京橋エドグラン(きょうばしエドグラン、KYOBASHI EDOGRAND)は、東京都中央区京橋二丁目の東京駅・京橋駅・宝町駅に近接する旧京ビル等の跡地に建設された市街地再開発事業の複合市街施設。オフィス・商業施設・公共公益施設等が入居。2016年(平成28年)11月25日に開業。
概要
京橋エドグランは、立地的には東京駅より徒歩5分、東京メトロ銀座線の京橋駅に直結した好立地にある。再開発は、建物の老朽化等の課題を背景にして、権利者50余名により2001年(平成13年)「まちづくり検討会」が発足、そこから、約15年間の歳月を必要とした。再開発の特徴としては、開発区域内にある歴史的建造物の明治屋京橋ビル(区指定有形文化財)を保存し活用すること、区域内にある区道を廃道し歩行者用の貫通道路を設けたことである。建物は、新たに建てる「再開発棟」と「歴史的建造物棟(改築)」の2棟で構成されている。
本建物は、低層階に主に飲食店30店舗等の商業施設が入居し、その上層階は賃貸事務所とし、その他、中央区の帰宅困難者一時滞在施設の指定を受け、数千人を3日間受入れ可能な施設がある。構造的には、超高層ビルでは事例の少ない中間層免震構造を採用している。また、京橋周辺の観光スポットに近接していることから、区観光協会の情報センターが設置されている。
開発コンセプトは、「根ざし、育ち、実を結ぶ - Like A Big Tree.」[1]。
江戸時代から平成と、京橋は、京橋ならではの大切な歴史が育まれている、一方で、国際的にも情報発信地として、未知の時代へと歩み続けている。京橋に根ざした貴重な歴史が継承し続けられている、京橋の地で育ち続ける未来を模索できる、それらを、京橋のこの場で実を結ぶことができる、それが京橋エドグランである。
沿革
- 2001年(平成13年)8月 - 「京橋二丁目西地区まちづくり検討会」発足。
- 2002年(平成14年)7月 - 都市再生緊急整備地域「東京駅・有楽町駅周辺地区」指定。
- 2003年(平成15年)7月 - 「京橋二丁目西地区再生協議会」発足。
- 2006年(平成18年)2月 - 「京橋二丁目西地区再開発準備組合」設立。
- 2009年(平成21年)6月 - 「都市計画決定」告示(都市再生特別地区の変更、第一種市街地再開発事業、地区計画の変更)。
- 2011年(平成23年)
- 2月上旬 - 特別業務代行者に日本土地建物・東京建物・日建設計・清水建設共同企業体を選定。
- 7月12日 - 東京都知事「京橋二丁目西地区市街地再開発組合設立(事業計画)認可」告示。
- 2012年(平成24年)
- 8月8日 - 東京都知事「定款及び事業計画の変更認可」取得。
- 12月7日 - 東京都知事「権利変換計画認可」取得。
- 2013年(平成25年)
- 4月17日 - 1960年(昭和35年)竣工した「京ビル」等の既存建物の除却工事着手。
- 10月2日 - 「再開発棟・歴史的建築物棟(改築)建築工事着手」。
- 2014年(平成26年)10月22日 - 既存建物等除却工事完了。
- 2015年(平成27年)
- 8月27日 - 「歴史的建築物棟(改築)建築工事完了」。
- 9月16日 - 明治屋京橋ストアー、リニューアルオープン。
- 2016年(平成28年)
- 1月19日 - 建物名称「KYOBASHI EDOGRAND(京橋エドグラン)」に決定。
- 10月下旬 - 「再開発棟建築工事完了」。
- 11月25日 - 再開発棟グランドオープン[2]。
建築概要
- 所在地 - 東京都中央区京橋二丁目2番1号[3]。
- 地域地区 - 商業地域、防火地域、高度利用地区、建蔽率約72%、容積率1,330%。
- 地区計画 - 京橋二丁目西地区第一種市街地再開発事業。
- その他の地区 - 都市再生特別地区。
