さいたま新都心駅(さいたましんとしんえき)は、埼玉県さいたま市大宮区吉敷町四丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
2000年(平成12年)5月5日のさいたま新都心の街びらきに先立って開業した。業務地区としてのさいたま新都心は中央区と大宮区にまたがって整備されており、駅施設も両区(中央区大字上落合と大宮区吉敷町)にまたがっているが、駅の所在地は、東側の大宮区側の名称を用いている。なお、町名としての新都心は地区内の西側(中央区)に位置する。
乗り入れ路線
乗り入れている路線は、線路名称上は東北本線1路線のみであるが、当駅には電車線を走る京浜東北線電車、および中距離電車である宇都宮線・高崎線(隣の大宮駅から分岐)の列車が停車し、旅客案内ではそれぞれ別路線として案内されている。なお、宇都宮線・高崎線の列車は列車線で運行される上野駅発着列車と、上野駅・東京駅を経由して東海道線に直通する上野東京ラインが停車する。新宿駅を発着する湘南新宿ラインや武蔵野線直通列車などは、旅客ホームが設置されていない東北貨物線上を経由するため全列車が停車しない。このため、池袋駅・新宿駅・渋谷駅方面へ移動する場合は浦和駅・赤羽駅または田端駅で、湘南新宿ライン・埼京線または山手線への乗り換えが必要となる。
歴史
駅構造
東北本線の電車線と列車線それぞれの上下線間に1面2線、合計2面4線の島式ホームが配置された地上駅で、橋上駅舎を有している。1階がホーム、2階がコンコースと自由通路、駅事務室、3階が駅事務室となっている[5]。
建物の設計は、埼玉県狭山市出身の建築家である鈴木エドワードとJR東日本建築設計事務所、東日本旅客鉄道東京事務所が行っている[5]。全体のデザインとして、「雲」や「空気」のように人を包み込むようなシェルターでありたいと考え、雲の波のような柔らかく流れる形態としている[5]。東西自由通路においては「東西を結ぶ約80メートルの自由通路を柱1本も立てず23メートルの幅員を確保」という条件があったため、動線機能や幅員、高さなど様々な要素を検討した結果、最も効率的であると判断した楕円形断面(チューブ型)を用いている[5]。駅舎部と一体性を持たせるため、中央部にある改札付近においては楕円形断面を開き、コンコースやホームまで連続した屋根で駅舎機能を覆う形を採っている[5]。屋根は節電・省エネの観点や行き交う人々が光と影の変化を楽しめるようにと、多くの自然光を取り入れるため約1/3を透明ガラスとし、残りを断熱材を間に入れた折板を使用している[5]。
話せる指定席券売機・自動改札機・指定席券売機が設置されている。また、社員配置駅(管理駅)として与野駅を管理下に置く。エレベーターおよびエスカレーターはコンコースとホームを連絡する。このうち京浜東北線ホーム(1・2番線)とを結ぶエレベーターは駅事務所などがあるコンコースの上の階まで通じており、そこへは関係者以外は立入禁止となっている。
2021年2月26日に「BECK'S COFFEE SHOP」を展開するJR東日本フーズの新業態カフェ「BECK’S STATIONLOUNGE」が開業している[報道 4]。
電車線を走る京浜東北線は、大宮駅発着のすべての列車が停車する。列車線を走る宇都宮線・高崎線は普通列車のみの停車で、快速列車などは開業当初より通過している。隣接するさいたまスーパーアリーナで大規模なイベントが開催され多数の来場客が見込まれる場合でも、優等列車の臨時停車などは行われていない。
なお、列車線の隣にある東北貨物線にはホームが設けられていない。当駅付近は大宮操車場の構内となっており、貨物線は当駅4番線の西側に、貨物線上り本線、上り待機線3本、中線2本、下り本線、下り待機線4本が並んでおり、上下本線が大きく離れ、待機線に囲まれているため、当駅開業当初より貨物線ホーム設置計画はない。そのため、貨物線経由の湘南新宿ラインおよび武蔵野線直通列車(八王子・海浜幕張発着)は当駅には発着できないため、当駅を(通過ではなく)経由しない系統として扱われている(旅客案内では省略されるが、大宮操車場経由となる)。事故や工事の際は、川口駅の渡り線を利用して、本来旅客線を走行する列車(上下とも可)が川口駅 - 大宮駅間で貨物線へ迂回(うかい)運転をすることがあるが、この場合は当駅には停車しない。逆に、貨物線から旅客線への迂回運転(下りのみ可能)の際は列車は当駅4番線を通るが、当駅は本来の停車駅ではないため停車しない。
