を超えた雄には蹴爪が発達する。通常は4 cm程度だが、6 cmの記録がある。これはシチメンチョウより長くて細い[ 3] 。
体はシチメンチョウと比べて小さく、雌は産卵前で4 kg、それ以外の時期では3 kg程度。雄は繁殖期には5-6 kgとなる[ 4] 。
行動
19世紀に描かれた雄
主に地上性であり、危険からは走って逃げるが、必要な場合には短距離 を素早く飛ぶことも可能である。樹上で群れを作って寝るが、これはジャガー などの捕食者を避けるためである。
雌は地上に隠された巣に、8–15個ほどの卵を産む。孵化には28日ほどかかるが、雛は離巣性 である。雛は母親に付き従うが、若鳥になると別の個体と群れを作る[ 4] 。
Branton and Berryhill (2007) によると、本種の雄の鳴き声は北米 のシチメンチョウとは少し異なり、首を立て、音量を上げながら6-7回の短い声を発する、というようなものである。また、北米のシチメンチョウのように、夜明けの20-25分前に鳴き始めることが知られる。
脚注
^ a b BirdLife International (2012). "Meleagris ocellata" . IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1 . International Union for Conservation of Nature . Database entry includes a range map and a brief justification of why this species is near threatened.
^ James G. Dickson. The Wild turkey: biology and management. National Wild Turkey Federation (U.S.), United States. Forest Service. Stackpole Books, 1992. ISBN 0-8117-1859-X
^ “Ocellated Turkey in NWTF ”. 2012年11月23日 閲覧。
^ a b Maurice & Robert Burton (2002). The International Wildlife Encyclopedia. 3rd edition. Marshall Cavendish Corporation, p. 2786. ISBN 0-7614-7274-6 .
Branton, Scott, and Ray Berryhill (2007). Pavo! Pavo! The Odyssey of Ocellated Turkey Hunting . Mississippi State, Miss.: Branton Berryhill Publishers.
外部リンク