- 開発面積 - 約1.0ヘクタール (ha)。
- 敷地面積 - 約7,990平方メートル (m2)(約2,417坪)。
- 建築面積 - 約5,740 m2(約1,736坪)。
- 再開発棟(改築)延面積 - 113,553.53 m2(34,349.94坪)(明治屋京橋ビルは含まず)[4]。
- 歴史的建造物棟(改築)延床面積 - 約5,480 m2(約1,658坪)。
- 構造 - 再開発棟:鉄骨造、(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造)中間層免震構造、歴史的建築物棟(改築):鉄骨鉄筋コンクリート造、免震構造。
- 規模 - 再開発棟:地下3階、地上32階、塔屋2階(建物高さ170.37 メートル (m))、歴史的建造物棟(改築):地下2階、地上8階(建物高さ31 m)。
- 基礎 - 直接基礎。
- 建物用途 - 事務所、店舗、公共公益施設、駐車場等。
- 事業主 - 京橋二丁目西地区市街地再開発組合、特定業務代行者 - 日本土地建物株式会社(代表企業)、東京建物株式会社、株式会社日建設計、清水建設株式会社共同企業体。
- 設計者 - 株式会社日建設計。
- 施工者 - 清水建設株式会社共同企業体。
- 工期 - 2013年(平成25年)10月 - 2016年(平成28年)10月下旬。
- 店舗数 - 主に飲食店30店舗。
- 昇降機 - 高層用8基、低層用6基、非常用3基、合計17台。
- 駐車台数 - 自走式24台、機械式256台、合計280台[5]。
- 市街地再開発事業[6]
- 街区再編と機能更新により、東京駅前地区再生のまちづくりをリードする。
- 有形文化財の明治屋ビルを保全・活用し、中央通の歴史的な景観形成に寄与する。
- 観光・歴史をテーマに文化交流拠点の整備と、国際観光都市の情報発信を目指す。
- 京橋駅のバリアフリー化など、快適な歩行者ネットワークの形成を図る。
- 緑豊かな都市空間の創出や環境技術などにより、環境負荷の低減に取り組む。
文化財
- 区指定有形文化財(建造物)[7]
-
- 明治屋京橋ビル
- 明治屋京橋ビルは、1933年(昭和8年)3月、明治屋の事務所と店舗を兼ねた本社社屋として建設。曾禰中條建築事務所が設計、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上8階、地下2階のオフィスビル。
- 昭和初期のルネサンス様式による近代建築。民間建物では初めて、建物地階部分と地下鉄駅とを一体化して建設された最古のビルで、歴史的・文化的な建物。 また、東京大空襲や周辺環境の変化にもかかわらず保存されてきた、近代建築史上重要な建造物。
主要施設
- 再開発棟
- 商業施設 - 地下1階、1 - 6階、約2,845.99 m2(860.91坪)、飲食店舗中心とした30店舗。
- 事務所 - 7階 - 32階、基準階貸室面積2,714.30 m2(821.07坪)、延床面積約66,592.58 m2(約20,144.26坪)。
- 公共公益施設 - 地下1階 - 6階、約2,845.99 m2(860.91坪)。
- 中央区帰宅困難者一時滞在施設[8]。
- 災害により、交通機関がマヒして帰宅が困難となり、身を寄せる場所がない観光客などの来街者を一時的に受け入れる施設。
- 歴史的建築物棟(改築、明治屋京橋ビル)
-
京橋中央広場大階段(2019年撮影)
-
地下1階(2019年撮影)
-
3階(2019年撮影)
-
京橋中央広場を見る(2019年撮影)
-
京橋エドグラン(2017年撮影)
交通
- 鉄道
- 路線バス
- メトロリンク日本橋 - 京橋二丁目停留所(東京駅八重洲口 - 京橋一丁目間運行の無料巡回バス)。
脚注
関連項目
関連文献
外部リンク