のりば
方面表記および路線表記は、JR東日本の「駅構内図」の記載に準拠している。
(出典:JR東日本:駅構内図)
-
東西自由通路(2015年11月)
-
改札口(2021年7月)
-
切符売り場(2022年12月)
-
1・2番線ホーム(2021年7月)
-
3・4番線ホーム(2021年8月)
発車メロディ
利用状況
2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員は49,332人で[JR 1]、JR東日本管内の駅では亀戸駅に次いで83位。さいたま市内のJR駅では、ターミナル駅で事実上の市中心駅である大宮駅や、県庁舎最寄駅の浦和駅、中距離列車の停車しない南浦和駅よりも少ないが、さいたま新都心の開発に伴って利用者は年々増加しており、2016年度に5万人を超えた。
さいたま新都心付近、特にさいたまスーパーアリーナでのイベント開催時には非常に混雑する。大規模イベント開催日には、イベント前から、帰りの切符購入・カードへのチャージを呼び掛ける放送が構内に響き、終了後には、各ホームに安全・警備のための係員が増員される。また、列車発車時には客扱終了合図の取り扱いも行われる。
開業以来の1日平均乗車人員は下表のとおりである。年度全体の乗車人員を365(閏日が入る年度は366)で除して1日平均乗車人員を求めており、計算で生じた小数点以下の値は切り捨てているため、定期外と定期の和は必ずしも合計と一致しない。
年度別1日平均乗車人員[統計 1][統計 2][統計 3]
年度
|
1日平均乗車人員
|
出典
|
定期外 |
定期 |
合計
|
2000年(平成12年)
|
7,477 |
7,555
|
[JR 2]15,033
|
[埼玉県統計 1]
|
2001年(平成13年)
|
8,574 |
10,359
|
[JR 3]18,935
|
[埼玉県統計 2]
|
2002年(平成14年)
|
10,663 |
12,507
|
[JR 4]23,171
|
[埼玉県統計 3]
|
2003年(平成15年)
|
11,315 |
14,046
|
[JR 5]25,362
|
[埼玉県統計 4]
|
2004年(平成16年)
|
14,347 |
16,553
|
[JR 6]30,901
|
[埼玉県統計 5]
|
2005年(平成17年)
|
16,625 |
19,248
|
[JR 7]35,874
|
[埼玉県統計 6]
|
2006年(平成18年)
|
17,621 |
20,505
|
[JR 8]38,127
|
[埼玉県統計 7]
|
2007年(平成19年)
|
16,869 |
21,679
|
[JR 9]38,548
|
[埼玉県統計 8]
|
2008年(平成20年)
|
16,940 |
22,420
|
[JR 10]39,361
|
[埼玉県統計 9]
|
2009年(平成21年)
|
16,902 |
22,541
|
[JR 11]39,443
|
[埼玉県統計 10]
|
2010年(平成22年)
|
16,201 |
22,888
|
[JR 12]39,090
|
[埼玉県統計 11]
|
2011年(平成23年)
|
16,926 |
23,324
|
[JR 13]40,251
|
[埼玉県統計 12]
|
2012年(平成24年)
|
[JR 14]17,594 |
[JR 14]23,560
|
[JR 14]41,155
|
[埼玉県統計 13]
|
2013年(平成25年)
|
[JR 15]18,117 |
[JR 15]24,017
|
[JR 15]42,135
|
[埼玉県統計 14]
|
2014年(平成26年)
|
[JR 16]19,573 |
[JR 16]24,093
|
[JR 16]43,667
|
[埼玉県統計 15]
|
[備考 1]2015年(平成27年)
|
[JR 17]21,901 |
