「Everyday、カチューシャ 」(エブリデイ カチューシャ、Everyday, Kachuusha)は、日本 の女性アイドルグループ・AKB48 の楽曲。秋元康 が作詞、井上ヨシマサ が作曲を手掛けた。2011年 (平成23年)5月25日 にAKB48のメジャー21作目のシングル としてキングレコード から発売された[注釈 1] 。楽曲のセンターポジションは前田敦子 が務めた。
背景とリリース
前作「桜の木になろう 」から約3か月ぶりのシングルで、2011年のシングル第2弾。
楽曲のシングル盤は「Type-A」の「初回限定盤」と「通常盤」、「Type-B」の「初回限定盤」と「通常盤」、サイト「キャラアニ」を通して発売された「劇場盤」の5種類がリリースされている。「劇場盤」はCDのみの形態であり、それ以外の4種類はDVDが付属している。「Type-A」および「Type-B」のそれぞれにおける「初回限定盤」と「通常盤」は収録トラックが同一であり、封入特典が異なる。4種類の共通特典として、本楽曲の次にリリースされるシングル曲の歌唱メンバーをファンによる投票で決めるイベント『AKB48 22ndシングル 選抜総選挙 』の投票券が期間限定で封入されている。これに加え「初回限定盤」の2種類には「全国握手会イベント powered by ネ申テレビ」の参加券が封入されている。「劇場盤」には「劇場盤発売記念大握手会」の参加券および「メンバー個別総選挙ポスター風生写真」1枚が封入されている。なお、2011年3月11日に発生した東日本大震災 を受けて立ち上げられた「「誰かのために」プロジェクト 」の一環として、CDの売り上げの一部が被災者支援に使われている。
選抜メンバーの人数は当時として過去最多となる26人で、初選抜は山本彩 (NMB48 )、横山由依 、渡辺美優紀 (NMB48)の3人。いずれも関西出身。横山由依が9期生として初めての選抜入りで、山本彩と渡辺美優紀の2人がNMB48のメンバーとして初めての選抜入りとなった。選抜復帰のメンバーは7人で、倉持明日香 と佐藤すみれ の2人が、2010年12月の19thシングル『チャンスの順番 』以来、5か月(2作)ぶり、宮崎美穂 が、2010年8月の17thシングル『ヘビーローテーション 』以来、9か月(4作)ぶり、多田愛佳 が、2009年8月の13thシングル『言い訳Maybe 』以来、1年9か月(8作)ぶり、小森美果 が、2009年6月の12thシングル『涙サプライズ! 』以来、1年11か月(9作)ぶり、菊地あやか が、2008年6月の9thシングル『Baby! Baby! Baby! 』以来、2年11か月(12作)ぶり、増田有華 が、2007年7月の4thシングル『BINGO! 』以来、3年10か月(17作)ぶりの選抜入りとなった。また、菊地あやかは活動再開後、初めての選抜入りとなった。前作の選抜メンバー16人は全員引き続き選抜入りした。
キャッチコピー は「女の子たちが集まると、とっておきの夏が来る」。
楽曲のミュージック・ビデオ の監督は本広克行 が担当した。全篇グアム で撮影され、過去のAKB48のシングル曲のミュージック・ビデオをオマージュ している。グアムでの撮影中に東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災 )が発生し、渡航していたメンバーは慌てて日本の家族に連絡を取ったという[1] 。
「Everyday、カチューシャ」は、2011年4月16日の京セラドーム大阪 で行われた全国握手会イベント中に初披露された[2] 。また、『ミュージックステーション 』(テレビ朝日 系)では、2011年5月27日、6月10日、12月23日(『ミュージックステーションスーパーライブ2011』)、2013年6月7日、12月27日(『ミュージックステーションスーパーライブ2013』)、2015年9月23日(『ウルトラFES』)の6回披露されている。
AKB48の姉妹グループであるSDN48 の3rdシングル『MIN・MIN・MIN 』Type Bにはこの曲のSDN48バージョンが収録されている。
アートワーク
ジャケット写真のメンバー
Type-A(数量限定生産盤)
板野友美、前田敦子
Type-B(数量限定生産盤)
大島優子、柏木由紀、小嶋陽菜、高橋みなみ
Type-A(通常盤)
板野友美、篠田麻里子、前田敦子、渡辺麻友
Type-B(通常盤)
大島優子、柏木由紀、小嶋陽菜、高橋みなみ
劇場盤
前田敦子、松井珠理奈、山本彩
チャート成績
『Everyday、カチューシャ』のシングルCDの初回出荷枚数は145万枚で、自身のシングルの初回出荷枚数の最高記録を更新した[3] 。キングレコードによるとその後、2011年5月27日に出荷枚数は165万枚を超えた[4] 。
発売前日の2011年5月24日付オリコン デイリーシングルチャートで推定売上枚数約94万2000枚を記録。前作『桜の木になろう 』の記録[注釈 2] を抜き、デイリーシングルチャートでの推定売上枚数公開以降の最高枚数を更新した[5] [注釈 3] 。また、この1日で『桜の木になろう』の週間チャートでの初動売上(約94万2000枚)とほぼ同枚数を売り上げた。発売当日(集計2日目)の2011年5月25日付同チャートでは約14万2000枚を記録した。2日の集計で推定売上枚数の合計が約108万5000枚となり、ミリオンセラーを達成した。発売初週でのミリオンセラー達成は宇多田ヒカル の『Addicted To You 』(1999年11月発売)以来約11年6か月ぶり、史上4作目の記録。同時に『Addicted To You』の初動売上(約106万8000枚)を抜き、女性アーティストによるシングル最高初動売上記録の更新も達成している[6] 。この段階において、全アーティストを含めた歴代初動売上ランキングで2位に位置付け、自身最高のシングル売り上げ記録を更新した。
