尼崎センタープール前駅(あまがさきセンタープールまええき)は、兵庫県尼崎市水明町にある、阪神電気鉄道本線の駅。駅番号はHS 11。
尼崎競艇場の最寄り駅[1]。なお、駅名にある「センタープール」とは競艇場の競走池のことであり、水泳用のプールの意味ではない。
歴史
駅構造
単式・島式ホーム3面4線を有する高架駅で、駅コンコースから尼崎競艇場正門前まで、ファンロードと呼ばれる屋根付きの歩道橋が整備されている[1]。
通常は島式ホーム2面4線のみ使用され、上りホームとともに1番線を挟む形で単式ホームが配置されている。単式ホームは尼崎競艇開催時の臨時降車ホームとして設けられたが[1]、現在は使用されていない。
当駅では競艇場に入場せずホームからレース観戦をさせないようにするため、北側の臨時ホームの壁には明かりの窓は最上部に一列のみ設けられている(南側の壁には3段の窓が設けられている)。
当駅には優等列車は停車しないが、かつては快速急行・急行が臨時停車していたことがあったため、駅高架化の際にホームに発車案内標が設置された。当初の発車案内標は、阪神全駅の中で最後まで使用された3色LEDのものであったが、現在はフルカラーのものに交換されている。
かつて自動放送は固定音声タイプであったが、2006年頃に更新され特急・急行通過駅では大石駅とともに詳細放送導入駅となっている。その後、他駅と同様2009年1月下旬に音声を更新している。
のりば
- 内側2線(2番線と3番線)が主本線、外側2線(1番線と4番線)が待避線であり、後者は普通列車用の乗車位置しか設置されていない。
- ホーム有効長は阪神車両8両編成分だが、1番線向かいの臨時ホームは6両編成分。近畿日本鉄道車両の快速急行臨時停車対応として「近6」停止位置目標を設置している。ただし、乗車位置表示は他駅と違い赤いテープが貼られているのみである。
- 当駅で優等列車を待避する普通は上り・下りともに多く、特に4番線は早朝以外は終日使用されている。一方、1番線は朝〜夕方までは普通が待避で使用するが、夜間は武庫川線用編成による回送が待避で使用する程度。
尼崎センタープール前駅配線略図
← 梅田方面 |
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→ 三宮・元町方面 |
凡例
出典:[1][4] |
利用状況
2019年(令和元年)次の1日平均乗降人員は10,721人である。
近年の1日平均乗車・乗降人員数は下表の通り。
年次
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1日平均 乗降人員 |
1日平均 乗車人員
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出典
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2001年(平成13年)
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8,279
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4,195
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[5]
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2002年(平成14年)
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7,746
|
3,944
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[5]
|
2003年(平成15年)
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7,506
|
3,796
|
[5]
|
2004年(平成16年)
|
7,383
|
3,742
|
[5]
|
2005年(平成17年)
|
7,682
|
3,472
|
[5]
|
2006年(平成18年)
|
6,729
|
3,416
|
[6]
|
2007年(平成19年)
|
6,992
|
3,515
|
[7]
|
2008年(平成20年)
|
7,762
|
3,903
|
[8]
|
2009年(平成21年)
|
7,673
|
3,861
|
[9]
|
2010年(平成22年)
|
7,459
|
3,775
|
[10]
|
2011年(平成23年)
|
7,421
|
3,754
|
[11]
|
2012年(平成24年)
|
7,742
|
3,902
|
[12]
|
2013年(平成25年)
|
9,124
|
4,573
|
[13]
|
2014年(平成26年)
|
10,739
|
5,357
|
[14]
|
2015年(平成27年)
|
10,116
|
5,053
|