[JR 17]26,469
|
[JR 17]48,371
|
[埼玉県統計 16]
|
2016年(平成28年)
|
[JR 18]22,511 |
[JR 18]27,558
|
[JR 18]50,069
|
[埼玉県統計 17]
|
2017年(平成29年)
|
[JR 19]24,846 |
[JR 19]29,408
|
[JR 19]54,255
|
[埼玉県統計 18]
|
2018年(平成30年)
|
[JR 20]25,211 |
[JR 20]30,339
|
[JR 20]55,551
|
[埼玉県統計 19]
|
2019年(令和元年)
|
[JR 21]24,507 |
[JR 21]31,275
|
[JR 21]55,782
|
[埼玉県統計 20]
|
2020年(令和02年)
|
[JR 22]12,098 |
[JR 22]27,186
|
[JR 22]39,284
|
[埼玉県統計 21]
|
2021年(令和03年)
|
[JR 23]16,514 |
[JR 23]27,169
|
[JR 23]43,683
|
|
2022年(令和04年)
|
[JR 1]21,124 |
[JR 1]28,208
|
[JR 1]49,332
|
|
- 備考
- ^ 2015年3月14日のダイヤ改正で上野東京ラインが開業。
駅周辺
東口(大宮区側)と西口(中央区側)で趣が異なる。当駅開業以前より東口にはカタクラパーク(イトーヨーカドー大宮店ほか専門店)があり、大規模な再開発を行う形でコクーンシティが誕生した。
2021年2月、さいたま市は「新庁舎整備等基本構想」に基づくさいたま市役所の本庁舎の移転整備について、2031年度を目途にさいたま新都心駅東口を最寄りとしたさいたま新都心バスターミナルほか街区への移転整備を発表した。さらに、2022年4月22日の清水勇人市長による定例会見で、さいたま市議会に対し「4月臨時会」を同年4月28日に招集し、上記の内容を記した条例の改正案を「市長提出議案」として上程することが発表され、当日の深夜(日付をまたいだ4月29日未明)、本議案が特別多数議決に要する議長も含む出席議員の3分の2以上の賛成を以て可決された。
さいたま新都心駅付近空中写真(1974年撮影 国土交通省国土画像情報オルソ化空中写真より)。かつての大宮操車場。
さいたま新都心駅およびさいたまスーパーアリーナを南方から空撮
東口
西口
バス路線
東口
国際興業バス・東武バスウエスト・日本中央バス・平成エンタープライズが運行する路線が発着する。
- 1番のりば
- 2番のりば
- 5番のりば
- 6番のりば
- 7番のりば
西口
AT LINER・京成バス・国際興業バス・桜交通・西武観光バス・西武バス・東京空港交通・東武バスウエスト・千葉交通が運行する路線が発着する。
- 1番のりば
- 2番のりば
- 国際興業バス
- 新都01:北浦和駅西口
- 新都01-2:陣屋
- 新都02:白鍬電建住宅
- 3番のりば
- 京成バス・国際興業バス・西武バス・千葉交通・東武バスウエスト
- 国際興業バス・西武観光バス・東京空港交通
- NTTドコモビル前
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
宇都宮線(東北線)・高崎線・上野東京ライン
- ■快速「ラビット」「アーバン」
- 通過
- ■普通
- 浦和駅 (JU 05) - さいたま新都心駅 (JU 06) - 大宮駅 (JU 07)
京浜東北線
- ■快速・■各駅停車
- 大宮駅 (JK 47) - さいたま新都心駅 (JK 46) - 与野駅 (JK 45)
脚注
記事本文
注釈
- ^ 成田行は早朝2本のみ停車。成田発は全便停車[9]。
- ^ 羽田行は早朝3本と夕方以降の2本のみ停車。羽田発は全便停車[10]。
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
- JR東日本の2000年度以降の乗車人員
- 埼玉県統計年鑑
参考文献
関連項目
外部リンク
|
---|
(大宮 - 東京間 : 東北本線、東京 - 横浜間 : 東海道本線、横浜 - 大船間 : 根岸線) |
|