ハビエル・アンヘル・エンシーナス・バルデム (Javier Ángel Encinas Bardem, 1969年 3月1日 - )は、スペイン の俳優 。
生い立ち
カナリア諸島 ラス・パルマス にて、祖父母の代から俳優の芸能一家に生まれる。叔父は監督のフアン・アントニオ・バルデム 。6歳でデビューし[1] [2] 、テレビなどに出演するようになるが、一方でラグビー の世代別スペイン代表チームに選抜される[3] [4] など、スポーツ選手としても活躍。しかし芸術に興味を持ち[5] 、マドリッドで4年間絵画を学ぶが[3] [6] 、才能がないと感じて画家への道を諦める[5] 。
キャリア
ビガス・ルナ に見いだされ、1990年に『ルルの時代 』で映画デビュー。1992年公開の同監督の『ハモンハモン 』でスペイン国内での知名度は上がり、その後の出演作品でスペイン版アカデミー賞と言われるゴヤ賞 を受賞した。しかしそれでも英語圏での知名度は上がらず、スペイン国内での活動がしばらく続いた。
1997年、ジョン・マルコヴィッチ に自身の演技力を注目され、英語作品への出演オファーをされたが、当時はまだ英語が疎かったために断った。
2000年、英語作品『夜になるまえに 』で初主演を飾った。本作では実在したキューバ 出身でアメリカに亡命したゲイ の作家 、レイナルド・アレナス を演じた。劇中ではエイズ に冒された作家という難役に挑んだが、その演技は高く評価され、ヴェネツィア国際映画祭 男優賞 を受賞。また、スペイン人 俳優として初めてアカデミー賞 主演男優賞 にノミネートされた。
2004年にはスペイン映画『海を飛ぶ夢 』で、実在した尊厳死活動家のラモン・サンペドロ を演じ、下半身不随によりベッドで寝たきり状態になった主人公の演技は再び絶賛され、二度目のヴェネツィア国際映画祭 男優賞 を受賞。同年からはハリウッド 作品にも出演するようになり、『コラテラル 』では脇役で出演した。
2007年に公開されたコーエン兄弟 監督の『ノーカントリー 』では、冷酷無比なサイコパスの殺し屋アントン・シガーを演じ、映画史に残る悪役として称賛され、スペイン人俳優として初めてゴールデングローブ賞 助演男優賞 、アカデミー賞 助演男優賞 を受賞した。
2010年にはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 監督の『BIUTIFUL ビューティフル 』でスペイン語の演技をし、カンヌ国際映画祭 の男優賞 を受賞した。また、同年度のアカデミー賞 主演男優賞 などにもノミネートされ、5度目のゴヤ賞(4度目の主演男優賞)を受賞している。
2012年には50周年を飾り、シリーズ最高の興行収入を記録した007シリーズ第23作『007 スカイフォール 』で悪役シルヴァを演じ、同年度の英国アカデミー賞 で助演男優賞にノミネートされた。
ジャンルや国を問わず幅広く活動を続けているが、2010年代後半以降は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 』(2017年)や『DUNE/デューン 砂の惑星 』(2021年)といったハリウッドの超大作で脇役を演じながらも、『誰もがそれを知っている 』(2018年)等の祖国の文芸作品では主演を務めるという傾向が強くなる。
2021年 の『愛すべき夫妻の秘密 』ではニコール・キッドマン と初共演し、アカデミー主演男優賞 に再びノミネートされる。同年には妻のペネロペ・クルス も『パラレル・マザーズ』でアカデミー主演女優賞 にノミネートされており、夫婦揃ってのノミネートとなった。
演技における評価
『ゴッドファーザー 』や『狼たちの午後 』で知られる名優のアル・パチーノ は『夜になるまえに 』を鑑賞後、留守電にメッセージを残して称賛した。
ショーン・ペン は『BIUTIFUL ビューティフル 』を鑑賞してその演技に圧倒され、上映終了後には15分間言葉が出なかったとインタビューで答えている。
私生活
2010年7月にバハマ で女優のペネロペ・クルス と結婚[7] 。2011年1月に長男(レオ・エンシーナス・クルス)が誕生[8] 。2013年7月に長女ルナが誕生した[9] 。
ロック 音楽やヘヴィメタル を好み、AC/DC の大ファンである[10] 。
主な出演作品
主な受賞
日本語吹き替え
『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 』以降、大塚明夫 が大半の作品で担当している。
このほかにも、江原正士 、内田直哉 、原康義 、谷昌樹 、山路和弘 、田中正彦 なども声を当てている。
参照
^ Turner, Christopher (2008年2月9日). “'I always fight directors' ”. The Guardian . 2011年4月16日 閲覧。
^ “Javier Bardem As Four Year Old On Spanish TV (VIDEO) ”. Huffington Post (2010年10月23日). 2012年8月3日 閲覧。
^ a b Schroot, Hannah (2011年2月22日). “Javier Bardem: 10 things you need to know about the Oscar-nominated actor ”. Mirror. 2011年3月29日 閲覧。
^ Pierce, Nev. “Interview with Javier Bardem” . BBC. http://www.bbc.co.uk/films/2002/11/27/javier_bardem_the_dancer_upstairs_interview.shtml 2007年10月12日 閲覧。
^ a b Cobiella, Kelly (2011年1月9日). “Javier Bardem: Acting, Fame Are Contradictory ”. CBC News. 2011年4月6日 閲覧。
^ Hay, Carla (2008年8月19日). “Javier Bardem: The Reluctant Romantic ”. Lifetime . 2012年1月11日時点のオリジナル よりアーカイブ。2011年3月29日 閲覧。
^ “Report: Penelope Cruz, Javier Bardem Marry ”. TVGuide.com. 2012年8月3日 閲覧。
^ Rolfe, Pamela (2011年2月8日). “Name of Javier Bardem, Penelope Cruz's Son Revealed ”. The Hollywood Reporter . 2011年2月9日 閲覧。
^ “Luna, ha sido el nombre que Penélope Cruz y Javier Bardem ha escogido para su hija ” (Spanish). La Vanguardia . 2013年7月31日 閲覧。
^ http://www.cbsnews.com/news/javier-bardem-acting-fame-are-contradictory/
外部リンク
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