[15]
|
2016年(平成28年)
|
9,475
|
4,746
|
[16]
|
2017年(平成29年)
|
9,655
|
4,851
|
[17]
|
2018年(平成30年)
|
9,584
|
4,829
|
[18]
|
2019年(令和元年)
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10,721
|
5,383
|
[19]
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駅周辺
1994年に高架化されるまでは、駅北側に小広場があり、競艇開催時にはホルモン屋やテキヤ、当て物屋など、多数の露天商が店を出していた。
バス路線
阪神バス尼崎市内線[注釈 2]
「阪神センタープール」または「尼崎競艇場」停留所(南行は「阪神センタープール」が最寄、北行は「尼崎競艇場」が最寄)
その他
- 駅名のうち「センタープール」の由来について、俗説として駅開設当時は尼崎競艇場で3・4号艇、競艇用語で「センター」が強かったことにあやかったというものがあるが[20]、『尼崎競走場40周年誌』によれば「尼崎競艇場を核として快適な街をつくっていくという意気込みが示されたもの」として当時の市長によって命名されたものであるという[21]。
- かつて尼崎競艇開催日に限り、16時前後から17時前後(競艇の最終レース直後)にかけて、上りの近鉄奈良行き快速急行[注釈 4]と大阪梅田行き急行が臨時停車していたことがあったが、のちに土曜・休日の快速急行の殆どが8両化し、近鉄車による8両編成では駅のホーム長を超える165mほどの長さになるため現在は快速急行・急行ともに臨時停車は行われていない。また、大阪梅田駅発の急行についてもかつては開催日の10時頃から12時頃までの間で臨時停車が実施されていたが、2009年3月のダイヤ改正で中止された[注釈 5]。なお、下りの臨時停車の中止後も、尼崎競艇場でのSG競走開催期間中に限り、近鉄奈良方面からの快速急行とともに午前中の臨時停車が実施されたことがあった(2009年のダービーや2011年の笹川賞競走の開催期間中)。
- 駅西方の高架下には阪神電気鉄道の研修所である「都市交通事業本部運輸部教習所」があり、ここには野上電気鉄道から返還された戦前製の小型車である601形604号車、1141形1150号車が保存されている。特に604号車は大正期の電車に多く採用された、前面が半円形で5枚窓という車体形状を伝える貴重な車両となっている。また、1150号車は阪神の小型車に多く採用された幕板部の明かり取り窓が特徴となっている[22]。
- 本線開業110周年記念日の2015年4月12日、研修所の一部を改修し、子供向け体験型学習施設「阪神電車まなび基地」[23]がオープンした。親子見学会及び小学校などからの団体専用で一般の入場はできない。運転シミュレーターのある教習所、踏切設備、604・1150号車のほか、隣接の高架下野菜工場「阪神野菜栽培所」も無料で見学できる。また研修所としても引き続き使用される。
- 高架工事中の仮線における配線は、中央に通過線、その両脇の待避線に相対式ホームを配した「新幹線型」とも呼ばれる2面4線(阪急六甲駅や近鉄瓢箪山駅と同じ)構造だった(後にも先にも、阪神電鉄でこの構造を配した駅は、仮線での当駅だけである)。
- 1998年に販売されたPC用ソフト『Train Simulator』の阪神電気鉄道編で、普通電車は当駅からゲームスタートとなっている。
- 当駅には尼崎競艇場の公式キャラクターのカエルが、改札機に描かれている。5台ある内の2台である。
隣の駅
- 阪神電気鉄道
- 本線
- ■直通特急・■特急・■区間特急・■快速急行・■急行・■区間急行
- 通過
- ■普通
- 出屋敷駅 (HS 10) - 尼崎センタープール前駅 (HS 11) - 武庫川駅 (HS 12)
脚注
注釈
- ^ 敷地は、古河電気工業尼崎工場が建っていた場所となる。
- ^ 旧尼崎市交通局の路線。
- ^ 2014年2月までパナソニックPDP前と称した。同社工場閉鎖により改称。
- ^ 2009年3月20日のダイヤ改正で、日中の急行の半数が阪神なんば線直通の快速急行に置き換えられたため、快速急行も臨時停車の対象となった。
- ^ 野田駅には「競艇場来場者は尼崎で普通列車に乗り換え」の案内の貼り紙が掲出されている。かつては大阪梅田駅にも同様の貼り紙があったが、駅改良工事でなくなった。
出典
関連項目
外部リンク
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(大阪梅田 - 元町間:本線、元町 - 西代間:神戸高速線) |
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1933年路線切替区間 | |
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*打消線は廃駅 |