バッジョシアン(英語: Bajocian)は、1億7030万年前(誤差140万年)から1億6830万年前(誤差130万年)にあたるジュラ紀の地質時代の一つ[1]。
名称はフランスのノルマンディーのバイユー(ラテン語では Bajoce)に由来する。現在の模式地はポルトガルのカボ・モンデゴ(英語版)[2]。
なお、「バジョース階」「バッジョシアン階」という名称があるが、これらは時代を示すものではない。「階」は地層に対して当てられる単位(層序名)であり、層序名「バジョース階」「バッジョシアン階」と時代名「バジョース期」「バッジョシアン期」は対を成す関係である。詳細は「累代」を参照のこと。
日本において
三重県の志摩半島に分布する秩父累帯北帯白木層群の6ヶ所から放散虫化石が得られ、そのうち北部・南部・中央部に位置する精度の高いポイントがバッジョシアン階 - 下部バトニアン階に相当することが示された。このことから白木層群はバッジョシアン期から前期バトニアン期までという短期間で堆積したことが示唆されている。さらに、陸現生砕屑岩年代の比較から、秩父累帯北帯の基準層序単元の1つである上吉田ユニットが白木層群と対応する可能性が高いとされる[3]。群馬県東部の八王子丘陵には、主にチャートと泥質混在岩からなるジュラ紀付加体足尾テレーンが露出する。このテレーン(地質学的まとまりを持つ岩体や地層の集合)に含まれる珪質泥岩からはバッジョシアン - バトニアンにあたる放散虫化石が産出している[4]。岐阜県西部舟伏岩体東部の舟伏山ユニット円原台東部から産出した鱗片状泥岩からも上部バッジョシアン - 下部バトニアンに相当する Striatojaponocapsa plicarum 帯の放散虫化石が産出した[5]。
長野県下伊那郡大鹿村および飯田市東部では、その北方でバッジョシアンからバトニアンを示す放散虫化石が報告されている。ただし、岩相分布や地質構造に関する詳細な情報はない[6]。
出典