『トランスフォーマー アドベンチャー』(原題:Transformers: Robots in Disguise)はアメリカ合衆国のテレビアニメである。アメリカ合衆国ではカートゥーン ネットワークで2015年3月14日に放送された[2][3][4]。日本では、2015年3月15日から同年12月13日まで、アニマックスにて放送され、同年3月20日から同年12月20日まで、YouTubeやニコニコ動画でも配信されるほか、携帯電話・スマートフォン向けの無料配信アプリもある[6]。2016年7月より第2シーズン『トランスフォーマー アドベンチャー -マイクロンの章-』が放送・配信。
『超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム』同様、制作はハズブロ・スタジオ、アニメーション制作はポリゴン・ピクチュアズの合作体制で行う。
なお、本作品は『トランスフォーマープライム』の最終作(最終シーズン)で完結篇であるアニメーション映画『Transformers Prime Beast Hunters: Predacons Rising』(トランスフォーマープライム ビーストハンターズ:プレダコン・ライジング)(日本未公開)の後日談となっており、戦争終結後のバンブルビーの成長譚が描かれている。そして2014年に行われたインタビューの中でハズブロは『プライム』とは違う作風になる予定であると話した[7]。また、ハズブロのチーフコンテンツオフィサーのスティーブン・デイビスは、「子どもたちとトランスフォーマーの何が好きかをじっくりと話し合い、その会話から我々が学んだことをこのアニメに反映させた」と語っている[8]。
オートボットとディセプティコンの戦争はオートボットの勝利で終わりを告げ、荒廃していたサイバトロン星も復興を果たした。
平和となったサイバトロン星で警察官の職に従事していたバンブルビー。そんなある日、死んだはずのオプティマスプライムのヴィジョンが現れ「地球を迫りくる危機から救え」との新たな任務を授けられる。そしてオプティマスプライムに導かれ再び地球へ赴くのだった。
同じころ、地球にサイバトロン星の監獄船アルケモア号が墜落してしまい、収容されていた200体のディセプティコンが脱獄してしまう事態になってしまう。
バンブルビーは寄せ集めのメンバーと共に、逃亡した囚人のディセプティコン、そして迫りくる邪悪な存在に立ち向かう。
声優は、日本語版 / 英語版。
かつてオプティマスプライム、バンブルビーと共に地球で戦ったオートボット戦士のグループ。
オプティマスプライム、ラチェット以外のメンバーはIDW社から刊行されている『Robots in Disguise(2015 comic)』に登場している。
本作品のディセプティコンは全員が元メガトロンの配下だったわけではなく、窃盗や器物損壊などの軽度のものも含めて何かしらの犯罪を起こしたTFを一律にディセプティコンとして扱っている。サイバトロン監獄船アルケモア号の囚人たちであったが、アルケモア号が地球に墜落した際にグリムロックを除く全員が脱獄を果たす。フィクシットの弁によると囚人の数は200体。ディセプティコンエンブレムには囚人追跡装置が内包されているため、スチールジョーは自身と仲間になった囚人たちのエンブレムを引き裂いたり、傷を付けている。このことから今作のディセプティコンエンブレムは別に軍団エンブレムというわけではなく、囚人管理・追跡用のマークとなっている。また、多くの者は地球の動物に似た姿や特徴をしている(ストロングアームがそのことに触れて、その動物の特徴を利用した倒し方をしたこともある)。
スチールジョーをリーダーとするディセプティコンの一団。各々の犯罪歴は異なるものの、スチールジョーの目的である地球侵略に協力している。
第26話でメガトロナスの陰謀に巻き込まれ、さらにオートボットとの交戦で壊滅したものの、『マイクロンの章』第3話(第29話)でスチールジョーがグロウストライク一味と結託し、第7話(第33話)でオートボット基地から仲間を釈放した後、グロウストライク一味と協力関係となる。
『マイクロンの章』第3話(第29話)から登場するディセプティコンの一団。人里離れた海辺に墜落したアルケモア号をアジトとしている。全員アルケモア号の元囚人たちだが、クーデター後に囚人名簿を改ざんして自分たちのデータを消している。グロウストライク、スコルポノック、セイバーホーンを筆頭に、多数のサイクロン族や囚人たちで構成されているが、些細なことで騒動を起こすなどほぼ烏合の衆である。