2011年6月6日付オリコン週間シングルチャートで初登場1位を記録した。チャート1位は『RIVER 』から8作連続となり、これは女性グループとしてはピンク・レディー [注釈 4] 以来約32年8か月ぶりの記録。最終的な初動売上は約133万4000枚となり、1996年2月にMr.Children の『名もなき詩 』が記録したシングル初動売上記録(約120万8000枚)を約15年4か月ぶりに更新した[4] 。なお、デイリーチャートの段階では2011年5月28日付(集計5日目)で推定売上枚数が合計125万4000枚に達し、この時点で『名もなき詩』の初動売上を上回っていた。また、ミリオンセラー達成は前作『桜の木になろう』に続き史上245作目、AKB48の作品としては通算3作目となった。
2011年度のオリコン上半期ランキングでは1位を記録。また、『桜の木になろう』が2位となり、AKB48の作品が1位・2位を独占した。同一アーティストによる上半期ランキングの1位・2位独占は、ピンク・レディー (1978年)、光GENJI (1988年)、嵐 (2009年・2010年)に続く史上4組目となった[7] 。2012年4月23日付けのオリコンチャートで累計売上160万4000枚を突破し、『それが大事 』を抜いてオリコン歴代シングルチャート66位を記録した。21世紀に発売されたシングルCDとしてはSMAP の『世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン) 』、自身のシングル『真夏のSounds good ! 』、同じく『さよならクロール 』、修二と彰 の『青春アミーゴ 』、自身のシングル『フライングゲット 』に次ぐ5番目の売り上げを記録している。
メディアでの使用
楽曲は以下のメディアで使用された。
このほか、フジテレビ 系ドラマ『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件 』の劇中で使用されている(監督はMV演出を担当した本広克行 )。
また、2017年の金子修介 監督による日本映画『リンキング・ラブ 』において、1991年にタイムスリップした主人公が若き日の大学生である母親たちと結成した学園祭アイドルグループ「ASG16」が本曲を劇中で歌唱している。
シングル収録トラック
Type-A
「数量限定生産盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一である。
CD # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday、カチューシャ 」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 2. 「これからWonderland 」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:26 3. 「ヤンキーソウル 」 秋元康 JUNKOO/Moi 武藤星児 3:31 4. 「Everyday、カチューシャ(off vocal ver. )」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 5. 「これからWonderland(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:25 6. 「ヤンキーソウル(off vocal ver.)」 JUNKOO/Moi 武藤星児 3:29 合計時間:
26:17
DVD # タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「Everyday、カチューシャ」 本広克行 2. 「これからWonderland」 中村太洸 3. 「ヤンキーソウル」 佐藤太 4. 「Everyday、カチューシャ Music Clip〈Drama ver.〉」 5. 「AKB48ちょの続・ショートコンちょ3連発!(Type-A)」
Type-B
「数量限定生産盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一である。
CD # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday、カチューシャ 」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 2. 「これからWonderland 」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:26 3. 「人の力 」(アンダーガールズ) 秋元康 関淳二郎 関淳二郎 4:30 4. 「Everyday、カチューシャ(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 5. 「これからWonderland(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:25 6. 「人の力(off vocal ver.)」 関淳二郎 関淳二郎 4:30 合計時間:
28:17
DVD # タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「Everyday、カチューシャ」 本広克行 2. 「これからWonderland」 中村太洸 3. 「人の力」 丸山健志 4. 「Everyday、カチューシャ Music Clip〈Dance ver.〉」 5. 「AKB48ちょの続・ショートコンちょ3連発!(Type-B)」
