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この項目では、ソニーの二足歩行ロボットについて説明しています。ソニー子会社のIoTベンチャー企業については「Qrio (企業)」をご覧ください。 |
2004年ロボカップにて
QRIO、Qrio(キュリオ)は、ソニーがかつて開発していた二足歩行ヒューマノイドロボット。
身長は58cm、体重は7kg (SDR-4X II)。
概要
ソニーは QRIO を「コーポレートアンバサダー」(企業親善大使)と位置付けていた。開発したのは土井利忠ソニー上席常務。
当初より、ダンスを踊る・集団でシンクロした動作をするなど、エンタテインメントロボットとして位置付けられている。そのため、以下のような各種安全機構も充実していた。
- ステレオカメラが搭載されており、障害物を把握することができる。
- 転倒した場合でも破損しにくい小柄なボディ(重量は約7kgで身長58cm)
- 路面適応制御
- 凹凸や傾斜を判断して重心を移動
- 階段や段差を目で見て認識し、上り下りができる
- 体を押すと、押された方向へ歩く - 自ら移動することで重心を移動し、転倒を防ぐ
- 「だっこ」されると自動的に手足の動作を制限し、受動的な状態になる
- 人間に手足を掴まれ、無理に動かされると「いたいよ~」と音声で無理な動作を止めるように求める
- 転倒の際に受身を取る
- 倒れても自力で起き上がる
- はさみ込み防止センサーや、指はさみを起こさない可動部カバーシャッター構造の採用
歴史
ロボカップにて、AIBOを見つめるQRIO
- 2004年
- 従来の三倍の歩幅での歩行が可能となり、三次元認識機能も追加された。
- 3月26日から28日 - 東京お台場のメディアージュにて開催された「Sony Spring Festival in Mediage」に QRIO が出演、メディアージュ内にある「ソニースタイル ショールーム」にて QRIO のオリジナルダンスショーを開催、同時に QRIO のデモストレーションも実施。また、館内にあるソニーの科学館「ソニーエクスプローラサイエンス」にて行われた QRIO の開発者による講演にて、従来の三倍の歩幅で歩く QRIO が初めて一般向けに公開された。
- 秋 - ピタゴラスイッチに出演。「アルゴリズムたいそう」を行った。
- 2005年
- 3月24日 - 2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の開幕式に登場。ASIMOと競演し、握手を交わした[1]。
- 11月、アメリカ合衆国のミュージシャン・ベックの楽曲「Hell Yes」のプロモーションビデオに出演。プログラマーたちは、QRIO に振り付けをプログラムするにあたって3週間を費やしたという[2]。
- 2006年
- 1月26日 - ソニーは「特定ビジネス分野の収益性改善プラン」の一環として、AIBO とともに QRIO の新規開発、生産を中止することを発表した。開発者の土井は、2004年の経営会議で、ネット事業に執着する出井伸之会長からQRIOの商品化中止を命じられていた[3][4]。
- 3月26日 - 長崎市科学館にて技術デモンストレーション。
- 2017年 - ソニービルにて開催された「It’s a Sony展」で、動かない状態でAIBOとともに展示された[5]。
脚注
- ^ 2005年日本国際博覧会 愛知万博「愛・地球博」開幕式出演
- ^ “ベック ビデオの主役はソニーの小型ロボット”. MTV JAPAN. (2005年11月14日). オリジナルの2017年12月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171201081127/www.mtvjapan.com/news/music/11370
- ^ “ソニー、ロボット撤退の舞台裏”. 朝日新聞. (2014年5月9日). オリジナルの2015年1月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150104081045/http://www.asahi.com/articles/ASG5964YMG59UHBI02G.html
- ^ “そしてソニーはロボット開発をやめた”. 日経ビジネス. (2016年6月14日). http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/031800001/061000011/
- ^ “銀座ソニービル建て替えのカウントダウンイベント「It’s a Sony展」が懐かしすぎて胸が苦しくなった”. GIGAZINE. (2017年1月18日). http://gigazine.net/news/20170118-its-a-sony-ginza-sonybuilding/
外部リンク
記事