シーズン2『マイクロンの章』第14話(第40話)から登場する、ディセプティコンのトレジャーハンターたち。全員体にこれまでの遺跡調査の際に負った傷がある。
サーミドーの宇宙船を拠点とし、かつてオートボットとディセプティコンの大戦の激戦地だった地球へと飛来し、かつての基地などから強力な武器などを探している。その過程でハイパーマイクロンたちと協力関係になるが、彼らがスタースクリームに追われていることは知らなかった。
第17話(第43話)でダークエネルゴンセイバーを見つけるも、一瞬の隙を突かれて宇宙船を奪われ、さらに襲来したスタースクリームにダークエネルゴンセイバーも奪われてしまった。第18話(第44話)では今までの入手した武器を使いスタースクリームへの報復を考えていたところをオプティマスプライムらと遭遇し交戦、一時は優勢だったが、チームワークの悪さが仇となって形勢は逆転し、最後はグリムロックとトリケラショットの連携に敗れ去って逮捕された。
モーターマスターをリーダーとするディセプティコンの一団。シーズン3『Combiner Force(コンバイナーフォース)』の前半にてメインヴィランとして登場。大地を全て自分たちの支配する舗装道路とすることを目論んでおり、そのために地球に眠るサイバトロン星由来の遺物を捜索しており、チーム・バンブルビーと対立した。 前作『プライム』にて地球でチーム・プライム(オプティマス部隊)と死闘を繰り広げたディセプティコンの軍医で闇医師であるノックアウト(メディックノックアウト) / Knock Out(Medic Knockout)の助手としてパートナーを務めたディセプティコン兵士でありバルクヘッドとは因縁のあるライバル関係で登場した偵察兵であるブレークダウン(ウォーブレークダウン) / Breakdown(War Breakdown)、玩具のみでアニメ未登場の暴走兵であるスタントワイルドライダー / Wildrider(Stunt Wildrider)とデッドエンド / Deadendはスタンティコン部隊(スタンティコンズ)の一員になっている。
サイクロナスをリーダーとするディセプティコンの一団。シーズン3『Combiner Force(コンバイナーフォース)』の後半にてメインヴィランで最終ボスとして登場。前作『プライム』から続く最後の相手。
シーズン2『マイクロンの章』から登場。スタースクリームに追われる7体のマイクロン。幼少のころにディセプティコンによって兵器として遺伝子操作を施された特別なマイクロンたち。強力な武器や防具に変形し、使用者に強大なパワーを与えるほか、ウェポンモードの際に触れた相手を操る能力を持つ。
スタースクリームから逃れるために、遺跡発掘に協力するのを条件としてスカベンジャーズに加わるが、宝の発掘のためならどんな卑劣な手段も辞さないスカベンジャーズのやり方には全員不満を抱えており、第17話(第43話)にて一瞬の隙を突いて彼らの宇宙船を乗っ取り逃亡した。第18話(第44話)まではオートボットたちへの不信感から対立していたものの、オプティマスプライムの説得を受けて心を開き、協力するようになる。第19話(第45話)にて全員スタースクリームに捕らえられ、ハイパーサージモードとなった彼に吸収されてしまったものの、オートボットらの活躍で解放された。戦いの後は、フィクシットたちに修理してもらったスカベンジャーズの船に乗り、安住の地となる星を求めて地球を去った。
前作『プライム』にて存在が語られた、善神プライマスによって生み出された『プライム』の世界における最初のトランスフォーマーたち。かつてユニクロンを打ち負かして追放し、サイバトロン星の文明の基礎を築いたとされており、多くのトランスフォーマーたちから神として畏敬の念を抱かれている。
当初本作はハブ・ネットワーク(ハズブロとディスカバリーチャンネルの合弁チャンネル)で2015年初旬に放送される予定だったが[7][33]、社内でのハズブロの影響力が弱まりチャンネル名がディスカバリー・ファミリーと改名されたため、過去にトランスフォーマーの作品を放送してきたカートゥーン ネットワークで放送されることに決まった[2][3][4]。
2015年1月13日、カートゥーン ネットワークは全世界での放映権を取得した[34]。
2015年2月9日にはフランスのカナルJで放送され[35]、全世界放送の先陣を切った。