劇場盤
CD # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday、カチューシャ 」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 2. 「これからWonderland 」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:27 3. 「アンチ 」(チーム研究生) 秋元康 ツキダタダシ ツキダタダシ 4:11 4. 「Everyday、カチューシャ(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 5. 「これからWonderland(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:25 6. 「アンチ(off vocal ver.)」 ツキダタダシ ツキダタダシ 4:10 合計時間:
27:38
選抜メンバー
収録アルバム
JKT48によるカバー
AKB48の姉妹グループであるJKT48 が本楽曲を「Everyday, Kachuusha 」のタイトルでカバーし、グループの19作目のシングル 「Everyday, Kachuusha/UZA 」(「UZA 」とのWシングル)として、2018年7月7日にMUSIC DOWNLOAD CARD、同年8月にシングルCDとしてHits Records から発売された。本作はJKT48の改革を目的としたプロジェクト「JKT48 RE:BOOST」の一環として企画されたものである[8] 。
歌詞は全編にわたってインドネシア語 に翻訳したもの。楽曲のセンターポジションはアディスティ・ザラが務める。
カップリングでは他に、「イマパラ 」(AKB48)、「強き者よ 」(SKE48)、「涙のシーソーゲーム 」(AKB48)のカバーが収録されている。
シングル収録トラック (JKT48)
MUSIC DOWNLOAD CARD
Regular Edition
DVD # タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「Everyday, Kachuusha (Music Video)」 2. 「UZA (Music Video)」 3. 「MV Behind the Scene」
配信
デジタル・ダウンロード / ストリーミング # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday, Kachuusha」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 5:13 2. 「Sekarang Para - Imapara」 板垣祐介 板垣祐介 3:22 3. 「Wahai Kesatria - Tsuyokimono yo」 上田晃司 野中“まさ”雄一 4:18 4. 「Seesaw Game Penuh Air Mata - Namida no Seesaw Game」 松本俊明 中西亮輔 4:41
選抜メンバー (JKT48)
アディスティ・ザラ
アニンディタ・ラーマ・チャヒャディ
アヤナ・シャハブ
シンディ・ハプサリ・マハラニ・プジアントロ・プトゥリ
シンディ・ユフィア
イヴ・アントワネット・イヒワン
フェニ・フィトゥリヤンティ
マデ・デヴィ・ラニタ・ニンタラ
ミシェル・クリスト・クスナディ
ヌルハヤティ
プティ・ナディラ・アザリア
シャニア・グラシア
シャニ・インディラ・ナティオ
シャニア・ジュニアナタ
タリア・イファンカ・エリザベス
フィフィヨナ・アプリアニ
脚注
注釈
^ 配信限定シングル『Baby! Baby! Baby!』を含む。インディーズシングルを含めると通算23作目。いずれの数字も、配信限定の「誰かのために -What can I do for someone?- 」はシングルとしての配信ではないため含んでいない。
^ 2011年2月16日付、約65.5万枚。
^ この記録は後に2011年8月23日付で『フライングゲット 』(約102万6000枚)が更新している。
^ 1978年10月2日付『透明人間 』で記録した。
^ a b AKB48の姉妹グループ・SKE48から選抜。
^ a b AKB48の姉妹グループ・NMB48から選抜。
出典
外部リンク
1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
チャート1位 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
Billboard JAPANシングル・セールス・チャート「Hot Singles Sales」第1位(2011年6月6日付)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
Billboard JAPAN R35以上対象番組ラジオ・エアプレイ・チャート「Adult Contemporary Airplay」第1位(2011年6月13日付)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
日本レコード協会 の発表 着うたフル で2ミリオン着うたフルでミリオン 着うたフル+PC配信合算でミリオン シングルトラックでミリオン (2014年認定) シングルトラックでミリオン (2015年から2019年認定) シングルトラックでミリオン (2020年から2024年認定) シングルトラックで2ミリオン以上