英語版の放送は、2015年2月21日にオーストラリアのカートゥーン ネットワークが最初に行い[36]、3月7日にはイギリス・アイルランドのカートゥーン ネットワークと中東・アフリカのカートゥーン ネットワークが英語版の放送を開始した[37][38]。アラビア語版の放送はカートゥーン ネットワーク・アラビアが3月13日に行われた[39]。
アメリカ合衆国では2015年3月14日にカートゥーン ネットワークで第1話・第2話が特別番組枠で放送され、3月21日に第1話の放送が行われる[40][41]。
本作品の日本語版は2015年3月15日にアニマックスで第一話の放送が行われた。本作品の日本語版演出は、『ビーストウォーズ』から『プライム』まで、多数のトランスフォーマーシリーズに携わってきた岩浪美和から実写映画『トランスフォーマー』シリーズに携わってきた三好慶一郎に変更されている。また日本語版では吹き替え用の台本が、だいたいの台詞は原語版に忠実ではあるが、東北新社によって大きく書き換えられており、変形時にトランスフォームの掛け声が入ったり、日本式のギャグや声優によるアドリブなどが取り入れられているなど、日本の視聴者に合わせた作風になっている[42]。TOKYO MXでの放送では、DVD化時に英語版が収録されたカナダ製作の『ビーストウォーズ』シリーズ以来、2か国語放送で英語版でも視聴できた。日本語版にはオープニング・エンディング映像が追加され、このうちエンディングは主題歌を歌うオートボットの6人が畳の上で踊る内容になっており、その様子が一部の視聴者たちの間で話題になった[43]。
制作総指揮のジェフ・クラインをはじめ、監督のデビッド・ハートマン、キャラクター&プロップアートディレクターのホセ・ロペスなど、多くは『プライム』からの続投となっているが、メイン脚本のアダム・ビーチェンやCG制作ディレクターの井手恵介といった新たなスタッフもメインとして起用されている。
日本では「アドベンチャーシリーズ(海外ではウォーリアークラス)」と「イージーダイナミックシリーズ(海外ではワンステップチェンジャー)」をリリース。オプティマスの記憶の欠片ともいわれるエンブレム(プライムメモリー)をスマートフォンでスキャンすることでアプリと連動する遊びが施されており、そのためパッケージにはダミーシールを被せている。
シーズン2『マイクロンの章』ではマイクロンとの武装合体を押し出したアーマーシリーズが発売された。この製品は海外では別カテゴリーの製品であったため初期シーズンの製品に比べ若干のサイズダウンがされており変形も大幅に簡略化されている。また、国内ではサイクロンなどに専用ジョイントが追加されアドベンチャーシリーズの玩具の手のCジョイントに武装したりゴッドオプティマスプライムの胸部に合体させることが出来るようになった。ただしそのために一部ギミックが犠牲になったものもある。
シーズン3『コンバイナーフォース』では合体をメインに2体合体~5体合体する玩具が『クラッシュコンバイナー』シリーズとして発売されている。この合体機構は共通のジョイントシステムが使用されており同じカテゴリーの製品同士であれば自由に合体させられる。ただしそのため簡易変形に留められている。また「メックテックシリーズ」のようにミニコンを合体させることで強化形態が発動する『アクティベーター』シリーズもある。なお、これらの製品は日本国内ではアニメ未放送のため2020年現在国内未発売となっている。
アニメ未登場の人物(※)は本作品に合わせた設定がつけられている。
対決セット
変形機構を簡易化したワンステップチェンジャーシリーズ。
2020年時点、日本国内で未発売のもの。合体させるとスプリングのロックが解除されて一発変形する『1ステップチェンジャー』がメイン。
互いの前後に装備された合体ジョイントで『衝突させる』ように合体させて別の大型ロボットになるギミックを持つシリーズ。作中でも発動のきっかけが『衝突したこと』によるものだったことから名づけられた。
クラッシュコンバイナーと同じ合体ジョイントで4~5体の合体で1体の大型ロボットになる合体シリーズ。クラッシュコンバイナー製品を合体させることもできる(ただし腕としては機能しないし「ウルトラビー」では下半身としても成立しない)。メナゾール(メナゾー/メナソー)では「モーターマスター」が『初代』アニメシリーズ(G1)当初以来のキャブオーバータイプの『トレーラートラック』または『フルトレーラー』変形に回帰している。
ミニコンとの合体で強化形態に瞬間変形する1ステップチェンジャーシリーズ。